自分勝手な人や図々しい人に好かれやすい自分がイヤになる
他人に依存されやすいと、束縛されたり自分の時間を失ったりで本当に嫌になってしまいますよね。
しかし、なぜだか相手のことを突き放すこともできずに一人で悩み苦しんでいませんか。
本記事では、依存されやすい人の特徴とその原因、そして対処方法について解説していきます。
依存されやすい人に共通した特徴とは?
依存してくる人というのは、誰でも適当に相手を選んでいるわけではありません。
必ず言うことを聞いてくれそうな人を見定めて接してきます。
そして、そんな相手から依存されやすい人の主な特徴には、下記にようなものがあります。
- はっきりと自己主張ができない
- 迷惑な相手でも突き放すことに罪悪感を抱いてしまう
- 相手からの無理難題や頼みごとをきっぱり断れない
- 自分より相手の気持ちや都合を尊重しすぎてしまう
- 人から嫌われることを極端に恐れてしまう
- 人から頼りにされることを気持ちいいと感じる
ではなぜ依存されやすい人は、そもそもこのような特徴を持っているのでしょうか。
その理由をきちんと理解することが、他人に振り回されやすい自分を変える近道になるんです。
依存する人もされる人も、実は表裏一体
「なぜ自分は依存してくる人から逃れることができないのだろうか」
実は依存されやすい原因は、自分の側にも依存心が強くあるからなんです。
依存心があるからこそ、相手の依存も受け入れてしまいがちになります。
そして無意識下では「自分も誰かに依存したい」という気持ちを持っていると考えられるわけです。
こうした依存心が強い者同士が、お互いに依存し合う関係性は「共依存」と呼ばれています。
>>>共依存に陥りやすい人に共通する特徴|束縛し合う関係性の乗り越え方
「いままで自分は人を頼らずに、一人で頑張ってきた!
だから自分には、依存心などないはずだ!」
そう感じる人も少なくないと思います。
ただ、そうした人は誰かに物理的に甘えたり、頼ったりは確かにしていないかもしれませんが、
- 誰かの役に立って感謝されたい
- 努力した分、自分のことを認めて褒めてもらいたい
- 自分の辛さや苦しさを理解してほしい
このように自分でもそれを依存と意識せずに、他者に「〇〇してほしい!」と心の中で要求をしてしまっている場合があるんです。
依存されやすい人の特徴とその原因
自分勝手な人や図々しい人に好かれてしまう原因は、何なのでしょうか。
その原因は、依存されやすい人の特徴から見えてきます。
相手の頼みごとや好意を断ることに罪悪感を持ちやすい
- 「小さな頼みごとでも断れない」
- 「異性からの好意を無下にできない」
依存されやすい人は、他人に嫌われることを極端に恐れる傾向があります。
それは相手の意に沿わない態度をとることを、
「相手を否定して不機嫌にすること」
だと思っているからです。
その理由は、幼い頃から親の頼みごとや善意を断ると、怒られたり責められたりして罪悪感を抱かされてきたはずだからです。
「あなたのためにやろうとしているのに、なぜ言うことを聞かないのか!」
このように幼少期からずっと責められ続ければ、
「親や他者の気持ちを満たさずに、自分の意志や気持ちを優先することは良くないことだ」
と思い込みやすくなります。
この心理が、他人の頼みごとや善意を断ることに罪悪感を持ちやすい原因になっているんです。
相手の都合や気持ちに共感しすぎてしまう
「自分は嫌でも、相手が話を聞いて欲しがっていたら、無理をしてでも相手に付き合ってしまう」
依存されやすい人が相手の都合や気持ちに共感しすぎてしまう理由は、
自分の気持ちと相手の気持ちをはっきりと区別できなくなっている可能性があるからです。
相手の気持ちに共感しすぎるというのは、良く言えば「何でも自分事として、捉えることができるというスキル」と考えることもできますよね。
しかし実態は、
「相手の気持ちをいつも優先して気を遣わなければ、嫌われてしまう」
という恐怖心が原動力になっている場合が多くあるんです。
そして相手の気持ちに意識を向けているとき、自分の気持ちは心の奥底に追いやられてしまっているわけです。
これは自分と他人の心の境界線(自他境界)があいまいなために生じる現象です。
この自他境界があいまいだと下記のようなことが起きやすくなります。
- 「自分は相手の気持ちを正確に理解できる」と一方的に思い込みやすい
- 他人の不機嫌や怒りの原因が、自分にあると感じやすい
- 自分の辛さや苦しみを、他人は理解し把握できるはずだと思いやすい
こうした自他境界のあいまいさは、精神的に自立できていない場合に特に起こりやすいものです。
>>>「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?
