- 「自分は一生、正社員になれないんじゃないか」
- 「自分は一生、結婚できないんじゃないか」
- 「これまで真面目に必死に努力してきたのに、なぜ報われないんだろう」
本記事では、
「人生に行き詰ってしまったけれど、それでも本当は頑張りたい!」
このような葛藤に苦しんでいる方へ向けて、人生を諦めるとはどういうことなのか、上手な人生の諦め方について解説していきます。
人並みの人生を諦めるとは
人生を諦めるとは、
「自分が抱いている”幻想”に気付くこと」
とも言い換えられます。
その幻想とは、
「人並み(普通)の人生を歩まなければ、恥ずかしい」
という思いです。
では、自分が普段、無意識に抱いている「普通の人生」とは、どのようなイメージなのでしょうか。
たとえば、普通の人生とは人によっては
- 正社員として働くこと
- 結婚していること
- 車を持っていること
- 年に一度は旅行すること
- 健康であること
- 土日は休みが基本
本当に様々ですよね。
ここで大切なことは、自分の中の「普通」は、周りの人達も同じく「普通」だと思っていると無意識に思い込んでいることです。
著「「普通がいい」という病」の中でも、「普通」という言葉に含まれる意味について述べられています。
つまり、「普通」という言葉は、さらに「標準的な」「社会適応している」といった価値観をも含んでいるわけです。
ある言葉が人を縛り付けたり固定したりするとき、言葉の何がその人を縛るのかというと、
その言葉にまとわりついている価値観や世界観のようなものが縛っているわけです。著『「普通がいい」という病』より
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つまり自分にとっての当たり前が、本当に「普通」なのかを見つめ直すことで、人生は上手に諦めることができるんです。
人並みの人生を諦めるために必要なもの
人生を諦めるためには、大きく2つの気持ちが必要になってきます。
1.他者に対する安心感
人並みの人生を諦められないと、常に不安感と戦い続けなければならなくなります。
しかしこれは実際には逆で、心の底に安心感がないために人生を諦められないとも言えるんです。
そして、この安心感とは心理学では心の安全基地と言われています。
この安全基地が弱い場合、特に他人の目が気になりやすく、不安になりやすい傾向があります。
また誰でも自分の中に、諦めたくないことって多く持っているものです。
たとえば、
- 誰からも嫌われないこと
- お金をかけてもきちんとしたご飯を食べること
- 趣味に月〇〇万円は使うこと
こうしたことは普段、なかなか意識できていないことかもしれません。
しかし、日々の小さな諦められていないことをまとめていくと、それが「人生で諦められていないもの」につながっていくんです。
2.最低限の自己肯定感
人並みの人生を諦めることが出来れば、それだけ今の自分を肯定できるようになります。
それは頑張れない自分でも良いと思えるということです。
これまで自分の中の「普通」に何とか自分を追いつかせようと努力を重ねてきた人も多いと思います。
しかし、それは裏を返せば
「普通になれていない自分はダメだ」
という自己否定をずっと続けているとも言えます。
人生を少しずつでも諦めていくために自己肯定感を身に付けていくには、
- 今の自分を自分が嫌っていること
- 頑張れない自分でも良しとできないこと
これらのことにまずは気付くことが必要なんです。
>>>自分を好きになれない人へ。克服には「人が嫌い」を認める必要がある
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人並みの人生を諦められない理由
多くの人にとって、人並みの人生を諦められない理由は主に、
「プライドが邪魔するから」
です。
「そんな訳ない!」と言う方もいると思いますが、突き詰めて考えてみると、このプライドが人生を邪魔していることは多くあります。
たとえば、会社を辞められないのもその一つです。
会社を辞めてしまったら、
- 生活できない
- 次の仕事が見つかるか分からない
- 次に安定した正社員になれるか不安
など理由はいくらでも出てきますが、本当にそうなのでしょうか。
- 「生活できない」というより
→今の生活水準を維持したい - 「次の仕事が見つかるか分からない」というより
→今と同等の条件以下の仕事はイヤだ - 「次に安定した正社員になれるか不安」というより
→正社員でないと恰好がつかない
このように改めて考えてみると、プライドさえ捨てられれば、会社を辞められない理由が自分の中からどんどん減っていくことが見えると思います。
しかしプライドを捨てるってとても難しいですよね。それも当然です。
女性と男性を比較した時、特に男性は世間体で生きている生き物です。
他人が何者かを測る時も、その人の肩書や所属組織などで人を見る傾向が強いものです。
そのため、男性や男性寄りの思考・価値観を抱いている女性は、社会的な挫折に弱く、人生をなかなか諦めることが出来ない傾向があります。
しかし、だからこそ、人生を諦めることが必要なんです。
「普通」にならなくてもいいと思えることが安心感をもたらす
人並みの人生を諦められない人は、過去を悔み、未来への希望を見出せないという特徴があります。
それはつまり、今現在を生きられていないことにつながります。
人は、今現在を拒絶してしまうと何かを頑張ろうという意欲やエネルギーが沸きません。
何よりも問題なのは「未来への希望」が持てないことです。
それは未来への希望として、
「頑張れば人並みの「普通」になれる!」
と思ってしまうことにあります。
心のものさしを変える
では、どうすれば自分の中の「普通」の価値観を変えていくことが出来るのでしょうか。
著「人生を半分あきらめて生きる」の中に、その一つの答えがありました。
37歳男性。都内一流私立大学卒です。
しかし、この不況で突然リストラにあい、今年から非正規雇用になりました。
年収も500万円から290万円に下がりました。結婚するつもりで6年付き合ってきた彼女からも捨てられてしまいました。
彼は寝る前に「これから俺の人生、どうなっちゃうんだろう」と毎日のように考えています。
「大学の同期の友だちには、一流企業で出世して、結婚して子どもも二人いて、私立に通わせ、一戸建ても建てているヤツも少なくないのに……。どうして俺はこんなにダメなんだろう」と、自分を責めたりもします。
「まだ、人生、あきらめるわけにいかないんだけど……」と、一人つぶやきながら、涙することも増えました。
~省略~
この彼が実際にすべての過酷な現実を受け入れ、あきらめていった時、「いわゆる世間並みの幸福」ではなくても、
「自分だけの幸福」を手に入れるためには、彼はしばらく「うつとあきらめの世界」にどっぷりと浸って、自分自身の内面の変容に取り組まなくてはなりません。自己変容の一部は、「心のものさし」を変える、ということです。
著『人生を半分あきらめて生きる』より
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また心のものさしを変える手段として、普段から「明日この人生が終わってしまうかもしれない」ことを常に意識することも有効です。
人は、どれだけ頑張っても目標を実現できないと思い至った時、絶望してしまいます。
しかしその前提には、
- 人生はまだまだ長い
- この状況がずっと続く
という思い込み・決め付けがあるわけです。
もし余命1か月だとしたら、きっと自分が人生で諦められなかったものは、そんなに重要なものではなかったことに気付くはずです!