もう何のために生きていけばいいのか分からず、気力も沸かず、辛くて苦しい…。
人は誰でも未来への希望をもてなければ、生きる気力を失ってしまう生き物です。
ただほとんどの人はたとえ希望が見えない毎日でも、目の前の楽しみで自分の心をごまかしながら、何とか生きることができているものです。
しかし、そうしたごまかしができない、実直にしか生きられない人も実は本当に多くいます。
ではそうした将来の希望を失ってしまった人が、再び前を向くためにはどうすればよいのでしょうか。
本記事では将来が見えないという人へ、その苦悩から抜け出すための方法についてお伝えしていきます。
将来が見えない…絶望の中でも何とか前を向きたい人へ伝えたいこと
自分の先の将来が見えないこと、それは人によっては「生きる意味を見失うこと」に等しい感覚でもあります。
特に将来が見えないという状況だけではなく、それに加えて、
- 「これからどう生きていけばいいのだろうか」
- 「このまま自分の人生どうなってしまうのだろうか」
そんな「漠然とした不安」が重なってしまうと、なかなか前を向くことができずに、その不安から抜け出せなくなってしまうものです。
そうした不安や葛藤、苦悩から少しずつでも抜け出していくためには、まず、
『具体的に自分が起きて欲しくない「最悪の事態」とは、どんな状況なのか』
これを頭の中だけでなく、実際に紙に書き出すなどして「文字に書き起こして確認する」ことが大きな一歩になります。
たとえば、自分にとっての最悪の事態が、
自分が〇〇(仕事、家族、お金など)を失うこと
こうしたものだった場合、さらに、
「自分が〇〇を失ったら、実際何が起こるのか」
そうその内容を深掘りしていきます。
そうすると最終的に自分が最も恐れている不安が具体的に見えてくるはずです。
- 自分が〇〇を失ってしまったら、もう誰からも相手にされなくなって一生孤独に生きることになるに違いない
- 〇〇という事態になってしまったら、自分にはもう存在価値がなくなるに違いない
このように具体的に書き出した方がよい理由は、悩みというものはただ不安な気持ちが根拠なく膨らんでいるだけの場合が多いからです。
そのため一度、悩みを頭の外にアウトプットしようとするだけでも、感情抜きで現状を冷静に捉えられやすくなります。
ずっと漠然とした不安を抱き続ける状態が、最も精神的につらい
起こりうる最悪の事態を明確にすることで得られるメリットは、もう一つあります。
それは最悪の事態を考えておくことが、少なくともそれより悪いことは起きようがないという、一種の安心感につながるためです。
また最悪の事態を考える際は、
その最悪の事態は具体的にどのくらいの確率で起こりそうなのか
ということも同時に考えておくことで、さらに不安を客観的に捉えられるようになります。
事実、最悪の事態の例として先ほど挙げた、
「自分が〇〇を失ってしまったら、もう誰からも相手にされなくなって一生孤独に生きることになるに違いない」
こうした不安の場合たとえ、どれだけ自分にとって価値のある大切なものを失ったとしても、一生孤独で過ごすことになる可能性は、ほぼ限りなく0%なはずだと分かります。
このように頭の中でグルグルと考え続けることを一旦やめ、文字に書き起こしてみることで、その不安がいかに非現実的なものなのかを客観的に理解できるわけです。
したがって自分の将来が見えない苦しさを少しでも軽くして前を向くために、いち早く抜け出さなくてはならない状態こそが、「漠然とした不安を抱き続けること」なんです。
これまで自分を追い詰めてきたものの正体
先の将来が見えないことによる漠然とした不安の大きな原因には、頭の中だけで、
「こうなってしまったら、人生終わりだ」
そう感覚的に結論付けてしまっていることが挙げられます。
では自分を苦しめている「こうなってしまったら人生終わりだ」という感覚はなぜ生じるのでしょうか。
実はそうした感覚の裏には、人生に対して、
「絶対に失敗できない」
という自分を追い詰めている心理が隠れている場合が多くあります。
たとえば、
- いまのパートナーを失ったら、おしまいだ
- いまの仕事を失ったら、おしまいだ
- 就活、婚活、副業、昇進試験を失敗したら、おしまいだ
確かにこうした人生における重大事で挫折してしまえば、誰でも心に大きな喪失感、絶望感を抱いてしまうものです。
しかしそんな状況に陥っても、そこから何とか人生をやり直せる人もやはりいます。
では、そうした人達は何が違うのかと言えば、それは、
自分に失敗することを許しているかどうか
ということになるんです。
自分に厳しすぎれば、誰でも生きること自体が苦しいものになる
「もし〇〇を失敗したら、人生終わりだ」
そう無自覚にでも感じていれば、一度の挫折で無気力になったり、全く将来が見えない状態から抜け出せなくなったりしやすくなるものです。
ただこの「失敗したら人生終わりだ」という考えは、決して自分が独自に作り出したものではないはずなんです。
多くの場合、そこにはこれまでの人生で経験してきた「人間不信」が隠れています。
他人を基本的に信じられない、信頼できない人ほど、他人の目を通してしか自分の人生を生きることができなくなる傾向があります。
それは他人から良く思われなければ、自分は受け入れてもらえないと感じやすいからです。
だからこそ他人の目から見て、
「もし〇〇になってしまったら、周りの人たちから存在価値がないと思われて見捨てられてしまうに違いない」
そう他人主体で自分の人生を決めつけてしまいやすいわけです。
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将来に希望をもって前を向くためには辛い決断も必要
自分の未来が見えないことが、あまりにも苦しい
そんな状態から抜け出すためには辛いですが、いま苦しんでいる中でも「一番やりたくないこと」をしなければなりません。
それは自分の人生を少しずつあきらめることです。
自分の人生をあきらめるとは、これまでの自分の価値観を変えていくということでもあります。
たとえば、
- 「周囲の人から立派だ一人前だと認めてもらえる人生にこそ価値がある」
- 「夢のために努力して、その夢を叶える人生にこそ価値がある」
こうした自分の中にある「人生こうあるべきだ」という価値観を少しずつ手放していくということです。
「完璧な理想の自分になれなくてもよい」
そう時間をかけてでも思えてくると、自然と今まで見えてこなかった別の生き方が見えてくるはずなんです。
>>>人生をあきらめたら楽になった…生きることに絶望しそうな人に読んでほしい
挫折は本当の自分の本心に気付けるチャンスでもある
「〇〇な自分になりたい」
「〇〇な人生を送りたい」
そう頭では考えていても、実は本心は違うことも多いものです。
それは世の中の不安になりやすい人の多くが、「人生の正解」を探し求めてしまっているからです。
「こういう自分になりさえすれば、幸せになれるに違いない」
しかし実際に「こうなれたら絶対に幸せになれる」という正解なんてないですよね。
事実、傍から見れば幸せそうな境遇にある人でも、人間関係や仕事、金銭や家庭問題など様々なことに悩み苦しんでいる人が大勢います。
だからこそ今から前を向くためには、自分の本心と少しでも向き合ってみてほしいんです。
いま自分の未来が見えずに苦しんでいるという人は、決して努力が足りなかったとか能力がなかったなどということではありません。
逆に将来に対して漠然とした不安を感じられる人こそ、現状を打破しようと不安をエネルギーに替えられる立派なスキルをもっているとも言えるわけです。
ただ焦る必要はないんです。
少しずつ無理のない範囲から今の自分を許して受け入れていく一歩を踏み出してみてほしいと思います。
そうした積み重ねの先に必ず見えてくるものがあるはずです。