自分があまりにダメすぎて、惨めな気持ちに押しつぶされそう…。
自分が苦しいときに、周りの人の幸せそうな姿を見て自分と比べてしまえば、誰でも惨めな気持ちでたまらなくなってしまうものです。
ではどうすればそんな沈んだ気持ちから立ち直り、現状の自分に満足して生きていくことができるのでしょうか。
本記事では、自分への嫌悪感を和らげて、自己肯定感を高めていく方法について解説していきます。
惨めな気持ちから抜け出せないのは、心の支えを失っているから
「一度自分のことが嫌になると、気持ちがどん底まで落ちてしまう」
いったん自分に対して嫌悪感や情けない気持ちが生じてしまうと、そこから抜け出すことって簡単ではないですよね。
しかし、そんな惨めな気持ちにどっぷり浸かってしまう人もいれば、そこまで自分を嫌悪せずに済む人もいます。
それではその違いは何かと言うと、心の支えとなるものを持っているかどうかなんです。
心の支えとは基本的に、「どんな自分でも受け入れて味方でいてくれる人がいる」と思える安心感のことをいいます。
これは別名、心の安全基地とも呼ばれるものです。
こうした安心感が持てないと、自分の存在価値を自分の外側のもの(他人からの承認や世間体など)だけで支えようとしてしまいます。
そのため常に理想を求めて、自分に無理をしがちになるわけです。
ではこの心の安全基地を作り、惨めな気持ちから抜け出していくためには、どうすればいいのでしょうか。
本記事では次の3つの方法をご紹介していきます。
1.「他人のことは幸せそうに見えるもの」だと理解する
「どうしても周りのみんなは、自分よりも充実した人生を歩んでいると感じてしまう」
自分のことが情けなくて惨めな気持ちになってしまう場合、その多くは今の自分が不幸だからではありません。
他人と比べて、自分が相対的に不幸だと思ってしまうからです。
そのように思ってしまう心理の裏側には、たとえば、
- 結婚さえできれば、幸せになれる
- 安定した職に就きさえすれば、幸せになれる
- 欲しい物を買えさえすれば、幸せになれる
このような極端に理想化された価値観を持っている可能性があるわけです。
そしてこうした価値観は、自分に対する自己評価にも大きな影響を与えています。
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幸せと不幸せは表裏一体のもの
実際、たとえば「結婚さえすれば、誰もが幸せになれる」とは限らないものですよね。
むしろ結婚したとしても、
- 夫婦の間で価値観が合わない
- 結婚してから急に相手の態度が変わった
- (金銭的にも時間的にも)自由がなくなった
このように場合によっては幸せどころか、逆に結婚したことを後悔したり、それこそ惨めな気持ちになったりしてしまう人も決して少なくないようです。
つまり結婚していれば、結婚しているなりの悩みや苦労が必ずあるわけです。
これはもちろん結婚に限った話ではなく、
「仕事や貯金額、学歴などというものも、絶対的な幸せの指標にはなり得ない」
ということです。
だからこそ誰しもが「他人のことは、どうしても幸せそうに見えるもの」だということを理解しておく必要があります。
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2.「いま自分が持つことができているもの」を再確認する
他人と自分を比べて落ち込むときというのは多くの場合、自分に欠けているものに、どうしても意識が向いてしまうものです。
たとえば、
- 暖かい家庭
- 安定した職
- 自分を必要としてくれる人
- 金銭的な余裕
- 悩みを聞いてくれる友人
こうした「他人は当たり前のように持っているのに、自分には持てていないもの」に、すごく価値があるように感じるからこそ、辛く惨めな気持ちになるわけです。
しかし、仮にこうしたものを持つことができている人は、逆にその代償として失っているものも多くあるはずなんです。
- 自分だけの自由な時間がない
- 仕事上の重い責任を背負わざるを得ない立場から逃れられない
- 家族や友人など相手の都合を優先しなければならないことが多い
このように捉え直してみることで実は、
「他人が当たり前に持てているものを、自分は持っていない」
という現実と同時に、
「自分が当たり前に持てているものを、実は他人は持っていない」
という現実も見えてくるわけです。
惨めな気持ちになると、誰でも自分だけが何も得られていないと極端に悲観しやすい傾向があります。
しかしながら実際には、今の自分だからこそ、持つことができているものがたくさんあるということなんです。
3.「自分のことを惨めだと思っているのは自分だけ」だと知る
自分が周囲の人たちよりも充実した人生を送れていないと感じるとき、自分のことが嫌になる一番の理由は「自分自身のことを惨めだと思うから」ではありません。
自分自身を嫌悪してしまう最も大きな原因は、
「自分が周りの人から、惨めだと思われているに違いない」
と感じてしまうからではないでしょうか。
実際に誰がどう思っているのかに関係なく、他人の目を気にしすぎてしまう人というのは、自分に求める理想が高すぎる傾向があります。
「自分はこうあるべきだ」という理想が高すぎると、ちょっとしたことで自分を責めやすく、恥や惨めな気持ちに苦しみやすくなってしまいます。
しかし実際、そのように自分を責めているのは自分だけだったりするんです。
自分は他人のことを惨めだと思うか
他人から惨めだと思われたくないという苦悩から抜け出すためには一度、自分と他人の立場を入れ替えて考えてみることが有効な方法の一つです。
たとえば自分が、
- すでに結婚している
- 安定した仕事にも就いている
こうした理想の人生を歩んでいたとします。
そんなとき仲の良い友人が、
「自分だけが、未だに不安定な仕事で結婚もできていない」
と落ち込んでいたとしたら、果たして自分はそんな友人のことを、「惨めな人生を送っている人だ」と思うでしょうか。
恐らくよほど日頃から嫌味なことばかり言うような友人でもない限り、その友人のことを惨めだなんて思わないはずです。
それと同じように、自分の周りのほとんどの人も、あなたのことを惨めだなんて思っていないはずなんです。
もし仮に思っているような素振りがあったとしたら、それはその相手の心の問題であり、決して自分に問題があるわけではありません。
つまり自分のことを唯一惨めだと思っているのは、実は自分自身だけのはずなんです。
惨めな気持ちとは、他人に自分の存在価値を決める力を与えてしまうことで生じる
もしも他人から認めてもらえなかったら、そんな自分はダメな存在だと感じてしまう人は、
自分の存在価値は、他人に決められてしまうもの
という誤った思い込みをしている可能性があります。
実際、自分の存在価値というものは、社会的なステータスや他人からの承認などで推し測れるものではありません。
まして自分以外の他者が一方的に決められるようなものでもないものです。
つまり他者に自分の存在価値を決める力を与えてしまっているのは、紛れもなく自分自身なんです。
たとえ理想の自分になれていないとしても、悩み苦しみながら今を一生懸命に生きている自分には、十分に価値があります。
「立派な人生を歩まなければ、誰からも相手にしてもらえなくなってしまうに違いない」
もしそう感じるならば、逆にそうした相手とは距離をとった方が賢明です。
自分と他人を比べて惨めな気持ちになってしまう癖は、すぐに変えることは難しいかもしれません。
しかし少しずつでも自分と向き合っていくことで、必ず生きづらさは和らいでいくはずです。