- 「HSPの長所って何?」
- 「繊細であることを強みとして活かす働き方について知りたい」
繊細で敏感な気質はストレスを溜めやすく、見方によっては短所や弱みとして受け止めてしまいがちですよね。
しかしそうした繊細で敏感なHSPとしての特性は、働く環境や仕事内容によっては、多くの人の役に立ち、必要とされる気質でもあるんです。
本記事ではHSPの長所や強みと、それを活かした働き方について解説していきます。
HSPの長所から見えてくる強みの共通点
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、主に次の3つの特徴があります。
- 感受性が高い
- 物事を深く考える
- 刺激に敏感で繊細
これらの特徴は短所でもあり、同時に長所でもあります。
それは長所と短所というものは表裏一体だからです。
ではこうしたHSPの特徴を長所として捉えていくとき、どのような強みが見えてくるのでしょうか。
ここからは主な強みの共通点を5つ挙げていきたいと思います。
1.他人の辛さや苦しさに寄り添える
多くの人は、目の前の相手が特に辛そうでもなく平然として見えれば、たとえ心の内に辛い気持ちを抱えていても気が付かないものです。
しかしHSPの人はちょっとした相手の表情や仕草、置かれている状況などから、その人の辛い気持ちに気付いて共感できるという長所があります。
そしてこうしたスキルは、職場で意外と評価されるものなんです。
それは会社組織での上司の評価というものは、仕事の成果よりも、一緒に仕事をしていて楽しいかどうかという基準で決まる場合が多いからです。
2.一人でいることを楽しめる
一般的に一人でいることは寂しいものだというネガティブなイメージが持たれやすいものです。
ただテレワークや在宅勤務が広く普及した現在では、むしろ一人で黙々とやるべき仕事を成し遂げられるスキルは、長所として非常に重要なものになっています。
また仕事に限らずプライベートでも、一人でいることを楽しめる人は人生の満足感が比較的高い傾向があるんです。
それは自分の心を満たすために他人を必要とせず、充実感を得ることを自分独りで自己完結できるからです。
3.常に自分をより良く変えていきたいと思える
繊細で敏感な人は、他人と意見がぶつかったり何か問題が起こったりしたとき、自分を変えていこうと努力できる特徴があります。
実はHSP気質ではない多くの人は、何か他人と摩擦が生じると、まず相手の方を変えようとして怒ったり不機嫌になったりするものです。
つまりHSPの人は常に他人の期待に応えようと自己研鑽していける強みがあるんです。
こうした特性は、価値観が多様化して常に変化に対応することを求められる今の時代には、長所として捉えられるものです。
4.物事の本質を探求することに長けている
世の中の大半の人は、実は物事の本質には関心がありません。
たとえば仕事でトラブルが発生したとしても、興味があるのは多くの場合、
- 「どうすれば最もラクに、トラブルを挽回できるか」
- 「どうすれば自分一人だけが、責任を負わずに済むか」
こうした事柄ばかりを考えてしまいがちです。
つまりほとんどの人は、トラブルが発生した本質的な原因になんか興味はないんです。
しかしHSPの人の場合は、逆にまずトラブルの真の原因を探ろうとします。
- 「なぜトラブルが発生したのか」
- 「今後同じようなトラブルを起こさないためには、どんな対策が必要なのか」
このようにHSPの人には本当の意味での問題解決能力があると言えるわけです。
5.リスク管理が得意
いつも最悪の事態を想定した上で、計画を立てて行動できる。
HSPの人は、こうしたリスク管理を得意とする長所があります。
これは次のような特性によって生み出されている強みなんです。
- 「予期せぬ事態が起こるかもしれない」というリスクに対して敏感であること
- 普段から物事を深く考えていること
こうしたリスク管理に長けている長所は、もちろん仕事で十分に活かせるものです。
さらにプライベートでも、相手との信頼関係の構築に一役買うことができる強みでもあります。
HSPであることを強みとして活かすために必要な心構え
繊細で敏感な気質というものは、決して他人よりもストレスに弱くて劣ったものではありません。
これまで述べてきたように、HSPの長所は人生の様々な場面で活かすことができるものです。
しかしそうした長所をうまく活かせずに思い悩んでしまっている人が多くいることも、また事実です。
それは繊細で敏感な人ほど、みんなと同じになろうとする傾向が強いからです。
そしてみんなと同じになれない自分を、
「普通になれない自分はダメな存在だ」
と否定してしまっていることが多くあります。
それはHSPの人は、これまでの人生で数多くの疎外感を抱いて生きてきているはずだからです。
しかしその「普通になりたい」という思いが、逆に繊細で敏感であることを強みとして活かせない大きな原因の一つにもなっているんです。
他人と自分を無意識に比べていることに気付く
みんなと同じになりたいという思いは、無意識に他人と自分を比べて、自分の繊細で敏感な気質を否定することにつながりかねません。
そうした無意識に他人と自分を比べてしまいやすい環境の代表例として、「会社」が挙げられます。
職場という環境では、肩書や結婚の有無、おおよその給料の額から仕事の実績まで、
知りたくなくとも自分や他人のステータスが嫌でも見える化されています。
そのため他人と自分をどうしても比べやすく、落ち込みやすい条件が整っているわけです。
しかしHSPの長所を活かしていくためには、他人との「優劣」で自分を評価するのではなく、
自分が持てる能力やスキルをどれだけ発揮できているか
という視点で自己評価をしていく必要があります。
そうでなければ、どれだけ優秀な長所や強みを持っていても自分に自信が持てません。
さらに自分が苦手で不得意なことばかりを克服しようと、不毛な人生を送ることになってしまいます。
HSPである自分の長所を強みとして活かしていくということは、他人とは違う自分の芯を持って生きていく必要があるということです。
そしてそのためには、
「他人から理解されたい、認めてもらいたい」
という気持ちを少しずつあきらめていくことも同時に大切になっていくんです。