- 自分を自分たらしめているものとは何なのか
- 会社を辞めたら、自分とは何者なのか分からなくなってしまった
自分の置かれた環境が突然大きく変わるなどして自分を見失ってしまうことは、大きなストレスになりやすいものです。
本記事では、「本当の自分とは何か」を探るための方法について解説していきます。
「本当の自分とは何か」を見つける方法
「本当の自分」を見つけるための方法として、本記事では主に下記の2つの方法を紹介します。
- 役割とは無関係な「自分の特徴」を知る
- そのままの自分を受け入れてくれる人間関係の中に所属する
この2つを知る上で重要なことは、自分の中の中心となる「自我」を自分がどのように肯定していけるかという点なんです。
1.役割とは無関係な「自分の特徴」を知る
「本当の自分とは何か」と言われると、大抵の人は社会的な立場や自分の役割を答えるのではないでしょうか。
- 自分とは○○会社の社員
- 自分とは○○の夫(妻)
- 自分とは○○という職業
特に男性の場合は、女性に比べて
「所属している会社(組織)」
「肩書・役職」
を自分の拠り所とする強い傾向があります。
たとえば、「あなたのことを教えてください」と聞かれた場合に、
「私は、○○会社の社員です」
と答えてしまういう具合です。
そのため自分が他者を見定める時も、その相手の勤め先や役職を基に相手が何者であるかを推し量りがちです。
それだけ、所属・肩書は自分を定義する上での影響力がかなり大きい要素ということになります。
これは同時に、所属・肩書だけに自己評価を依存するのは危ういと言うことです。
もし他者から必要とされなくなったり、評価されなくなったら、自分の存在意義も同時に見失ってしまう可能性があるからです。
そのため、社会的な立場や役割とは無関係な「自分の特徴」で自分の定義を考えてみる必要があります。
たとえば、
- 「私は、論理的に物事を考えるタイプです」
- 「私は、何事もしっかり計画を立てる計画です」
- 「私は、細かい作業が得意です」
これらも立派な自分とは何かを定義する要素になります。
結局、役割でしか自分を定義できていないから辛くなってしまうんです。
また「自分とは何か」と考える際に、自分という概念を指す「自我(アイデンティティ)」という言葉があります。
これは本当の自分とは何かを知る上で、ぜひ押さえておいてほしい言葉です。
>>>自分のアイデンティティとは?|その意味と種類をわかりやすく解説!
自分とは何かを指す「自我」とは
自分を自分たらしめているもの、それが自我です。
ここでは自我のコアな部分について見ていきましょう。
人はその状況や立場によって色々な役割を使い分けていますよね。
- 上司としての自分
- 部下としての自分
- 親としての自分
- 子供としての自分
- 先輩としての自分
- 後輩としての自分
その都度、人は状況に合わせて役割を無意識に切り替えています。
ここで考えてみて欲しいことは、それら役割がなくなった時、自分に何が残るかということです。
たとえば、
「会社員として働いていたが、無職になってしまった」
→ 「〇〇(役職)としての自分」
「労働者としての自分」を喪失してしまう
このような場合に、
残った自分(コアの自我)にどんな価値を見出せるか
これが「本当の自分とは何か」の答えの一つとなります。
ここでしっかりとお伝えしておきたいことは、この「残った自分(コアの自我)」が希薄だと、どうしても役割に依存しやすくなるということです。
それはその役割自体を、自分の自我そのものだと思い込んでしまうからです。
そうすると役割が消えると一緒に、自分の自我まで崩壊してしまいかねません。
これはアイデンティティクライシスと呼ばれる現象です。
>>>アイデンティティクライシスとは?|その辛さを乗り越える方法
また、このような事例は決して特別なことではありません。
例えば、自分という存在の定義を「大企業の部長」という役割に過度に依存している人は、リストラや配置転換などで容易に自分を見失ってしまうリスクがあります。
場合によっては自分の存在意義を見失い、自ら人生に幕を引いてしまう、そのような可能性もあるわけです。
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2.ありのままの自分を受け入れてくれる人間関係の中に所属する
自分とは何かを定義するには、どうしても他者からの評価が必要になります。
人は皆、成長の過程で他者からの評価を元に、
「自分とはこうゆう性格、人間だ」
ということを認識していきますよね。
たとえば、自分という存在を定義する際、自分の周りの他者が、
- 「あなたは意志が強いね」と自分を良く評価するか
- 「あなたは頑固者だね」と自分を悪く評価するか
が自己評価に大きく影響します。
ということは、ありのままの自分を肯定してくれる他者が周囲にいれば、自分に対する評価も変わってくるということです。
基本的に自分一人だけでは、自分という存在をきちんと定義できないわけです。
それは自分一人の頭の中だけで、自分とは何かを自己分析したとしても、それはどうしても限定的な定義になってしまうからです。
限定的な定義になってしまうと、小さな挫折をきっかけに自己評価が揺らぎやすくなります。
自我を喪失していると他者に振り回されやすくなる
今の自分を肯定してくれない他者と多く長く接していると、自分自身や行動に自信を持てなくなりやすいです。
たとえ自身の考えや価値観を持っていたとしても、それに自信を持てなければ、自分の自我を確立しにくくなってしまうわけです。
これは、
「自我が希薄 = 自分の基本的な行動指針があいまい」
ということです。
その結果として、他者に自分の行動を合わせてしまうシチュエーションが多くなります。
そうすると、ますます自分は本当はどうしたいのかが分からなくなるという悪循環に陥りがちになります。
それから抜け出すためにも、自分の周りの人間関係はとても重要になってきます。
本当の自分とは何かを見つけるためには
本当の自分とは何かを見つけることとは、コアとなる自我の周囲に
「あれが足りない」
「これが足りない」
と役割を追加して作り上げていくものではありません。
逆に、コアとなる自分の周囲にくっついている「色々な役割」を削り取っていって作り上げていくものです。
たとえば、会社員、妻(夫)、部下などの役割を失ってしまったとしても、下記のような自分は残っているはずです。
- 自分とは、〇〇さんの良き友人
- 自分とは、〇〇の趣味の分野に詳しい人
- 自分とは、料理のバリエーションが多い人
これらも立派なコアとなる自分なんです。
たとえ何か社会的に価値のある役割を持っていなくとも、あなたには価値があります。
社会的な役割が少ない時にこそ、今の自分を構成しているものを見つける絶好の良い機会になるはずです。