他人の不機嫌を放っておけず、自分が相手の機嫌を治そうと頑張ってしまう
何でも自分のせいだと思ってしまい、すぐに自分を責めるクセがあると本当に苦しいですよね。
本記事では、
「相手の不機嫌は自分のせいだ」
と思ってしまう方に向けて、その根深い問題の真相について解説していきます。
相手の不機嫌を自分のせいだと思い怖くなってしまう本当の原因
他人の不機嫌を自分のせいだと感じてしまう大きな理由は、
自分と他者との心の「境界線」があいまい
だということです。
この心の境界線は「自他境界」とも言い、これがあいまいだと、
相手の不機嫌の原因を、自分の中に探してしまう
というクセにつながってしまうんです。
自他境界とは
自他境界とは別名バウンダリーとも言い、下記の特徴があります。
- 自分と他者は、物理的にも精神的にも、別々の独立した存在である
- 自分の問題と他者の問題は、それぞれが責任を独立して持っている
言葉で説明されると一見当たり前のことのように感じますよね。
しかし、この目には見えない境界線の存在をしっかりと意識出来ないと、自分が負わなくてよい「他者の問題の責任」を背負うことになるわけです。
先日、下記のツイートをしました。
前は目の前の相手が不機嫌だと、何だか怖くて相手をなだめてしまってた
けど、その原因が自分のせいではないと知ったとき
自分は他人の不機嫌の原因を、自分の中に探すクセがあると気付いた
「感情の責任は100%その人自身のもの」
そうすぐに納得するのは難しいけど
気付けることから心は変わる☀️— もちのん@生きづらさ研究家 (@mochinonc) February 12, 2020
前は目の前の相手が不機嫌だと、何だか怖くて相手をなだめてしまってた
けど、その原因が自分のせいではないと知ったとき
自分は他人の不機嫌の原因を、自分の中に探すクセがあると気付いた
「感情の責任は100%その人自身のもの」
そうすぐに納得するのは難しいけど
気付けることから心は変わる
「たとえ他人が不機嫌だったとしても、その相手の感情の責任は自分のせいではない」
そう心の底から納得するためにも、自他境界についてしっかり理解してほしいと思います。
自他境界をしっかり引けない理由
自他境界の問題は、幼少期にさかのぼります。
子供は幼い頃、主に親と自分自身との区別が出来ていません。
ある意味一心同体の感覚で、親は自分のことを言葉や仕草で表さずとも、全て知っていると思っています。
そして物心が付いてくると、徐々に
「自分と親はそれぞれ別々の存在なんだ」
と認識していきます。
しかし、それは親と心の絆をしっかりと作り上げることが出来た場合の話です。
たとえば、
- 親自身が、自分の不機嫌を「子供のせいだ」だと思っている
- 子供が自分と親の間に境界線を引こうとしても、それを「悪い事」だとされる
こうなってしまうと、子供は
- 親に都合の悪い感情を何でも「自分のせいだ」と思い込む
- 自他境界を引くことに罪悪感を抱いてしまう
ということになります。
親という、生まれて初めて出会う人間との間に「心の絆」をうまく結べないと、その後の人生でも、
「親以外の他者と境界線を引くことを恐れる」
ようになってしまうんです。
>>>自他境界(バウンダリー)を引ける人と引けない人の決定的な違いとは
自他境界が曖昧だと「何でも自分のせい」と感じやすくなる
自他境界が曖昧だと、あらゆる事に対して「自分のせいだ」と思いやすくなってしまいます。
たとえば、
- 上司の不機嫌を、自分が何とかしなければならないと感じてしまう
- 他者からの「あなたのため」という過干渉を拒むことが出来ずに、許してしまう
- 恋人の借金返済を、自分がやってしまう
- 親から酷いことを言われても、「自分の態度が悪かったからだ」と思ってしまう
つまり、自分とはまったく無関係の他者の問題に対して「自己関連付け」をしてしまうということです。
その結果、一人で問題を抱え込んでしまう傾向にもつながってしまうことになります。
自分の不機嫌を「他人のせい」だと思ってしまう
自他境界があいまいだと、さらなる問題が生じることになります。
それは
自分の不機嫌は、他者のせいだと思ってしまう
ことです。
「他者の不機嫌を自分のせいだと思ってしまう」ということは、その逆も起こりうるということです。
このことをきちんと意識できている人と、そうでない人とでは、生きづらさが違ってきます。
なぜそう思ってしまうのかというと、自分の感情や存在価値を、自分の中だけで完結して維持できないためです。
自己評価が他者に左右されやすい
自分の存在価値が、他人の評価や振舞いにより左右されていると、
- 他人の不機嫌が、自分の存在価値に影響する
- 他人の気持ちのあり方で、自分の気持ちが左右されてしまう
このように他人に振り回されやすくなります。
そのため他人の気持ちに無頓着でいられず、他人の気持ちに対する要求が多くなってしまうんです。
他人の評価や振舞いで自分を肯定しようとしているため、他人の不機嫌をもスルーすることが出来ず、必ず反応してしまいます。
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その「自分のせいだ」は本当なのか意識する
子供の頃に身に付けた感覚というものは、大人になってもすぐに変えられるものではありません。
特に、自他境界の問題というのは、根深いものがあります。
- 他人の振舞いは他人の問題なのに、そこに介入するから、トラブルになる
- 自分の問題(劣等感、不安など)を他人に解決させようとするから、トラブルになる
上記のことを踏まえて、まずは自分が直面した問題に対して、それが誰の問題なのかを意識することから始めましょう。