タイプ5である自分自身のことを、もっと詳しく知りたい
性格診断の一つである「エニアグラム」は、診断結果の内容が難しくてイマイチ理解しにくいですよね。
本記事ではタイプ5の人の本質的な性格特性と、より良く生きるための指針について解説していきます。
まだ診断を受けたことがない方は、こちらから診断することができます。
エニアグラムの本質とは
エニアグラム診断とは、
- 自分が最も恐れていること
- 自分が最も求めていること
- 自分が最も信じて疑わないこと
これら3つの観点から、性格を9つに分類する診断方法です。
そしてこの3つの観点から、その人が心理的に「囚われていること」を知ることが、エニアグラムの重要なテーマの一つとなっています。
例えば、タイプ5の人は「私は、どうも集団に溶け込めず、人付き合いが億劫で、ネクラと思われがちだ」という悩みをもっているケースが多い。
しかしエニアグラムによって、それがタイプ5の「囚われ」から来るものであることがわかれば、もやもやした自己嫌悪は具体的なテーマに変わる。
9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係
この「囚われ」は、9つあるそれぞれの性格タイプごとに異なるため、自分が囚われているもの自体が、性格を作り上げる上での基礎となっているわけです。
MBTI診断との違い
性格診断にはエニアグラムの他にも、MBTI診断というものがあります。
このMBTI診断とは、
- 外向的 or 内向的
- 直観的 or 感覚的
- 論理的 or 感情的
- 判断的 or 柔軟的
この4つの観点から性格特性を16通りに分類する診断法です。
エニアグラムが個人の「囚われ」を分類する診断であるのに対して、
MBTI診断では、個人の「性格気質」を分類しており、こちらの方が適職診断には向いているという特徴があります。
そしてタイプ5と診断される人は、MBTI診断では「INFP」というタイプに分類される比率が高い傾向があると言われています。
エニアグラム-タイプ5が最も恐れているもの、求めているものとは
タイプ5の人が最も恐れていることは、
「自分は無力で役立たずで無能である」
という感覚に圧倒されてしまうことです。
そしてタイプ5の人が最も求めていることは、恐れの裏返しである、
「自分は能力があって有能な存在である」
と感じられることです。
タイプ5は、基本的に自分という存在に大きな不安を抱えています。
- この社会でうまくやっていけるだろうか
- 他人とうまくやっていけるだろうか
そのためタイプ5の人は、そんな不安感に押しつぶされないように、
「物事の本質や知識を知ることで、自分を守りたい」
という気持ちが、人一倍強い傾向があります。
この「無能でありたくない」「有能な存在でありたい」という恐れと欲求が、タイプ5の人を突き動かす原動力になっているんです。
エニアグラム-タイプ5の主な3つの特徴
有能でありたい、より多くの知識を得たいという思いから生じる、タイプ5の主な特徴をまとめると以下の3つになります。
- 自分や他人の感情から距離を置いている
- 自分に無力感をもち、生きることに無意味感をもちやすい
- 現実を生きることが苦手
これらの特徴を知ることで、これまで自分が劣等感やコンプレックスを抱いていたことが、実は単にタイプ5の特性だったと気付くことができるはずです。
スポンサーリンク
1.自分や他人の感情から距離を置いている
タイプ5は基本的に、他人や自分の気持ち・感情とは直接向き合わないようにする傾向があります。
特に周りの人に「自分の考えや気持ちを乱されたくない」という思いを強くもっています。
そのため孤独を好んで、現実の世界よりも思考の世界に安心を感じやすい人が多いんです。
また誰かと一緒の時間を過ごしているときは、あまり相手を身近に感じません。
それよりも一人になってから、その相手と会っていたときのことを思い返し、
思考の世界の中で、そのときの気持ちを感じる
この方が、タイプ5にとっては相手を身近に感じやすい特徴があります。
自分の気持ちや感情と向き合わない理由
タイプ5の人が自分の気持ちや感情と向き合わない理由は、
直接向き合うことで自分の気持ちや感情が、雪崩のように襲ってきて飲まれてしまう恐れ
を抱いているからです。
そしてその原因の一つには、幼少期の親の影響が考えられます。
たとえば幼い頃に過干渉な親に育てられた場合、
- 親の不機嫌の責任を取らされる
- 子供であった自分の気持ちや意見に、しつこく口出しされる
- 突然、理由もわからずに理不尽に怒られる
このような出来事が長いこと続くと、非力な子供は下記のような感情に押し潰されそうになってしまいます。
- 親に対する恐怖心
- 何でも自分が悪いという自責感や自己嫌悪
- 自分は愛されていないという自己否定感
こうした感情から自分の心を守るために、子供は無意識のうちに感情をマヒさせるようになることがあります。
しかしマヒさせたからといって、それら感情が消えてなくなるわけではありません。
何かをきっかけに一度そうした感情と向き合うことになれば、押さえ込んできた様々な感情が雪崩のように一気に押し寄せてしまうわけです。
