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相手の顔色を気にし過ぎてしまう
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場の空気を読み過ぎてしまう
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相手のメールの文面の裏の意図を勘ぐり過ぎてしまう
不安になると、無意識に人の気持ちを勘ぐってしまうと本当に疲れ果ててしまいますよね。
本記事では、他人の気持ちを勘ぐりすぎてしまう原因と、それを軽減するために必要な考え方について解説しています。
他人の気持ちを勘ぐるようになった経緯とその原因が分かれば、まずは自分が
「今、深読みをしている」
と気付くことができ、改善への大きな一歩を踏み出せるはずです。
人の気持ちを勘ぐりすぎてしまう根底にある心理とは
人と接するたびに、他人の気持ちや場の空気を完璧に読もうと頭をフル回転させ、疲れ果ててしまっていませんか。
それには人間不信が大きく関わっています。
そして、その人間不信には大きく2つのパターンが考えられます。
1.もともと人間不信ではなかったケース
友人や恋人の裏切りなどで、人を信じられなくなったケースです。
もともとは人に不信感を抱かずに過ごしていた人は、時間とともに回復することも考えられます。
2.幼い頃から他者を信じ切れていないケース
幼い頃から基本的に他者に対して不信感を抱き続けているケースです。
他人に心を許すことに抵抗を感じやすく、また成長して友人や恋人の裏切りがあれば、もともと持っていた人間不信をより強固にしてしまう恐れがあります。
本記事では、このタイプの人が陥っている人間不信についてお伝えしていきます。
なぜ相手の気持ちを「勘ぐりすぎ」てしまうのか
一般的に、いつも相手の気持ちや場の空気を読む人は
- 「相手を尊重し、思いやりがある」
- 「自分の置かれた立場を把握できている優秀な人」
という評価を受けやすいかもしれません。
しかし、「相手の気持ちを勘ぐりすぎて疲れ果てる人」の場合、 深読みをする、その主たる動機は決してポジティブな理由ではありません。
本当の理由は「自分を守ること」なんです。だからこそ疲れ果ててしまうんです。
では、なぜ勘ぐりすぎてしまうのでしょうか。
勘ぐりすぎる理由1:不安が強いから
まず一つ目の理由は、不安が強いからです。
- 人から嫌われたくない
- 失望されたくない
- 孤立無援になりたくない
「もし相手の気分を害したりしてしまったら、嫌われて孤立してしまうかもしれない」
ちょっとしたきっかけで、相手との関係性が崩れてしまうのではないかという、その不安から逃れるための方法の一つとして、考え込むようになったわけです。
誰でもこうした不安はありますが、勘ぐりすぎてしまう人は、それが人一倍強いのです。
それは、心の底に人間への基本的な不信感があるからです。
勘ぐりすぎる理由2:他者イメージが不安定だから
対人関係において抱く不安の強さは、自分がどのような「他者イメージ」を心に持っているかで変わってきます。
他者イメージとは、
- 他者とは、自分が優しくすれば、相手も優しくしてくれる存在だ
- 他者とは、いつ突然に不機嫌になるか分からない不安な存在だ
という自分の心の中の他者全般に対するイメージことです。
この他者イメージは成長していく過程で主に、親を通じて構築されていきます。
基本的に他者のことを自分の味方だと思える場合、それは心の安全基地として精神的な支えになるものなんです。
そして誰しもがこの他者イメージを基にして他者を推し量り、自分の接し方を決めていきます。
たとえば、
「人間とは、困っている時に手を差し伸べてくれる存在だ」
という他者イメージを持てる人もいれば、
「人間とは、何か対価を渡さなければ、助けてくれない存在だ」
という他者イメージを持つ人もいます。
しかし問題なのは、こうした良くも悪くもきちんと『安定した』他者イメージを「持てなかった」場合です。
それには下記のような原因が考えられます。
- 親の態度に一貫性がなかった場合
- 親の顔色を読んであげないといけない場合
- 自分が生まれつき敏感で、あいまいさを苦手とする場合
上記のような場合、その人は自意識過剰に陥り、人を信じにくくなってしまう傾向があるんです。
1.親の態度に一貫性がなかった場合
たとえば、
- 同じ出来事に対して、ある時は叱られ、ある時は許されたりする
- 親の気に障ると、不意打ちで否定されたり、怒鳴られたりする
- その日、その時によって、親の態度や機嫌が違い過ぎる
このように、しつけや態度に一貫性がない場合、子供は、親(人間)に対する安定したイメージを作り上げることが難しくなります。
2.親の顔色を読んであげないといけない場合
- 子供が「これ食べたい」と言うと、「好きにしなさい」と不機嫌な態度で言う
- 「どうしてこんな事したの!」と聞くが、理由を言うと「言い訳するな」と言う
このような場合、子供は言葉通りの意味で受け取って反応しても叱られてしまいます。
そのため親の本当の意図が何なのか分からず、混乱します。
そして親のわずかな態度や仕草、声のトーンから、本当の意図を懸命に考え込んでしまうクセがつきます。
その時々で、言葉で言ったメッセージを鵜呑みにすると怒られる時もあれば、褒められる時もある。
それにより、親(人間)のイメージ像を明確にすることが出来にくくなります。
3.自分が生まれつき敏感、曖昧さを苦手とする場合
これまで説明した2つの場合のように、他者イメージが不安定な理由はいくつかあります。
- 親の接し方に主因がある場合
- 子供の生まれつきの資質(安定した他者イメージを構築しにくい資質)に原因がある場合
特に子供は物心が付くまで、家と外の区別がきちんと出来ない事も多く、家と外での親の接し方の違いに戸惑うこともあります。
また親のちょっとした仕草や声のトーンの違いを敏感に感じ取ってしまい、混乱することも一因と考えられます。
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これ以上勘ぐりすぎないために出来ること
「自分は相手の気持ちを正しく読めている」という過信に気付く
自分がいくら他人の気持ちを読んでいるつもりでも、実際は正しく読めていないことの方が多いはずです。
なので、きちんと自分と向き合ってくれる人なら、不安に感じたことを直接本人に聞いてみる、というのも一つの手です。
「相手の気持ちは、相手に聞いてみなければ分からない」
ということが、自他の境界線をしっかりと引けていないとわからなくなってしまいます。
この「境界線」については、「「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?」の記事でも説明しています。
そう言われても、それがすぐに出来たら苦労しないですよね。
なので、まずは
「態度や仕草などで、間接的に自分の意図を伝えようとしてくるタイプの人とは、自分は相性が悪い」
ということを意識して、可能な限り、距離をとるようにすることが、最低限の対策になります。
焦らず、少しずつ取り組んでいきましょう。
関連記事>>>他者の不機嫌を自分のせいだと思ってしまう理由