- 理由は分からないけど、相手に振り回されてしまう
- 誰かから自分を必要とされないと、不安を感じてしまう
自分でも気付かないうちに共依存に陥っていると、精神的に不安定になりますよね。
それで仕事も手に付かなくなってしまうのは、本当に辛いことです。
本記事では、職場において起きている「共依存的な関係」について、その原因と克服のための方法について解説しています。
職場でこそ起きやすい共依存!その原因と克服法
なぜ職場でこそ共依存は起きやすいのか。
それは、職場というのが
自分の存在意義を見失いやすい環境
だからです。
まず、共依存について簡単に確認すると、
- 特定の人と、お互いに相手を必要とし合う関係の中に囚われてしまう
- お互いに、特定の相手に必要とされることでしか自分の価値を感じられない関係
というものです。
そして、共依存になりやすいのは、
「他人に頼りにされることで自信を持ちたい人」
と
「他人を頼ることで不安な気持ちから逃れたい人」
のペアにより成り立ちます。
しかし、この2人は同じコインの表と裏の関係のように双方ともに共通して
「自分一人で自分の不安な気持ちに向き合えない」
という特徴があります。
職場とは、自分の存在意義を見失いやすい環境
基本的に仕事というのは、週5日、朝から夜までずっと職場にいなければなりませんよね。
そんな中ではどうしても同僚と比較して、
- 自分は仕事で成果を挙げられない
- いつもミスをしてしまう
- スケジュール管理が極端に苦手
など自信を失うシチュエーションが出てきます。
また、対照的に仕事はすごく出来るけれど、
- 同僚や上司と仲良くなれない
- 職場に居場所がないと感じてしまう
- 実は仕事で失敗しないか常に不安で一杯
など孤独感に苦しむ場合もあると思います。
このように職場というのは、誰もが自信を失ったり、不安に苦しんだりしてしまう環境なんです。
そして、自信を持てなく不安な者同士が、気付かずに共依存の関係に陥ってしまうわけです。
職場での共依存関係の問題点
共依存の関係の一番の問題は
「弱い自分」であり続けなければ関係性を維持できない
という点です。
例えば、先輩と後輩の間で依存心が強くなってしまうと、
先輩の深層心理
- 「後輩はずっと自分を頼らなければならない未熟な後輩でいて欲しい」
- 「自分も未熟な後輩がそばにいなければ、自信を持てない」
後輩の深層心理
- 「自分はずっと面倒をみてもらえるよう、未熟な自分でいなければならない」
このような関係性が定着してしまいやすいんです。
共依存の関係に陥ると、この「弱い相手を必要とする心理」は続き、同じ心理をする相手に惹かれるようになります。
このようにして、お互いに依存心が強い者同士が引き合いやすいのが共依存の特徴です。
共依存の克服には、その原因を知る必要がある
共依存傾向が強い人は、子供に対して依存心が強い親によって育てられた場合が多いです。
自分に自信がない親の場合、
「子供から頼られる存在でありたい」
と思うし、同時に
「子供に頼られることが唯一の存在意義だ」
と感じやすくなります。
そうなると、そのような親は子供に「常に親を頼る存在」であって欲しいと願うことになります。
それは極端に言えば、
- 子供に自立して欲しくない
- 未熟なままでいてほしい
- 親がいないと何もできない子供でいて欲しい
ということを無意識に願ってしまっているということになります。
そして、子供は子供でそんな親の気持ちを敏感に察します。
それは子供が親に相談なしで自分で何かを決めたり行動したりすると、そのような親は不機嫌になったり理不尽に怒ったりするからです。
そうすると、子供は親の言葉にはしない「振舞い」や「声色」「態度」などの情報に対して常にアンテナを張らざるを得なくなります。
そのような接し方をされた子供は、自立することに、何でも自分で決め行動していくことに罪悪感を感じるようになってしまいがちです。
そして、親が何でも決めてくれないと行動できなくなってしまい、親に依存するようになってしまいやすい傾向があります。
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依存心の強い他人に振り回されないためには
職場では、
- 同僚が一方的に自分に対して干渉してくる
- 上司や部下にいつも振り回されてしまう
と悩んでいる方もいると思います。
ではなぜ、このように他人に振り回されてしまうのでしょうか。
「他人に振り回されてしまう」と感じる人は、実は誰かに必要とされたいという依存心が強い可能性があります。
それに加えて、「自分からは動きたくない」という気持ちがある場合があるんです。
振り回してくる人は、相手を自分の思い通りに振舞わせるために、直接きちんと言葉で思いを伝えようとしない傾向があります。
- 頼み事があっても、自分からは絶対言わない
- 不満があっても、直接言わずに回りくどい言い方をする
そして、自分自身も親との関係性の中で身に付けた
「相手の言葉にしないメッセージを敏感に受け取れるスキル」
を持っているため、無意識にそれを受け取って相手の意に沿うように行動してしまっている可能性があります。
それが結果的に相手に振り回されているように感じる原因です。
「共依存的な関係性しか知らない」から苦労してしまう
共依存による苦しさは、子供の頃に自分は
「親に必要とされる自分しか存在価値がない」
と思い込んでしまったことから始まっています。
その結果、
- 必要とされることを強く望む
- 相手を放っておけない、世話をしたがる
- 一人で生きていけるという自信が持てない
- 自分より他人を優先する
このような他人に依存する関係性しか身に付けられていない人も多いです。
また共依存的な人は、見捨てられ不安を強く抱いている傾向があります。
関連記事「なぜこれほど見捨てられ不安はすぐに克服するのが難しいのか」
自分がこの見捨てられ不安の状態に陥っていることを把握することも、共依存克服には大切です。
健全な人間関係には、相手に必要とされなければ価値がないとか、そういうことはありません。
共依存の克服のためには、自分が陥っている状況をきちんと把握することがまず最も大切なことになります。