人生を穏やかに幸せに生きるためには、
「どんな人と付き合っていくべきか」
というのは、とても重要なことですよね。
しかし仕事でもプライベートでも、関わりを持つ人を全て自分で決められるとは限らないものです。
だからこそ自分に害を及ぼしかねない、つまり関わらない方がいい人を見極めることは、相性の良い人を見つけることよりも、はるかに重要なことです。
さらに優しくて真面目だったり、頼みごとを断るのが苦手だったりする人の場合、絶対に関わりを持ってはいけない相手という存在がいるものなんです。
本記事では、身近にいる関わらない方がいい人の特徴とその対処方法について解説していきます。
自分を不幸にする「関わらない方がいい人」の共通点
いまの時代はネットで検索するだけで、「こんな人は避けた方がいい」という情報がたくさんヒットしますよね。たとえば、
- すぐに感情的になる人
- 自分のことを勝手に決めつけてくる人
- わがままで自分勝手な人
- 自分の意見を押し付けてくる人
もちろん関わらない方がいい人というのは、人によってさまざまです。
しかし優しくて真面目な人ほど、絶対に避けるべき相手がいます。
それは関わったあとで何となく後味の悪い、嫌な気分になる相手です。
- 話をしていると、なぜかイライラさせられる
- 関わったあとで、何かこちら側が罪悪感を抱かされる
こうした相手のコミュニケーションには、ある共通した特徴があります。
それは表面的にはごく普通のありふれた会話のやり取りでも、その裏に別の意図や思惑が隠されているという点です。
たとえば自分と職場の同僚の間で、下記のような会話のやり取りがあったとします。
相手:なかなか職場の〇〇さんと仲良くなれないんだよね。
自分:ご飯にでも誘ってみたらどう?
相手:でも今月はお金ないし…
自分:なら、仕事終わりに駅まで一緒に帰ってみたら?
相手:でも〇〇さんが定時帰りのときに合わせるの大変だし…
自分:なら、…
相手:でも…
自分:じゃあ、もう機会を待つしかないね
相手:冷たいね。もういいよ。
自分:いや、そんなつもりじゃないのに…。
この例では、表面上は相手が相談(悩みの打ち明け)をしています。
しかし相手は会話を始める前の段階ですでに、
- 相手を負かして優越感に浸りたい
- 相手を怒らせてでも、自分にかまってほしい
という思惑を持っています。
つまり初めから悩みを具体的に解決する気がないわけです。
このような会話のやり取りでは、お互いに後味が悪くなって当然です。
そして真面目で優しくて依存心がある人ほど、この会話のように他人に振り回されやすい傾向があるんです。
後味の悪いネガティブな会話パターンとは
先ほどの例のように、表面上の「相談をする」という会話の目的とは別に、
裏の意図や思惑を持って、やり取りされるコミュニケーション
こうした会話を、心理学の分野では心理ゲームと呼んでいます。
この心理ゲームには、次のような特徴があります。
- ある決まったネガティブな会話パターンが展開される
- 最後的に双方とも何となく後味の悪い、嫌な気分になる
依存心が強い人ほど、こうした後味の悪いネガティブな会話パターンを、無自覚に他人に仕掛ける傾向が見られます。
そして仕掛ける側も、仕掛けられて乗ってしまう側も、お互いにその会話が心理ゲームだと気づいていない場合がほとんどなんです。
では具体的に関わらない方がいい人の特徴と心理ゲームとの関係性は、どのようなものになっているのでしょうか。
【気づきにくい】身近にいる関わらない方がいい人の特徴
1.自分から相談しておきながら、アドバイスを一切受け入れない
何を言っても、
「そうなんだけど、でも…」
と返され続けてしまう
一つ目の関わらない方がいい人の特徴は、相手の悩みや不満に対して、こちら側がいくら問題解決のアイディアを伝えても、その全てに反論し続けるところです。
反論され続けた結果、最終的にこちら側が怒ると、急に自分が「一方的に怒り出した人」という扱いになってしまうという特徴があります。
相手:最近、頭痛がひどくてなかなか良くならないんだよね。
自分:一度、病院に行ってみたら?
