毒親から精神的に解放されたい!
けど、具体的にどうすればいいのか分からない…。
自分の生きづらさの大きな原因が親のせいであると理解できても、どうすれば楽になるのか分からずに悩んでいませんか。
本記事では毒親の影響下にある自分の心を、精神的に解放させるための方法について解説していきます。
毒親からの解放には、奪われた「反抗期」を取り戻す必要がある
毒親育ちの生きづらさは、本当に経験した人でなければ分からないくらい辛いものですよね。
- 自分の感情や気持ちがよく分からない
- 心の底から人を信じられない
- いつも自分より他人のことを優先してしまう
- 見捨てられ不安に悩まされやすい
- ちょっとしたことで自己嫌悪に苦しみやすい
こうした毒親による影響から解放されるためには、自分が最も恐れ、これまで避けてきたことに少しずつ取り組んでいかなければなりません。
それこそが、親に奪われた反抗期を取り戻すことなんです。
子供は反抗期を経ることで、親から心理的に自立でき、親とは違う価値観や意見を持っていたとしても見捨てられることはないという安心感を持つことができます。
この安心感によって、
「親と違う意見や気持ちを持っていても、大丈夫なんだ」
こう思えるようになっていき、大人に成長するまでに次のような生き方ができるようになるわけです。
- 他人と対立できるようになる
- 困ったときに、誰かに助けを求められるようになる
- 「これ以上は自分には無理だ」という自分の限界ラインをきちんと引けるようになる
そして毒親育ちの人は共通して、この反抗期がなかった人が多いんです。
子供が反抗することを毒親は絶対に許さない
親自身が精神的に自立できていない場合、親は子供の態度や言動によって不機嫌になったり不安になったりしやすい傾向があります。
そんな親にとっては子供の反抗期とは、
- 親である自分を見捨てる行為
- 親の意に逆らって、親を不安にさせる行為
このように毒親の目には映っています。
反抗期を許さない親は、子供が自分の元から親離れするのを決して許しません。
何としてでも精神的に子供を自立させないために、親離れすることに対して、罪の意識をもたせようとまでしてきます。
特に毒親育ちの人は罪悪感によるコントロールをされやすいため、親離れはそう簡単にはいきません。
そのため自分の心を毒親の影響下から解放するためには、必ず一度は精神的に「親を捨てる」経験をすることが、必要不可欠なんです。
健全な親元で育った多くの人はみな、この親を捨てるステップをある程度踏んで成長していきます。
精神的に親を捨てて自立するために必要な3つの気付き
毒親から解放されるには、ただ単に親元から物理的に離れれば達成できるというものではありません。
- 自分はなぜこんなに生きづらいのか
- 自分は無意識下で、一体何を恐れているのか
- 自分はなぜ、なかなか毒親からの解放が進まないのか
こうした苦しみの本質的な原因をしっかりと知って理解することが必要です。
反抗期を取り戻して自立するためには、次の3つの気付きが必要になります。
1.「親への恐れ」を自覚する
多くの毒親育ちの人は幼い頃、突然機嫌が悪くなったり怒り出したりする親に対して恐怖心を抱きやすい傾向があります。
ただ子供は基本的に親の保護がなければ生きていけないため、親への恐怖心と一緒に、親を求める愛情も抱きます。
このように親への愛情を持ちつつ、同時に恐れも抱いているという矛盾した心の状況は、子供にはあまりに負担が大きいものです。
そのため子供は自分の心を守るために無意識に、親への恐怖心から目をそらし、なかったことにしようとする防衛反応が生じます。
こうして普段は「親への恐れの気持ちを自分がもっていること」など気付くこともありません。
しかし本当は親を恐れているという気持ちに気付けないと、親に反抗することなどできず、毒親からの解放もなかなか進まないんです。
では具体的に何を恐れているのかと言えば、それは「ダブルバインド」という、親との理不尽な関係性が大きく関わっているんです。
>>>ダブルバインドとモラハラは密接な関係!その事例と対処方法
2.親子の役割逆転が起きていたことを知る
毒親と呼ばれる人たちは、基本的に自分で自分の心の葛藤や甘えの欲求を解決することができません。
そのため子供を利用して自分の心を満たそうとします。
その結果として起こるのが、親子の役割逆転という現象です。
本来子供は、
親から甘えの欲求を満たしてもらうことで、この世界や他者に対する安心感や信頼感を育ててもらう
という役目をもっているはずです。
しかし毒親の場合、その役目を親が子供から奪い取ってしまい、子供の方が、
- 親の甘えの欲求を満たしてあげなければならない
- 親が安心感や信頼感を得られるように振舞わなければならない
