- 誰にでも良い顔をしてしまう
- 頼み事をされると断り切れずに引き受けてしまう
- 八方美人な自分に対して自己嫌悪に陥ってしまう
とにかく八方美人は疲れますよね。
辞めたくても辞められないってある種の中毒のようなものかもしれません。
本記事では、八方美人の人が陥っている心理と、八方美人をやめるために必要な考え方について解説していきます。
八方美人をやめたい!けれど、ほとんどの人は変わる気がない…
多くの人は八方美人をやめたいと頭では思いつつも、心の底ではやめたいと思っていないのではないでしょうか。
それはその方が楽だと、心は知っているからです。
そもそも八方美人になってしまうという人は、自分の軸を持っていない傾向があります。
自分の軸とは
- 自分はスポーツが好き/嫌い
- 周囲の人は〇〇さんを慕っているが、自分は嫌い
- 自分の担当業務が終わったなら、定時で帰っていいと思う
このような自分の価値観や感じ方のことです。
自分の軸を持っていない人が八方美人をやめるためには、こうした
「自分はどんな価値観を持っているのか」
という本当の自分と向き合う必要があります。
自分の軸がないからこそ、人に合わせて振舞うことができる
「本当の自分とは何なのか」がよく分からない状態で、自分と向き合わなければならないというのは、とても苦しいことです。
そのため、八方美人でいた方が楽なんです。
それは本当の自分と向き合わなくて済むからです。
自分の軸がない人は、そんな自分と向き合うと自分が空っぽに感じてしまいやすいんです。
そして「八方美人をやめる」とは、自分本来の判断基準で振舞うということなんです。
そもそもの自分本来の判断基準がないからこそ、人に合わせて振舞うことが出来るわけですよね。
ということは、表面上だけ八方美人をやめることは難しいんです。
人に合わせる振舞いをやめた後の自分が、
- 何が好きなのか
- どんな考え方を支持しているか
- どう感じているか
これらをしっかりと持てて、初めて八方美人から抜け出せるわけです。
やめたい!八方美人をやめるためには
八方美人をやめられないのには、それなりのメリットがあるからです。その一つは、
他人から嫌われないという(幻想の)メリットです。
八方美人になってしまった理由の一つには、過去に自分の意見を言ったとき、
- 親の意見と違った時に、自分の意見を強く否定された
- 友人から仲間外れにされた
- 「あなたは空気が読めない」と言われた
など、ショックを受けた出来事があった可能性があります。
その際に、
「他人に合わせないと嫌われてしまう」
と感じてしまった。
そして何でも他人の話に合わせているうちに、
そもそも自分が本当はどう感じているのか、分からなくなってしまった
ことが考えられます。
そのため、八方美人をやめるためには、
- 「自分の意見を言っても、他人は嫌わない」
- 「むしろ、自分の意見を言わないと、他人から嫌われてしまう」
ということに気付く必要があるんです。
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八方美人が陥っている深刻な問題
八方美人が陥っている恐ろしい深刻な問題とは「自分のことが分からない」ということです。
「自分がおかしいのか、相手がおかしいのか」分からない
たとえば、
ある時、職場の同僚に「あなたのその態度は失礼だ」と怒られた。
自分はそんな失礼をしたつもりもなく、そのことを他の同僚に話すと
「それは失礼かもしれないね」と言われた。
これを自分の軸があいまいな人はこう捉えるかもしれません。
- 同僚は「それは失礼かも」と言っていた
- けれど、今まで他の人にも同じように対応して、誰からも失礼だなんて言われなかった
- つまり、「自分の態度に問題はない!はず」だけど、きっと失礼だったんだろう
このように、その出来事を自分の感じ方でなく、他者が正しいという捉え方をしてしまう可能性があります。
ここで、自分の意見をしっかり持っている人ならば、悩んだりせず、
- 「あの人が言っているのならば、きっと失礼だったのだろう」とか
- 「あの人は他人の態度にうるさいから、大げさに言ってるだけ。放っておこう」
など、自分の感じ方を曲げずに対応しているはずです。
「役割がない自分」では、どう振舞っていいのか分からない
人は皆いくつもの役割を持っていますよね。
- 〇〇会社の社員の自分であり
- 上司であり部下であり
- 夫であり妻であり
など、接する相手によって役割を使い分けています。
しかし、そんな役割が関係ない・明確でない相手、たとえば
- 学生時代の友人との飲みの場で、たまたま合流してきたその友人の友人
- 自己啓発などのセミナーで知り合った、年齢も職業も全く違う相手
こうした自分がいつも意識している「立場」のようなものがあいまいな時、自分の軸があいまいな人は、
どの自分で振舞えば良いのか分からずに混乱してしまいがちです。
それは自分自身から「〇〇会社の社員」「誰々の部下」「誰々の妻(夫)」という役割を外した時、何も残らないということでもあります。
八方美人と言われる人は、相手や状況に合わせることは得意。
でも、その合わせる対象がなくなった時、自分自身を見失ってしまうんですね。
こうした自分の役割喪失のことを心理学ではアイデンティティクライシスと言われています。
>>>アイデンティティクライシスとは?|その辛さを乗り越える方法
なぜ八方美人をやめたいのに、やめられないのか
自分が周囲に合わせる生き方しか出来ないということは、物事を推し量る基準となる自分の考え、感じ方、意見がないということになります。
自分に役割が何もなくなった時、つまり、合わせる基準となる他者を見失った時、
- 自分が何者で何をしたいのか
- 何をすれば満たされリフレッシュできるのか
が分からなくなります。
自分の感じ方や考え、意見が自分の中で曖昧だと自分の常識から少しでもズレた人と出会うと
- 「この人は良い人か自分勝手な人か」
- 「自分がおかしいのか相手がおかしいのか」
という判断が出来ずに悩み疲れてしまうことになります。
そうなると、結果的に自分が「どうするべきか」ばかりで「どうしたい」が分からなくなる…。
八方美人をやめるためには、まず、自分の中の「どうしたいか」を持つところから始めましょう。
「相手と違う意見を言うこと=相手を否定することなる」という呪縛
自分の軸を見つける方法は色々あります。しかし、ここでまず確認しておいて欲しい事があります。
それは、
「相手とは違う自分の意見を言うこと = 相手を否定することにはならない」
ということです。
当たり前のようで、八方美人に振舞い勝ちな人は、これを誤って思い込んでいるのではないでしょうか。
そして、相手と違う意見を言うことが、相手を否定することなると思い込んだ原因の一つに、
自分と他人との「境界線」があいまいになっている
ことが挙げられます。
>>>「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?
自分の軸となる意見や考え、感じ方が実はなかったというのは衝撃的なことで恐ろしいことです。
しかし、一朝一夕に八方美人はやめられないので、まずは自分の軸を見つけること、そして、その前に自分の中の思い込みと向き合ってみることが大切です!