「人と会うと、いつも気を張りすぎて疲れてしまう」
「誰かと関わるたびに、内心イライラしてしまう」
誰とも関わりたくないという心境になってしまうのは、孤独でもあり苦しいものですよね。
しかし日頃から多くのことを我慢して他人に合わせすぎてしまう人ほど、自分の中にある依存心にさえ気付ければ、解決の糸口が見えやすいんです。
本記事では、誰とも関わりたくないという苦しい気持ちの原因と克服方法について解説していきます。
誰とも関わりたくないという苦しい気持ちを克服する方法
そもそも「誰とも関わりたくない」と心理的に追いつめられてしまう大きな原因の一つには、
人と会うたびに大きく自己肯定感がゆさぶられてしまっている
ことが挙げられます。
- 他人に冷たくされた自分には価値がない
- 他人に優しくされた自分には価値がある
このように「自己評価」と「他人の態度」が関連付けられていては、いつも不安な気持ちになってしまうのは当然です。
そのため、誰とも関わりたくないという苦しい気持ちを克服するには、
自分と他人を心理的に切り離すことが重要になります。
他人に自分の価値を決める力を与えてしまっていることを知る
自分と他人を心理的に切り離すとは、
自他境界(自分と他人の心の境界線)をきちんと設け、自分の価値は自分だけで決める
ということです。
自分と他人を心理的に切り離せないと、自分の存在価値の決定権を他人に握らせることになります。
そして、他人の視点からしか自分を認められないと、
- 「他人に褒めてもらうことをして自分の価値を高めよう」
- 「他人の期待に応えられる自分になろう」
こういった考え方を無意識にして、他人に自分を守ってもらおうとしてしまいます。
これは他人の態度が自分の存在価値に大きく依存してしまっているということになります。
>>>「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?
つまり誰とも関わりたくないという気持ちの中にある、漠然とした不安感や恐怖の裏には他人への強い依存心が隠れているということです。
依存心が強いと他人を通じてしか幸せになれない
他人への依存心が強いと、自分一人だけで自分の心を満足させられなくなります。
どんなに楽しいことをしても、好きな人と一緒にいても
- 相手の役に立ったかどうか
- 相手が楽しく感じたかどうか
こうした目の前の相手の満足度によって、常に自分の自己肯定感が左右されてしまう。
これではいつまで経っても一時的な幸福感や安心感しか得られませんよね。
そして、依存心が強いことで生じるもう一つの問題があります。
それは他人の態度や振舞いによって自己評価がゆらいでしまうために、人から嫌われることが極端に怖くなることです。
他人を変えようと期待することが誰とも関わりたくないという苦しさを生む
人から嫌われることが怖くなると、いつも頭の中では「他人にどう思われているか」ばかり考えてしまいます。
そうすると、自他境界があいまいな人は他人を変えようとしてしまいます。
- 自分が優しくすれば、相手も優しくしてくれるはず
- こんなに仕事を頑張れば、相手も評価してくれるはず
しかし、どれだけ努力しても他人は自分の期待通りにはならないものです。
そうなれば誰とも関わりたくないという心境になってしまうのは当然とも言えます。
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自他境界をつくる上で知っておくべきこと3つ
1.他人の心の中に自分がどう映っているかにしか興味がない
自己評価が常にゆらいでしまうというのは、ある意味で命の危機でもあります。
そのため、「自分は相手にどう思われているのか」ということにばかり意識が向いてしまいます。
しかし、そもそも自分と他人は
考え方も感じ方も価値観も全く違う、自分とは独立した存在だ
そう感じられていれば、そんな他人が自分の存在価値を決めるカギになるなんておかしいと思えるはずです。
自分の価値が常にゆれていては、目の前の相手に対して
「この人はどんなことに関心があって、どんな性格なんだろう」
という相手に関心を持つ心の余裕がなくなります。
そうして、ますます余計に誰とも関わりたくなくなるという悪循環にハマってしまう可能性があるんです。
2.他人に興味がないと、相手からの評価のメッセージしか受け取れなくなる
自分は相手にどう思われているのか
このようなことにしか意識が向かないと、相手の態度や振舞い・言動は全て
「自分を肯定している」もしくは
「自分を否定している」
このどちらかでしかないと思ってしまいます。
そのため、相手の少ない情報だけから相手の意図を決めつけてしまう傾向があります。
- あいさつしたけど返事がなかった
→嫌われているに違いない - ちょっとした仕事のミスでひどく怒られた
→憎まれているに違いない - 道で人とすれ違いざまにぶつかった
→ワザとに違いない
こうした自己評価につながるメッセージだけを受け取ってしまっていることが、誰とも関わりたくないという辛い気持ちの大きな原因の一つになっているんです。
3.「その相手とどうなりたいか」がないことが苦しさの根源
対人関係が強いストレスになりやすい人は、相手に良く思われたいという気持ちはあっても、
「その相手とどんな関係になりたいのか」
という意志があいまいな傾向があります。
たとえ自分の仕事ぶりを評価してくれなくても、その人と友人になりたいなら会う頻度を増やせば良いし、
逆に自分のことをとても評価してくれていても、その人のことがあまり好きになれないなら距離をおけばよいわけです。
相手とどんな関係になりたいかという意志がないと、全ての人から良く思われたくなってしまいます。
>>>八方美人をやめたい!けれど、ほとんどの人は変わる気がない…
「いい人」を演じすぎているから誰とも関わりたくなくなる
自分と他人を心理的に切り離せていないと、
他人に自分を守ってもらいたい = 優しい他人でいてほしい
と一方的に報われない期待をして、相手に合わせるばかりの生き方になってしまいます。
それでは「もう誰とも関わりたくない」という思いになるのも当然です。
そして、他人の振舞いという自分の力では変えることができないものを変えようと頑張ってきたからこそ、疲れ果ててしまったとも言えるんです。
他人への期待や依存心を軽くしていく上で、自他境界についての知識が一つの大きなカギとなるはずです。