こうした親の役目を引き受けざるを得ない状況に追いやられてしまうわけです。
毒親からの解放のためには、こうした「自分が親の親代わりをさせられている」ことに気付くことが必要です。
>>>親子の役割逆転とは?「子供時代」を生きられなかった人の特徴
3.「善悪の感覚」が逆転していることに気付く
毒親から心理的に自立できない大きな理由の一つに、普通の人と「善悪の感覚」が逆になっていることが挙げられます。
たとえば人間は誰しも生き延びることが「善」である生き物ですよね。
しかし毒親の元で生きてきた子供にとっては、
- 毒親に耐えることが「善(生き延びることができる)」
- 耐えきれずに逃げることが「悪(生き延びられない)」
ということになってしまいます。
この善悪の感覚は、成人してもそのまま持ち続けてしまうため、
- 自己主張をせず、嫌なことや嫌いな人に耐えることが「善」
- 嫌なことや嫌いな人から逃れることが「悪」
このような感覚によって、自分を見下したり軽く扱ってくる親や他人から、いつまでも自分の心を解放できない状況になってしまうわけです。
>>>辛い人生を自分は望んでいる!?子は親を救うために「心の病」になる
こうした3つの気付きを理解して少しずつ試していくことで、反抗期を取り戻すことにつながっていきます。
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毒親からの解放が難しい理由
自分の生きづらさの原因を色々と理解できても、なかなかすぐに自立するのは難しいものです。
毒親から心理的に解放されることが一筋縄ではいかない理由は、
毒親育ちの人は「親が自分のことをどう思うか」によってでしか、自分の存在価値を確認できない傾向が強いからです。
自分の存在価値を決める力を持っているのが「親」だからこそ、
- 何でも親に分かってもらわなければならないと思ってしてしまう
- 親から「あなたは一人じゃ何もできない」などと言われれば、その通りに違いないと思ってしまう
ではなぜ自分自身を認めていくことが難しいのか、その理由はいつも「親は絶対に正しいものだ」と思い込まされてきたはずだからです。
自分の意見・考え方・感覚…それは本当に自分のものなのか
毒親育ちの人は自分の意見や感情・気持ちさえも、親に決められて生きてきています。
たとえば幼い頃に、
- 転んでケガをして痛いと言っても、親に「こんなの痛くない!」と否定される
- 何か自分独自の考えや意見を言っても、それが親の意に沿わないと「その考えはおかしい!」と否定される
- 自転車に乗るのが怖いと言っても、「こんなの怖くない!」と否定される
このようにいつも親から自分の意見や感情・気持ちを否定されて怒られ続ければ、
親の意見・考え方・感覚が、世界の全てだ
と思ってしまうのも無理ありません。
そうして判断能力の乏しい子供は、親の意に沿った意見や感情・気持ちを無意識に自分のものだと思い込んでしまいます。
しかしだからこそ成人した今、
「幼い頃は毒親の元で生き延びるためには、自分の意見や考え、感情や気持ちの全てを捨てるしかなかった」
この事実をしっかりと理解することが、毒親からの解放には必要不可欠なんです。
そして自分はもう、
「自分の意見や気持ちを頼りにして、精神的に一人で生きていけるんだ」
と気付くことから自立は始まっていきます。
自分には精神的に一人で生きていける力があるのか!?
「小象の鎖」という話を知っているでしょうか。
サーカス団で働いている小象は、いつも小さな杭と鎖につながれています。
何度も鎖を引っ張っても、逃げ出すことはできず、諦めていました。
しかし時が経ち、大人の象になっても自分の力で鎖や杭を引っこ抜いて逃げ出そうとはしないんです。
それは小象のときに
「自分には鎖や杭を引っこ抜いて、逃げ出せる力はない」
と学習していたためです。
こうなると、もう自分の力を試すことすらしなくなってしまいます。
これは学習性無力感といい、この現象が毒親育ちの人にも強く生じているんです。
「自分は変われる!」という感覚こそが、毒親からの解放の原動力になる
幼い頃に、
「自分は親の言う通りに従うことでしか、生きていけないんだ」
そう感じた思いは、確かに事実だったのかもしれません。
しかし成人した今、自分は誰の保護がなくとも一人で生きていけるようになっているはずです。
そして、
- 「自分は毒親育ちだった」
- 「もう親の不機嫌の責任をとらなくていいんだ」
- 「もう親に自分の気持ちを分かってもらう必要なんてないんだ」
こうした自分を毒親から解放できる知識を得られたのなら、あとは小象と同じく、勇気をもって鎖と杭を試しに引き抜いてみることです。
少しずつ一歩ずつでいいんです。
焦らず自分のペースで進めていきましょう!