みんなには普通にできていることが、自分にはできない…。
まともな仕事ができない自分は、どう生きていけばよいのだろう。
自分は何もできない人だという無力感は、本当に苦しいものです。
そんな状態では誰でも生きる希望を見失い、自分に絶望してしまうのも当然と言えます。
ではなぜ、人はそこまで自分に自信を失ってしまうのでしょうか。
実はそこには「自分自身と他人に対する不信感」が隠れている可能性があるんです。
本記事では、何もできない自分に悩んでいる人へ向けて、自分に自信を取り戻していくための方法についてお伝えしていきます。
何もできない自分に悩み、無力感で自信が持てない人へ伝えたいこと
自分に自信がない状態から希望を持てるようになるためには、下記の2つを押さえていく必要があります。
- 自分の価値観の幅を広げること
- 今の自分を否定してしまっている心理を知ること
これらが自分に対する思い込みを変えるカギになります。
自分の当たり前が他人の当たり前ではないという事実
自分が出来て当たり前だと思っていることでも、別の人にとってはすごいことって意外にあるものです。
たとえば、
- 同じ作業をコツコツ進めることが苦手な人もいれば、苦にならない人もいる
- パソコンのオフィスソフトを普通に使える人もいれば、触ったことがない人もいる
こういったことはいつも同じ人、同じ職場、同じ価値観の人とばかり一緒にいると、なかなか気が付けないことが多いものです。
それでも、誰かにはできなくて自分にはできることって必ずあります。
しかし、みんなに出来ていることが自分には何も出来ないと感じてしまう人には、
「たった2,3つの価値観だけが、人生の全てだと思い込みやすい」
という傾向があるんです。
たとえば、
- 上司から評価される自分
- 多少の困難でもへこたれない自分
- 一人で何でもできる自分
このような「〇〇な自分こそ、立派で存在価値がある!」と無意識に強く感じすぎていないでしょうか。
もしそうだった場合、
- たった一人の上司から見捨てられた自分は、会社から必要とされていないんだ
- 周りに迷惑をかけてばかりの自分は、誰の役にも立てないんだ
このように自分のことを極端にダメな人だと決め付けてしまい、自分は何もできないという無力感にとらわれやすくなります。
ではなぜ「立派な自分でなければ価値がない」と思ってしまうのでしょうか。
自分は何もできない人だと感じてしまうのは、白黒思考に陥っているから
いくつかの価値観だけを重視しすぎてしまう理由には、心の底で
- ありのままの自分には価値があると思えていない
- ありのままの自分には何かが欠けている
このように感じている可能性があります。
だからこそ、今まで自分に欠けていたものを埋めて「価値ある自分」になろうと
- 何事も悩みすぎるほど深く考えて向き合ってきた
- 人より多くの仕事を引き受けたり、毎日残業もしてきた
- いつも自分よりも他人を優先してきた
これまで色々なことを頑張って努力してきたのではないでしょうか。
頑張っていられる間は、自分の欠けている部分は見ずにいられます。
しかし、何かをキッカケに頑張れなくなったとき、今まで見ないようにしてきた
「ありのままの自分には価値がない」
という心の底の思いが一気に出てきてしまいます。
自分には価値があるかないかの二択だけでは誰でも苦しくなる
自分のことを「何もできない人間だ」と感じてしまうのは、冷静に考えれば少し極端な感じ方とも言えるものです。
このような捉え方をしてしまうのは、自分自身のことを価値が「ある」か「ない」かという、どちらか一つの側面でしか見れていないからです。
- 仕事がデキる自分 or 仕事ができないダメな自分
- 人から頼りにされる自分 or 役立たずの自分
「完璧な自分」と「全くダメな自分」のような両極端なものごとの捉え方を、心理学では
白黒思考(物事を白か黒かのどちらかでしか判断できない考え方)
と言います。
この白黒思考が強いと、何かの失敗やミスをきっかけに一気に自分に対して自信を失いやすくなります。
そうして何もできない自分を責めたり嫌いになったりして苦しむ原因こそ、この白黒思考でしか自分の価値を決められなくなっていることなんです。
そしてそもそも、ありのままの自分には価値がないと思い込んでしまった根底には、基本的に他人を信用できていないことが大きく関係しています。
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自分に自信を持てない人は、他人に対する安心感がない
自分を責めやすく、すぐに自分にダメ出しをしてしまう人は基本的に他人のことを信じられていないことが多いです。
それは自分自身だけでなく、他人のことも敵か味方かといった白黒思考で捉えてしまっている傾向があるからです。
すると少しでも誰かから否定的な態度をとられた場合に、無意識に相手の態度を敵対的だと思いやすくなってしまいます。
- 困っているときに助けてもらえなかった
- 少しミスをしただけで責められた
そして、その時々で相手の態度が変わるたびに、自分の相手に対する敵か味方かという捉え方もコロコロ変わりやすい傾向があります。
これは心理学の中で、対象恒常性という心の仕組みとして説明されているものです。
他人に対する見方が変われば、自分にできることも見えてくる
人を信じられないと、相手のちょっとした仕草や態度が自分を責めているように感じてしまうことがあります。
そうすると自分は他人から「何もできない人だと思われているんだ」と自信を失いやすくもなります。
しかし、ここで押さえておいてほしいことは、
「人は自分以外の人間の事なんて、ほとんど興味がない」
ということです。
周囲の人は「自分がダメだと思っている自分の部分」を必ずしも見ているとは限りません。
たとえ仕事でミスをしたり出来ないことが多くあったりしても、誰もそんな自分に本気で興味なんてないものです。
そう考えると「何もできない自分ではダメだ」と責めているのは、実は自分だけだと少しずつ気付けてくるはずです。
「何もできない自分」は幻想だと気付くことから変化は始まる
自分には何もできないという悩みの根源は、
「自分は〇〇も△△もできない」
ということよりも、自分が自分をどう捉えているかという心理状態にあります。
何もできない自分に悩んでいる状態から、人生に希望を持てるようになるためには、
「〇〇ができない自分は誰からも必要とされない」
という条件付きの自分にしか価値を感じられていないことをまずは知ることです。
そして、その上で
「実は△△ができる自分を評価している人もいる」
というように自分の価値観の幅を広げることが、自分に自信をつける大きな一歩になります。