無意識に持っている自分ルールに気付くにはどうすればいいの?
自分だけのルールって、多く持っているほど自分を縛ってしまい、苦しくなりますよね。
本記事では、自分が持っている独自のルールに気付き、それを適切に手放していくための方法について解説していきます。
自分を苦しめる自分ルールを変えていく方法
自分独自のルールを変えるには、
「自分がそのルールを破った際に、何が起こることを恐れているのか」
を知ることが必要になります。
自分ルールとは何か、改めてその特徴を確認すると、
- 他者が決めたことではなく、自分が独自に持っている決まり事のこと
- 自分が(基本的に)無意識に守っている決まり事のこと
- 自分だけでなく、他人にもその決まり事を守るべきだと押し付けてしまうこと
たとえば「挨拶されたら、挨拶し返すべきだ」というのも、立派な自分ルールと言えるものです。
そういったルールを変えていくために、本記事でお伝えするのは以下の4つのステップです。
- 自分の持っているルールに気付く
- 自分ルールと一般常識を区別できているか確認する
- そのルールを持ったキッカケを思い出す
- もし自分ルールを破ったら、何が起こることを恐れているのか
一種のマナー、一般常識と同じ意味の言葉のようでもありますが、自分独自のルールを守ろうとする心の裏には、恐れの気持ちがあるんです。
1.自分の持っているルールに気付く
まず、自分ルールの例としては以下のようなものが挙げられます。
- 弱音を吐いてはいけない
- 幸せを他人に自慢してはいけない
- 嫌なことをハッキリ嫌だと言ってはいけない
- 他人の不機嫌は自分が何とかしてあげなければならない
- 道や座席は自分が譲ってあげるべきだ
- 人にはタメ口ではなく常に敬語を使うべきだ
- 何かをしてもらったら、必ずお礼を言うべきだ
普通に生活していると、誰でも無意識に色々な「やってはいけないこと」を自分自身に課しているものです。
しかし、もし毎日人と接するたびに気疲れしてしまうとすれば、その原因の1つに、
「自分が気付いていない独自のルールに縛られている」
ことが考えられます。
>>>「人付き合いが疲れる…」その気持ちの根底には〇〇がある
無意識に自分が持っているルールに気付く方法の1つには、
「自分がうらやましく思った、他人の言葉・態度」
から見つける方法があります。
日常の中で、友人や家族、職場の同僚、テレビや動画の中の人を見て、
- 「あの人は、困った時にすぐに誰かを頼れていいなあ」
- 「この人は、嫌なことがあると空気を読まずにすぐに自己主張できていいなあ」
こうした自分がうらやましいと感じた出来事の裏には、逆に、
「自分は〇〇してはいけない」
という自分ルールが隠されている可能性があります。
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2.自分ルールと一般常識を区別できているか確認する
自分ルールによって気疲れや苦しい思いをする理由は、そのルールを無意識に他人にも押し付けてしまっていることが大きいです。
他人に押し付けてしまう原因は、そのルールが「自分だけの決まり事」ではなく「一般的なマナー・常識」だと思ってしまっている可能性があるからです。
この自分ルールと一般常識の違いを判断する基準は
「他人がそのルールを破った時に、腹が立つかどうか」です。
たとえば、
- 他人が弱音を吐いている
- 他人が自分の幸せを自慢してくる
- 他人が嫌なことをハッキリ嫌だと言ってくる
- 他人が道や座席を譲らない
- 他人が自分に敬語を使わない
- 他人がお礼を言わない
こんな場面で相手に腹が立つということは、自分自身も必死に頑張って、そのルールを守っているということです。
つまり、本当は守りたくなんてないけれど、苦しみながら守っているルールということです。
ただのマナーなら、そんなに一生懸命になってまで守ろうなんて思いません。
たとえ、そのルールが一般的なマナー・常識だとしても、それを破った他者に腹が立ってしまう
ということは、すでにそのルールが自分ルール化して、他人にもそのルールを守ることを期待してしまっていると考えられるからです。
3.そのルールを持ったキッカケを思い出す
そもそも自分独自のルールを持つようになるキッカケとしては、
- 幼少期の親の影響
- 精神的に傷付いた経験
が大きいと考えられます。
そして子供時代に親との間で感じてきたであろう、
「こうすれば褒められる」
「こうすれば怒られる」
といった親の反応・価値観を元に作られる自分ルールは多くあります。
- 弱音を吐いたら、親から怒られた
- 親の機嫌が悪いのは自分のせいだと責められた
特に親から強制されたルールというのは、他者にも強制してしまう傾向があります。
- 自分も弱音吐かないから、他人が弱音吐くことも許さない
- 自分よりも他者(親)を優先させられてきたから、他者も自分自身を優先すべきでない
また、成長してからも精神的に傷付く経験はありますよね。
- 自己主張をしたら、友人から無視された
- 幸せ自慢のつもりはないのに、マウンティングされたと誤解された
このような経験は誰しも1度はあるはずです。
このような自分ルールを作ったキッカケを思い出すことは、辛いですが重要な作業なんです。
それは、そもそも自分の持っているルールが「何の目的のためなのか」をはっきり知る必要があるからです。
もし自分ルールを持った目的が「自分の心が傷つかないこと」なら、
大人になったいま現在も、本当にそのルールを守らなければ、傷ついてしまうのか
こうしたことをきちんと検証すべきです。
4.もし自分ルールを破ったら、何が起こることを恐れているのか
もし自分ルールを守らなかったら、具体的にどうなると思いますか。
- もし弱音を吐いたら
…共感どころか説教される? - もし幸せを他人に自慢したら
…「幸せ自慢しやがって」と嫉妬される? - もし嫌なことをハッキリ嫌だと言ったら
…ワガママだと非難される?
このような悪い結末を予想してしまうのは、恐らく過去にそういった出来事があったのだと思います。
たとえば、
- 親の前で嬉しそうに遊んでいたら、親は突然急に機嫌が悪くなったり、怒り出した
- 〇〇が好きな友人に「自分は〇〇は嫌いだ」と言ったら、その日以降無視されるようになった
こうした過去の出来事から、
- 「他者の機嫌を自分が何とかしなければならない」
- 「空気を読まずに自己主張してはいけない」
というルールを持った可能性もあります。
>>>毒親育ちは、現実を見るフィルターが生きづらいものにされている
今は恐れる必要がないと分かれば、そのルールは手放していける
確かに自分を守るための自分ルールは、その当時その相手との関係性の中では有効だったかもしれません。
しかし、今となっては現実に合っていない思い込みになってしまっている可能性があるということです。
当時とは違い、今の自分なら以下のようにも考えられるはずです。
- 「他人の機嫌を自分が何とかしようとすると、逆に相手から依存される恐れがある」
- 「きちんと自己主張しないと、自分を守ることができない」
もし自分ルールを破ったら、こんな悪い結末になるに違いないと予想してしまうのは、過去の恐怖心によるものです。
このように考えると、今の自分が持つ必要のないルールが色々と見えてくるはずです。
そして自分が恐れていたことの正体が見えてくると、それを恐れる必要がないことにも気付けるはずなんです。
自分ルールはたとえ苦しい決まり事だったとしても、そのルールを守ることで自分を守れてきたこともまた事実のはずです。
自分が恐れていることは、どこまで現実的なものなのか
このことを改めて確認することで今の自分にはもう不要なルールを手放していく近道になります。