誰かの役に立つ自分でないと存在価値がないと感じる
「誰からも頼りにされなかったり、誰かの役に立っていると実感できないと怖くなる」
誰かの役に立つ自分でないと価値がないと感じてしまう場合、それは無意識下で、
「自分の存在価値は、他人が決めるものだ」
と思っていることになります。
本来、人はみな誰かの利益にならなくても存在価値はありますし、気が合うという理由だけで友人関係にもなれるものです。
しかしありのままの自分に自信がない場合、脅迫的に人の役に立ちたい、人から頼りにされる存在になりたいという思いを持ちやすくなります。
そうなると自分に一方的に依存してくるような、自分勝手で図々しい人を突き放せなくなってしまいます。
そして逆に自分こそが、
「相手から嫌われたくない、役に立たない人だと思われたくない」
と相手に依存することになってしまうわけです。
それでは依存されやすい人は、一方的に依存してくる人に対して何もできないのかというと、そんなことはありません。
自分自身の心理を深く知ることで、相手への依存心は弱めていけるものです。
スポンサーリンク
一方的に依存してくる人への対応法
依存心が強い人の場合、そうした自分を変えていくにはやはり時間がかかるものです。
しかし一方的に自分に依存してくる人に対して、対処する方法はあります。
罪悪感の正体を理解する
他者の頼みごとや好意を断ることを「罪」だと思っていると、そんな自分のことを自分で責めてしまいます。
ではなぜ自分のことを責めてしまうのでしょうか。
そもそも罪悪感とは、感情ではなく「思考」なんです。
罪悪感が生まれるのは、本当の気持ちや感情から自分自身をごまかすためです。
たとえば職場で同僚がみな残業しているときに、自分だけ定時帰宅できるような場合、
本当は嬉しいけれど、少しでも嬉しそうにしていたら同僚から冷たい視線を浴びるかもしれない
このように感じていたとします。
そんなとき、その嬉しい気持ちを無意識に心の底に押しやることで、
嬉しいという気持ちが「みんなに悪いな」という思考である「罪悪感」にすり替わるんです。
そうした方が精神的に楽で、心への負担も少なく済むからです。
つまり本来は自分の気持ちを自分自身から隠す必要なんてないわけです。
本当の自分の気持ちに気付くことが、自立への一歩になる
依存されやすい人の特徴として、依存してくる相手に対して、
- 「嫌だ」
- 「相手の話なんて聞きたくない」
- 「自分の都合を一番に優先したい」
こうした自分の中の本当の気持ちを、
- 「冷たく断ると、関係性が悪くなるかも」
- 「少しくらい相手の都合を考えてあげるべきだ」
という思考にすり替えて、自分自身から本当の気持ちを隠してしまう傾向があります。
自分の本当の気持ちが分からないからこそ、
「その相手とどうなりたいのか」
も分からないため、相手を突き放すこともできずに悩み苦しんでしまうわけです。
だからこそ、まずは自分の本当の気持ちを探って理解していくことが、依存心を弱めて自分自身を大切にできるようになることにつながっていくんです。