相手:でも仕事が忙しくて病院に行く時間が作れないんだよ。
自分:じゃあ、市販の薬を飲んでみたら?
相手:でも市販の薬だとあまり効かないんだよ。
自分:じゃあ、…〇〇は?
相手:でも、〇〇だし…。
自分:(徐々にイライラして)それなら、どこかで仕事休んで病院行くしかもうないじゃん!
相手:それができなくて困っているのに、何でそんな意地悪なこと言うの?
そうしてお互いに後味の悪い雰囲気になる
こうした相手は、
- 初めから悩みを具体的に解決するつもりがない
- お互いに後味が悪くても、会話で寂しさを紛らわしたい
このような心理を持っていることが多くあります。
2.一度の失敗やミスを、執拗に責め立ててくる
二つ目の特徴は、些細なことでもしつこく否定してきたり、いちいち揚げ足をとるような批判をしてきたりするというものです。
このような人は、相手を責め立てることで、
- うっぷんを晴らしたい
- 優越感に浸りたい
という心理を持っています。
自分:(待ち合わせに5分遅れて到着)ごめん!
相手:(不機嫌な様子で)こっちはいつも10分前にはきちんと来てるんだけど。
自分:うん、本当にごめん!
相手:遅れたのに走っても来ないし、初めから時間通りに来るつもりなんてないんでしょ?
自分:そんなことないよ!
相手:いつも連絡しても、なかなか返信もくれないし、あなたはとにかく時間にルーズでだらしない性格なんだね。
そうしてお互いに後味の悪い雰囲気になる
こうした一方的に責め続ける人というは、そもそも相手のことが気に入らないという感情を持っていることが多いんです。
3.いくら相手を慰めても、自分のことを卑下し続ける
「自分は〇〇もできないし、△△も上手くいかないし…。」
自分を卑下する発言に対して、こちら側がどんなに相手を慰めようとも全て反論するような相手とは、距離を置いた方が賢明です。
それは相手に、
「自分はダメな人間だという信念を強化したい」
という無自覚の思惑があるからです。
相手:自分はダメ人間だから、いつも恋愛がうまくいかないんだ…。
自分:そんなことないよ。仕事は成果も出してるじゃん!
相手:この前仕事でミスして、きっと職場の人にも嫌われているし。
自分:大丈夫だよ。私だって仕事でミスすることあるし。
相手:でも…なんかもう全てが嫌になってくるんだよね…。
自分:(もう面倒くさくなってきた…)
そうしてお互いに後味の悪い雰囲気になる
相手がこうして自分を卑下し続ける理由は、ダメな自分でいた方が、心理的に楽だからです。
少しでも自分をプラスに評価したあとで自己嫌悪することになれば、余計に傷つくことになることを相手は恐れています。
だからこそ、こうした人をどれだけ慰めても無駄に終わってしまうわけです。
4.お互いに落ち度があるのに、一方的に責任を押し付けてくる
関わらない方がいい人は何か問題が起きたとき、とにかくまず相手に原因があると考えて、相手を責める傾向があります。
このように自分に都合の悪いことは何でも責任転嫁をしてくる人と一緒にいれば、何でもこちら側が悪者にされてしまいます。
- 室内で何か物にぶつかっても「こんなところに置いているあなたが悪い」と言う
- 仕事でミスをしても「あなたの説明があいまいだったからミスをした」と言う
こうした関わらない方がいい人の多くは、「自分が絶対に正しい」という思いを強く持っています。
しかしそれは自分への自信のなさの裏返しなんです。
「自分に自信がないからこそ、自分の過ちを認めてしまえば、そんなダメな自分と向き合わなければならなくなる」
こうした恐れを過剰に抱いているわけです。
5.「あなたのためを思って」と善意の押し付けてくる
こちらの意志や都合を全く考えずに、「あなたのために」と一方的にお節介やアドバイスをしてきたり、一方的な善意の押し付けをしたりしてくる人は要注意です。
こうした特徴が問題なのは、こちら側がその善意を受け取った上で感謝もしないと、相手が怒り出すところにあります。
これは特に親子や恋人などの親密な関係性にある場合、相手はより個人的な部分に踏み込んできやすい傾向があります。
- 子供がやるべきこと(自分で選択する経験、挑戦して失敗する経験など)を親が先回りして全てやってしまう
- 職場の先輩が、後輩社員の仕事のやり方に些細なことまで口を出してくる
