心配性な性格だと、どれだけ努力を重ねていても不安が消えず、精神的にも疲れやすいですよね。
では、
「心配グセは性格的なものであり、変えることができないのか」
というと、そうではありません。
心配グセの原因を正しく理解できれば、克服のための突破口になります。
そんな心配グセとの向き合い方を解説しているのが、著「心配ぐせを直せばすべてが思いどおりになる」です。
本記事では、心配ぐせの原因と克服法についてお伝えしていきます。
なぜ心配グセは治りにくいのか
そもそも人間の意識は、誰でも物事をネガティブに考えるように出来ています。
- あの人からの返信が遅いから、もう嫌われたに違いない
- せっかく任された仕事だけど、未経験だから失敗するかもしれない
ネガティブ思考になりやすいように出来ている理由は、
何事も悪い方向に捉えておくことが、自分の身を守って長生きするための本能でもあるからです。
しかし、
「目の前の不安な気持ちから、とにかく逃れたい」
という思いが主目的になってしまうと、いつまで経っても不安感は消えません。
多くの人が心配疲れをしてしまう原因は、
何も問題解決につながる具体的な行動を、起こせていないから
というのが心配グセの本質なんです。
生きる目的を見失っているから不安になる
心配グセの根底にあるものは、目の前の問題を解決するということが頭から抜け落ちて、不安感だけを解消しようとしていることにあります。
たとえば営業マンで、顧客に会うたびに「あの人に嫌われたらどうしよう」と心配ばかりしている人がいたとします。
けれど、もしその営業マンが、
「今月はあと3件の契約を、何が何でも絶対にとりたい!」
という目標を持っていれば、恐らく「人から嫌われるかもしれない」という心配をしている暇はないはずです。
これと同じように、
- 誰からも嫌われたくない
- 絶対に失敗したくない
という思いばかりが強ければ、それは生きる目的や目標自体を見失っている状態だということになんです。
だからこそ、どんなに小さなことでも何か人生の目的を持つことが重要なんです。
多くの人が「生きる目標」を大げさに考え過ぎている。
長く会社員人生を歩んできた習い性と言うべきか、何らかの「業績」に結びつかないと、目標にはならないと決め込んでいるフシがある。
~略~
やりたいことと言われて構えてしまうようなら、「好きなこと」と考えればいい。
立派な目的や目標でなくても全く問題ありません。
ただ安心感を得たいという感情が主目的になってしまうと、心配性から抜け出せなくなるということです。
人付き合いの心配グセを和らげるには
- 「他人の目が気になってしょうがない」
- 「うまく自己主張ができない」
このように「人からどう思われるだろうか」という思考に囚われてしまうと、なかなか抜け出せなくなるものです。
そうした心配グセを和らげるには、
「自分はどうしたいのか」
という考えに、切り替えなければならないんです。
「自分はどう思われるか」というのは、あくまで相手が決めることで、自分がどうにかできることではありません。
だからこそ問題の主導権を、他人から自分へと取り返す必要があるわけです。
「自分はどうしたいのか」が明確になれば、他人の目よりも人生の目的を達成することに意識を向けられるようになっていくはずです。
他人に否定される不安を抱いてしまう原因
人付き合いで一番辛いことは、他人に自分を軽く扱われたり無視されたりすることだという人も多いと思います。
ただ、もしかするとそうした原因の一つには自分が、
- 「私はあなたに〇〇をしてほしい」
- 「この件について、私は〇〇だと思う」
このように「自分」を主語にして、きちんと主張ができていないことが考えられます。
人は誰しも、ハッキリとしない態度に対しては、
- 「自分に心を開いてくれていない」
- 「自分のことを軽く見られている」
こう感じる人も少なくありません。
多くの人はたとえ批判的な意見だったとしても、「自分」を主語にしてハッキリと発言された意見はきちんと聞いてくれるものです。
つまり人から良く思われたい、嫌われたくないという理由で、
- 相手に合わせた発言をする
- はっきりと自己主張をしない
こうした行為は、逆に嫌われることにつながりやすいということなんです。
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「ネガティブ思考」と上手に付き合う方法
どれだけ心配グセの原因について頭で理解できたとしても、やはりネガティブ思考からすぐに抜け出すことは難しいものです。
そこで上手くネガティブ思考と付き合っていくための方法として、本書の中では3つの手順が紹介されています。
1.心配事をリストアップする
まずは頭の中にある心配事を、すべてリストアップして書き出していきます。
どんな小さなことでも構いません。
少しでも頭をよぎる不安なことは、リストに追加していきましょう。
2.具体的に何が心配なのかの理由を書き出す
次にリストアップした心配事について、下記の内容を書き出していきます。
- 具体的にどんなことを心配しているのか
- その心配事が実際に起こる確率は、どのくらいだと感じているか
- 想像しうる最悪の事態は、どんな状況か
自分が頭の中だけで不安になっていた心配事を、具体的に書き出して明確にします。
そうすると必然的に、「いまやるべきことは何か」が見えてくるものです。
3.その心配事を別の視点から捉え直してみる
最後に、書き出した心配事が、
「いま自分の力で、何とか解決できることなのか」
を判断していきます。
心配事によっては、
- 心配しても、どうにもならないこと
- 自分の力ではコントロールできないこと
- そもそも心配する必要のないこと
こうしたある意味で無駄な心配事というものが、意外と多くあるからです。
以上の3つのステップを踏むことで、
- 心配していることは、起こる確率がかなり低い最悪の事態の場合が多い
- どれだけ心配したところで、自分が何とかできることではない場合もある
このように「実はそこまで深刻に考える必要はない」と客観的に理解できるようになることが重要です。
それができれば、「本当に心配すべきことは何か」が明確になり、ネガティブ思考に振り回されにくくなるからです。
「100年後はすべて新しい人々」という考え方
たとえ他人から見れば小さな悩み事に見えても、当の本人にすれば重大な心配事ってありますよね。
- 自分は周りの友人と比べて年収が低い
- 自分だけ結婚できていない
- 転職に失敗したらどうしよう
しかし自分がどんなに深刻に悩んでいることも、100年経てば意味のないことだと気が付きます。
今から100年後は自分はおろか、家族も友人も職場の同僚も誰も生きていません。
そう考えれば、自分の心配事が小さく感じられ、悩んでいる時間とエネルギーがもったいないと思うことができるかもしれません。
このように心配事は、見方や捉え方によって大きく変わるものなんです。
>>>一度きりの人生!自分らしく生きるための一歩を踏み出したい人へ
人生80%主義のすすめ
一般的に心配事の8割は起こらないと言われています。
そして残りの2割に関しても、そのほとんどが自分が事前に対策を行うことで、最悪の状況は何とか回避できることが多いものです。
つまり心配事のほとんどは現実化しないと言えるわけです。
ではそれでもなぜ心配しすぎてしまうのかと言えば、その主な原因は、
自分を不必要に追い詰めてしまう「完璧主義的な考え方」を持っている場合があるからです。
- 「絶対に失敗できない」
- 「失敗したら人生終わりだ」
こうした思考の裏側には、
「一度でもミスをしてしまえば、他人からバカにされたり見捨てられたりしてしまう」
という恐怖心が隠れています。
しかし冷静に考えれば、そんなことはないと気付くはずです。
本書の中では、具体的に不安を解消する方法や、心配事をため込まない思考法についても解説されています。