精神年齢が低い人の「本質」とは

人付き合いの悩み

「人から精神年齢が低いと言われたけど、実際どうなんだろう」

「親の精神年齢が低いため、いつも振り回されて嫌になる」

一般的に「精神年齢」という言葉は、具体的に何をもって低い・高いというのか、分かりにくいところがありますよね。

 

本記事では、一般的に「精神年齢が低い」と言われる人の本質についてお伝えしていきます。

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精神年齢が低い人の本質とは

結論から言うと、精神年齢が低いとは、

誰もが子供時代に乗り越えていく「心の成長プロセス」を大人になっても達成できていない状態

ということができます。

 

そして、本記事では子供時代にみなが経験している心の成長プロセスの中で、

大人になっても精神年齢が低いと言われる人が、十分に乗り越えられていない可能性のある2つのこと

について取り上げていきます。

 

その2つとは、

  1. 心の安全基地
  2. 自他境界(自分と他人との精神的な境界線)

この2つとも、母親との愛着(精神的なつながり・支え)と密接な関係があります。

 

これらが不十分な場合、大人になってから大きな影響があると言われているんです。

 

著『愛着障害~子ども時代を引きずる人々~』の中でも、この愛着の重要性について述べられています。

愛着形成が完了しない時期に母親から離された子どもは、愛着自体が乏しい脱愛着傾向を抱えやすく、母子分離不安の高まった時期に母親をうしなうと、「見捨てられ不安」や抑うつが強まりやすい。

 

一般的に、精神年齢が低い人と言われる人というと、

  • すぐに感情的になる
  • 身近な人に依存的になりやすい
  • 何事にも受け身の姿勢

などが言われますが、その原因も元をたどれば、親との愛着がうまくいっていなかった可能性があるんです。

 

そして、子供時代に心の安全基地と自他境界をきちんと作り上げることができなかった場合、精神的に自立できずに大人になってしまうとも考えられます。

>>>精神的に自立したい人は、いきなり親離れをしてはいけない!

 

では、これら2つについて、それぞれ見ていきましょう。

1.安全基地がきちんと作られていない

安全基地とは言わば、

心の中に感じられる「自分を守ってくれる存在」のこと

です。

そして多くの場合、この安全基地とは幼少期の親のイメージ像を元に構築されます。

 

著『愛着障害~子ども時代を引きずる人々~』の中でも、愛着と安全基地について述べられています。

子どもは、愛着という安全基地がちゃんと確保されているとき、安心して外界を冒険しようという意欲をもつことができる。

逆に、母親との愛着が不安定で、安全基地として十分機能していないとき、子どもは安心して探索行動を行うことができない。

その結果、知的興味や対人関係においても、無関心になったり消極的になったりしやすい。

守られていると感じている子どもほど、好奇心旺盛で活発に行動し、何事にも積極的なのである。

 

この安全基地をしっかりと構築することができれば、子供の心の中には、

「母親やそれ以外の人は、自分を守ってくれる存在だ」

というイメージを持つことができ、基本的に他人を信頼できるようになります。

 

しかし、安全基地がきちんと作られなかった場合、

  • 人を信用できない
  • 失敗を極度に恐れてしまう

など、大人になってからも、その影響は大きく出てしまいます。

>>>「安全基地」を大人になってから作る方法

2.自他境界があいまい

自他境界とは、

「自分と他者との間にある、精神的な境目のこと」

です。

 

この自他境界は生まれて間もない時期には存在せず、子供は

「自分と母親は一心同体、心も身体も同一のものである」

という感覚を持っています。

 

そして成長するにあたり、母親を自分とは別の存在として認識するようになります。

>>>自他境界(バウンダリー)を引ける人と引けない人の決定的な違いとは

 

さらに子供は成長の過程で、分離不安という「一心同体の状態から離れることに対する不安」を誰もが抱きます。

そしてその不安を乗り越えたのち、

「自分と母親とは、精神的にも独立した別々の生き物である」

と認識していき、自立への道を進んでいくわけです。

 

しかし成長の過程において、

  • 母親が自他境界がしっかりしていない
  • 子供の不安が強く、母親との精神的な分離がきちんとできなかった

 

こうした場合、成長してからも、

「自分と他者が、それぞれ独立した別の価値観・感情・思考を持つ生き物だ」

という感覚があいまいになります。

2、3歳の時期は、母子分離不安(子どもが母親から離れる際に感じる不安)が高まる時期であり、

この時期に無理やり母親から離されるという体験をすると、愛着に傷が残り、分離不安が強く尾を引きやすい。

愛着障害~子ども時代を引きずる人々~

 

自他境界をしっかりと引けないまま大人になってしまうと、

  • 「他人は自分の考えや気持ちを理解しているはずだ」
  • 「他者の不機嫌は、自分に原因があるのかもしれない」

 

このような感覚を持ちやすくなることが、結果的に精神年齢が低いと言われる振舞いにつながってしまうんです。

>>>「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?

精神年齢が低い人に共通している特徴

それは、不安がとても強いということです。

 

心の安全基地が不十分で、自他境界もあいまいな精神年齢が低い人にとって、社会とは、

常に不安にさらされる要素に満ちている世界

ということになります。

 

人によって、その不安の現れ方や対処方法は異なってきます。

たとえば、

  • 強い不安を、怒りでごまかす
  • 不安と向き合えないために、他者に依存する
  • 自分に都合の悪いことの責任をとる勇気ないため、他人のせいにする
  • 他人をコントロールしたがる

これらは不安の裏返しの行動であり、本人は無意識に行ってしまっていることが多いようです。

 

精神年齢が低いと言われる人の多くは、子供時代に乗り越えるべき成長プロセスを十分に乗り越えられなかったと考えられます。

  • 自分自身が「自分は精神年齢が低いのではないか」と思っている人
  • 自分の周囲にいる、精神年齢が低いと感じる人

 

どちらにも共通していると思われることは、自分でも気付かずに「不安に苦しんでいる」ということです。

 

「自分あるいは相手は、実は不安に苦しんでいた」

そういった視点を持てるだけでも、見えてくるものがあるはずです。

>>>なぜこれほど見捨てられ不安はすぐに克服するのが難しいのか

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