- 恋人の行動を細かく把握したがったり、頼んでもいない身の回りの世話をしてきたりする
相手が善意を押し付けた上で感謝も同時に求めてくるのは、
「相手を救ってあげたい」という思いよりも、「相手を救うことで、自分が救われたい」
という思いが強くあるからです。
このような関わらない方がいい人は、そもそもありのままの自分に存在価値を見い出せていない場合がほとんどです。
だからこそ誰かの役に立つ、誰かから必要とされる自分になろうとしがちなんです。
そしてそのための手段としてしか、他人のことを見ていないわけです。
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相手から仕掛けられた心理ゲームに乗らないためには
自分がどれだけ注意をしていたとしても、誰かから後味の悪いネガティブな会話パターンを仕掛けられることは避けられないものです。
そのため、もし関わらない方がいい人から心理ゲームを仕掛けられたときは、次の2つを意識して冷静に対処することが賢明です。
相手の助けになりたいと思わないこと
相手が何か困っていたり相談する素振りを見せても、「相手の力になりたい」と入れ込みすぎることは注意が必要です。
一度か二度、相手にアドバイスをしたり意見を伝えてみて、それでも、
- 受け流されたり反論されたりする
- 徐々にイライラしてくる
こうした状況になったら、もうそれ以上その相手とは心の距離を置き、会話の流れを止めるべきです。
ただ頭ではそう理解できても、
- 「誰かの役に立ちたい」という気持ちを抑えられない
- 「誰からも必要とされない自分」を受け入れられない
こうした場合、自分の心の奥に見えない依存心を抱えているケースがあります。
>>>誰からも必要とされない自分に絶望したときに読んでほしい
どちらが正しい・正しくないという議論に持ち込まないようにする
一度のミスに対して執拗に相手から責め立てられるような場合、相手はあなたを否定し批判することを目的に会話をしている可能性が考えられます。
そうした場合、相手の批判に対して、
- 「本当に申し訳がない」と過剰に罪悪感を抱く
- 逆に「相手に自分の正当性を分からせたい」と反論する
このように振る舞えば振る舞うほど、相手の思うつぼになってしまいます。
こうした人と関わらない方がいい理由は、自分の方が相手に執着させられてしまうからです。
自分が本来するべき唯一の対応は、自分がミスをしたのなら、そのミスをカバーすることだけです。
だからこそ会話の目的は、「問題をどのように解決していくか」という建設的なものに絞るべきなんです。
たとえ相手が怒っていようが、相手の感情をなだめる目的で会話に乗ってしまえば、お互いにいつまでも不快な思いをし続けることになってしまいます。
関わらない方がいい人からは積極的に嫌われるべき
いつも相手の力になろうとしたり、相手を分からせようとしたりする人の多くは、相手が誰であれ、みんなから好かれようとする傾向があります。
それは他人に嫌われたくない、誰かの役に立つ自分でありたいという気持ちが強いからです。
そしてそうした人ほど、精神的に大人になり切れなく依存心が強い関わらない方がいい人に振り回されてしまいがちなんです。
そのため他人に振り回されやすい人は、普段から他人よりも自分を大切にすることを意識するべきです。
依存心が強い人ほど他人の不満や不安な気持ち・不機嫌さに敏感で、それを自分が何とかしてあげたいと思ってしまう傾向が強くあります。
それで相手が誠実な人であれば、まだ救いがあります。
しかし、そうではない不誠実で自分勝手な人だった場合は、相手にずっと執着し続けて自己嫌悪に苦しむことになりかねません。
だからこそ、関わらない方がいい人からは積極的に嫌われるべきなんです。
不誠実な人とは、きちんと向き合う必要はありません。
不誠実な人からも嫌われたくない、好かれたいと思ってしまうから、人生が苦しいものになってしまうんです。
とは言っても、いきなりそんな冷たい態度はとりにくいですし、行動だけを変えようとしても心が納得できていなければ、いずれ元に戻ってしまうものです。
そのためまずは「不誠実な相手の役には立つ必要はない」ということを知ることから始めましょう。