社会や他者のことを危険だと感じている
タイプ5は自分や他人の気持ちと正面から向き合えば、絶対に傷つくと思い込んでいます。
それは自分と他人の心の境界線(自他境界)があいまいな傾向が強いからです。
そして、この自他境界があいまいだと、他人の思考や感情が自分の中に入ってきてしまいやすいからです。
>>>自他境界(バウンダリー)を引ける人と引けない人の決定的な違いとは
そのため他人と安全な心の距離を保とうとし、それが結果的に孤独につながってしまうわけです。
そうして自分や他人の感情と向き合わないために、思考の世界の中だけで生きようとします。
これは自分のことを無力だと感じてしまうこととも、実は関係があるんです。
2.自分に無力感をもち、生きることに無意味感をもちやすい
タイプ5の人は自分自身やこの世界に対して、漠然とした空虚さ(無意味さ、虚しさ)を感じていることが多いです。
それはタイプ5の人が物事の本質に興味があるのに対して、他の多くの人は,
物事の本質よりも、自分が楽しむことや楽をすることにしか、関心がない
そのようにタイプ5の人にとっては、見えてしまうからです。
だからこそ自分のこの世界に対する空虚さは、
周りの他者が(タイプ5の人から見て)どうでもいいことばかりを重要視しているせいだ
と感じやすいわけです。
こうした思い込みがあるために、タイプ5は空虚さの原因である他者と、距離を置こうとしがちです。
そしてこの空虚さを埋めてくれるであろう、様々な知識や思考の世界に執着してしまうんです。
人生に空虚さを感じやすい理由
自分に無力感をもち、生きることに無意味感をもちやすい理由は、自分の心を守るために感情をマヒさせているからです。
雪崩のように押し寄せてくる悲しさや恐れといったネガティブな感情をマヒさせることにより、確かに自分の心は守られます。
ただ同時に、嬉しさや楽しさといったポジティブな気持ちも感じにくくなってしまいます。
エニアグラムのタイプに関係なく、人が生きる上での最大のエネルギーの原動力は、感情です。
- 辛いと感じるからこそ、そこから逃れようと頑張れる
- 楽しいと感じるからこそ、また楽しみたいと頑張れる
だからこそ喜怒哀楽の全ての感情がぼんやりとしか分からなくなれば、生きることにも無意味感をもちやすくなってしまいます。
3.現実を生きることが苦手
タイプ5の人はたとえばダンスを学ぼうとすれば、まず実際に自分が踊ろうとはしません。
自分が躍るのではなく、踊っている他人を観察して頭の中だけで学ぼうとしてしまいがちです。
そしてこの傾向は、自分の人生の生き方にも同じく現れます。
タイプ5の人は、人生を実際に体験して生きるよりも、人生をどう生きるべきかを解明することに力を注ぎやすいんです。
そうすると、
- 現実の生活が、おろそかになりやすくなる
- 何かを決断するまでの情報収集に、時間がかかりすぎてしまう
このように現実と距離を置いて生きてしまうのは、やはりこの現実の世界を恐れているからです。
その理由は前述したように、現実と距離を置かないと、
- 自分や他人の気持ちや感情が洪水のように襲ってくるため
- 自他境界があいまいなために、他人に自分の心を乱されてしまうため
- 空虚なこの現実では、生きている意味がわからなくなるため
ではタイプ5の人がより生きやすい人生を歩むためには、どうすればよいのでしょうか。
エニアグラム-タイプ5の人がより良く生きるために
タイプ5の人がより良く生きるためには、少しずつ人との関わりを増やしていくことが重要です。
そして思考の世界から他人を眺めるだけでなく、直接相手の気持ちや考えに触れる機会を増やすことです。
そうすれば少しずつ、
- 自分の気持ちや感情を取り戻せる
- ポジティブな気持ちも感じて、人生の無意味感も緩和する
- そして自分の人生を実際に生きることができるようになる
タイプ5の人は意識しないと、思考の世界で迷子になってしまい、現実世界で社会的に孤立してしまう恐れがあります。
何かの専門知識を深めることが自信につながる
タイプ5の人が最も求めていることは、自分が有能であると感じられることです。
そのため他人から自分の考えや能力を認められることで、根源的な承認欲求が満たされる傾向があります。
タイプ5の人は実世界で自分に自信を持てるような活動を行うよりも、自分が有能だと感じられる思考の世界に浸ってしまいやすいことは、すでに述べてきました。
そのためタイプ5の人が自分に自信を持つためには、自他共に認める、どんなに小さなことでもいいので何か特定の分野の専門知識を深めることです。
傍観者的なタイプ5にとって、感情との向き合いや積極性を獲得するための荒療治は、自分を露出することだ。
人に見られるようになると、外界がそれほど危険なものでないことが理解でき、感情と向き合うことに慣れることもできる。
9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係
何か専門知識を深めるというのは、別にそれを仕事にしなくとも構わないんです。
何か自分を安心させ、自分を有能だと感じさせてくれる「自分の芯」を持てれば、より活力をもって人生を生きられるはずです。