一日中誰とも話さずに、ひとりぼっちで家にいる時間がとても辛い
孤独は確かに辛いものです。
しかし、ひとりぼっちでいても平気な人もいれば、寂しさに耐えられないという人もいるのはなぜなのでしょうか。
本記事では孤独で寂しい気持ちを抱えて苦しんでいる方へ、その辛さの対処法についてお伝えしていきます。
ひとりぼっちで辛い…寂しい気持ちに耐えられない人へ伝えたいこと
独りで寂しい気持ちに耐えられないとき、多くの人は一つの勘違いをしがちです。
それは「孤独でひとりぼっちだから、辛い」という誤った因果関係です。
実際ほとんどの人は、独りだから辛いのではありません。
”自分だけが”ひとりぼっちだと思っているから、辛い気持ちになるんです。
ではなぜ自分だけが孤独だと思ってしまうのかというと、恐らく自分でも意識せずに、誰かと自分を比べている可能性があるからです。
たとえば、
- SNSで友人同士の楽しそうな写真を見た
- テレビを見ていて、家族団らんの映像が目に入った
何かがキッカケでこうした情報に触れると、自分の中に色々な思いが生まれやすくなります。
- 「仲の良い家族がいて幸せそう」
- 「みんなでオンライン飲み会をしてて楽しそう」
- 「そして今この瞬間、自分だけがひとりぼっちなんだ…。」
こう感じてしまうことで、独りでいることが辛いものになってしまうわけです。
つまり孤独感とは、独りきりの自分を否定しているからこそ感じるものなんです。
周りのみんなも孤独なら、自分の辛さも和らぐのか
自分だけが孤立しているという思いが、自分を苦しめている
では逆に、こう考えてみてほしいんです。
もし自分以外の友人や会社の同僚など、みんなも今この瞬間ひとりぼっちだったとしたら?
こう考えてみると、自分の孤独感はそこまで辛いものにはならないのではないでしょうか。
つまり「自分だけじゃない。みんなも独りなんだ」と思えると、少なくとも気持ちが楽になるはずなんです。
このことからも、ひとりぼっちでいること自体が苦しみの原因ではないと分かります。
ではなぜ独りでいると辛く寂しい気持ちになるのでしょうか。
孤独で辛い気持ちの正体とは
人は誰でも物理的に孤独だから寂しい気持ちになるわけではありません。
自分の周囲の人たちと精神的なつながりを感じられないときに、人はひとりぼっちで寂しい気持ちになるものなんです。
この「精神的なつながり」とはどのようなものかというと、
- お互いに自分の辛さや嬉しさなどの気持ちを共感できる
- 励まし合ったり褒め合ったりして、お互いに支え合える
このような関係性のことを言います。
ではこうした精神的なつながりを感じられないとすれば、その原因は何なのでしょうか。
心に余裕がないほど「他人に興味を持てない」
精神的なつながりを感じられない大きな原因には、他人に興味がなくなっている可能性が考えられます。
他人に興味がなくなっているとは、たとえば毎日生活している中で関わる人について、次のようなことに意識が向いていない状態のことを言います。
- 「最近あの人、元気がなさそうだけど何かあったのだろうか」
- 「同僚の〇〇さんって、どうして△△さんとずごく仲が良いんだろう」
- 「(外出先で)ここまで来たから、□□さんにあいさつしておこう」
他人に興味が持てていれば、日頃から相手と積極的に関わる機会を増やしたり、自分から話しかけたりすることで、他者との精神的なつながりは感じられるものです。
しかし他人に興味が向かない状態では、どうしても自分にばかり意識が向いてしまいます。
- 「自分は周りから、どう思われているんだろうか」
- 「自分から話しかけて、嫌がられたらどうしよう」
このように自意識過剰ぎみになると、どうしても人との関わりを避けてしまいがちになります。
しかし、そもそも周りの人との精神的なつながりを感じられにくくなるのには、大きな理由があるんです。
他人を信用できて、初めて精神的なつながりは生まれる
他人との精神的なつながりを感じられない主な理由には、次のようなものがあります。
- 心の底で他人のことを信用できていない
- 「他人は自分のことを理解してくれない」と感じている
つまり他者に対して心を開けておらず、警戒しているからこそ、精神的にひとりぼっちになってしまいやすいんです。
しかし、だからといっていきなり他人に本音を語ったり、自分の気持ちを理解してもらおうとすることはハードルが高いですよね。
そのためまずは、精神的に共感できるSNSの発信者などを見つけることから始めてみるのも一つの手です。
自分と同じことで悩んでいたり、苦しんでいたりしている人の存在を知ることは、
「辛いのは自分だけじゃないんだ」
と自分を救うことにつながりやすいためです。
そうして精神的につながりを感じられる対象を、徐々にリアルの友人や仕事仲間などに広げていければ、なお良い状態になるはずです。
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ひとりぼっちで辛いときこそ、誰とも会わない方がいい!?
独りでいることが辛いときほど、誰かに会いたくなるものですよね。
しかしそんなときこそ、その寂しさを埋めることを主目的として誰かと会う前に、自分の内面と向き合ってほしいんです。
それはひとりぼっちで辛いときほど、孤独感を埋めることに前のめりになりすぎて、
- 自分の本心を偽って、目の前の相手に合わせすぎてしまう
- 少し嫌な感じがする相手でも、無理に一緒にいてしまう
- 自分のことを分かってくれない相手に不満を抱いてしまう
こうした恐れがあるからです。
このように心を乱してしまえば、ますます精神的なつながりを感じられなくなってしまいます。
ひとりぼっちで辛い、誰かと会いたいという気持ちが強いときこそ、
- 「自分の話を聞いて欲しい」
- 「とにかく寂しさを埋めたい」
こうした自分本位の気持ちからではなく、
- 「あの人は最近どうしているだろうか」
- 「あの人なら、〇〇についてどう思うだろうか」
という相手に興味を持てるようになってから、連絡をとるなどした方が賢明です。
誰かと一緒にいる方が、辛いこともある
寂しさに耐えられないとき、確かに誰かと一緒にいれば、孤独感からは一時的に解放されるかもしれません。
しかし、ひとりぼっちの辛さからただ目をそむけても、苦悩からは逃れられないものです。
そのことを教えてくれる言葉の一つに、次のような仏教の言葉があります。
一人でいると孤独感、二人でいると劣等感、三人でいると疎外感
これは、独りでいることは辛いけれど、だからといって誰かと一緒にいたとしても、
- 二人でいれば、相手と自分を比べて自信をなくす恐れ
- 三人になれば、自分だけが仲間外れにされる恐れ
こうした辛さがあるために、この言葉は、
「どんな状況になろうとも、悩み苦しむ可能性からは誰も逃れられない」
という意味になります。
つまり問題なのは「ひとりぼっち」なことではなく、その孤独な自分をどう捉え直すかということになります。
極端な話、自分と何となく相性が良くないと感じる人と一緒にいるくらいなら、一人でいた方がずっと有意義なものです。
それでも、ひとりぼっちは確かに辛いものです。
しかし、その独りきりの自分を肯定できてこそ、誰かと一緒にいることが自分の心の支えとなるはずです。