「自分の適職が分からず、働く意欲がわいてこない…」
「頑張ってようやく今の仕事に就いたけど、もう辞めたくてしょうがない…」
真面目に仕事をしていても、怒られたり傷ついたりすることが多いと、HSPの人は特に働くこと自体がイヤになってしまいやすいですよね。
本記事では、仕事が長く続かないと悩むHSPの方が陥りやすい3つの思い込みと、その対処方法について解説していきます。
HSPで仕事が長く続かない人が陥りやすい3つの思い込みとその対処法
HSP気質が強い方は、きちんと原因を深く考えることができる人が多いようです。
しかし、だからこそ一つの物事に対して「こうに違いない!」という思い込みを抱きやすい傾向もあるんです。
本記事でお伝えする、HSPの人が陥りやすい思い込みは下記の3つです。
- 自分に合った職種にさえ就ければ、長く働けるはず
- 職場に苦手な嫌な人さえいなければ、長く働けるはず
- 自分のペースで仕事を進められさえすれば、長く働けるはず
HSPの人は、繊細で多くの様々なことに気を遣うことができる優れた特性をもっています。
そしてそれは同時に、「いろいろなことがストレスの原因になりやすい」とも言えてしまうものです。
>>>【HSP】仕事を辞めたい…けど辞めるのが怖い人に伝えたいこと
そのため仕事が長く続けられない原因は、いくつかあることが多いんです。
1.自分に合った職種にさえ就ければ、長く働けるはず
ネット上で「HSP 仕事」などと検索すると、
- HSPの人の適職は〇〇です!
- HSPの人が苦手な仕事に就いても長続きしないですよ!
このような内容のものが多い傾向がありますよね。
確かにそれは事実の1つではあると思います。
しかし、本当にそれが全てなのでしょうか。
HSPに限らず、どんな人でも1つの仕事が長く続かないとき、その主な理由には、
- 職種(仕事内容)自体が合っていない場合
- 仕事上の人間関係がストレスになっている場合
この2つが大きくあります。
そして多くの人は、自分で気付いている・いないに関わらず、人間関係が問題となっていることがほとんどなんです。
仕事の本質とは、職種(仕事内容)ではなく人間関係
これは極端なたとえ話を考えてみれば分かりやすいです。
- どんなに自分が嫌いで不得意な仕事でも、職場が良い人ばかりなら続く
- どんなに自分が好きで得意な仕事でも、職場にすごく嫌な人がいたら続かない
これまで悩み苦しみながら必死に働くということと向き合ってきた人なら、感覚的に気付いているのではないでしょうか。
つまり、仕事というのは
仕事=職種(仕事内容)ではなく、
仕事=人間関係
と捉えた方がHSPの人にとっては現実的なんです。
一般的に言われている「適職」という言葉の中には、その仕事の中で関わる人達との相性のこともしっかり含まれています。
よって、仕事の作業内容だけを見て、自分に向いている適職を見つけることはとても難しいと言えるんです。
>>>【HSPの人へ】怖くて働けないというトラウマを乗り越える方法
その仕事で接する人はどんな人達なのか、イメージできる?
自分に合った業務内容の仕事を探すことはもちろん大切です。
ただそれと同時に、その職種で働くとは具体的にどんな人達と接する機会が多そうなのかをイメージしたり調べてみたりすることも同じくらい大切なことです。
そして、
- 自分はどんな人に対して苦手意識を持ちやすいのか
- どんな自分(何度もミスする自分など)が嫌になってしまいやすいのか
そういったことを深掘りしてみることが、本当の意味での適職を見つけることにつながるはずです。
特にHSPの人は他人の感覚にすぐに共感できやすい分、周りの人に対して過度に
「自分の苦しさも理解してほしい」
と無意識に望んでしまっている場合も多くあります。
>>>「自分の辛さをわかって欲しい」人が、実は本当に望んでいるもの
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2.職場に苦手な嫌な人さえいなければ、長く働けるはず
誰にでも「苦手な人」っていますよね。たとえば、
- 命令口調で話してくる人
- 自分にだけ何となく態度が冷たい人
- プライベートなことを何でも聞いてくる人
そんな中で、HSPの人はそうした苦手な人達のことを往々にして
- 自分のことを嫌っている
- わざと嫌だと思うことをしてくる
という「敵か味方か」で言うと、敵だと感じてしまいやすい傾向があります。
これはつまり、他人の機嫌に特に敏感な人は、
「相手は自分のことを嫌っているに違いない!」
と深読みして断定してまっている可能性が高いんです。
>>>「私、嫌われているかも」と悩むのは、自他境界の曖昧さが原因!?
苦手な人は本当に自分を嫌っているのか!?
HSPの人に限らず、仕事のやり方が自分と違う人のことは誰しも受け入れがたいものですよね。
たとえば、
- せっかちな人は、マイペースな人に対してイライラしやすい
- ゆっくり丁寧な作業をする人は、質よりもスピード重視で作業をする人に対してイライラしやすい
このように、たとえば何事も大雑把な人から見れば、HSPのような敏感な人のことは
「細かいことにこだわりすぎている」
そのように感じてしまうシーンもあると考えられるんです。
つまり、自分にとって、
- 性格が極端に合わない人
- あまりにもストレスが強い人
これらの人を除けば、自分が深読みしていた苦手な相手は、決して悪意があったり意地悪をしていたわけではないことも十分考えられるんです。
苦手な人を避けることは確かに重要なことです。
しかし、苦手とまでは言わなくとも、
「他人の何気ない一言に傷ついてしまった」
そんなときも、他人への見方を少しずつでも変えていけば、相手を不用意に恐れる気持ちも少しずつ変わっていくはずなんです。
>>>なぜ自分の周りは嫌な人ばかりなのか?辛い現実を直視する方法
3.自分のペースで仕事を進められさえすれば、長く働けるはず
「いつも仕事は100%の全力を出し切らないと、周りのスピードについていけない…」
「一日の仕事が終わると、同僚は元気なのに自分だけクタクタ…」
そんなとき、もしもマイペースに作業を進められる仕事だったら、きっと今より長く続けられそうと感じませんか。
ただ、もし自分にとってのストレスの源が人間関係だった場合は、いくら業務量が少ない仕事に就いても、ストレスがすごく軽くなるということは期待しにくいんです。
仕事でクタクタになってしまう原因
そもそも仕事でクタクタになってしまう原因の1つには、実は自分と他者は根本的な価値観が違うことから心理的に摩擦が起きている可能性が考えられるんです。
たとえば、自分は
- 同僚との雑談よりも、仕事の作業効率の方が大事
- 給料よりも、やりがいが大事
- 誰に責任があるのかハッキリしているべきだ
こうした価値観や考え方をしていたとします。
そして、ほとんどの人は誰でも
「多くの人も自分と同じ価値観を持っているはず」
と無意識下では信じているものです。
しかし、HSPではない人の中には
- 仕事の作業効率よりも、同僚とのコミュニケーションの方が大事
- 仕事のやりがいよりも、給料が一番大事
- 誰が責任者かはできるだけ、あいまいにしておきたい
このように、仕事をする上での価値観や考え方が全く異なっていることが結構あったりします。
HSPの人はこうした価値観の違いに気づけずに、無意識に周囲と摩擦を起こしてしまっている場合があるんです。
これではどんなに自分に合った適職に就いたとしても、ストレスが溜まってしまいますよね。
まとめ:HSPで仕事が長く続かない場合の対処法
HSPで1つの仕事が長く続かない場合の対処方法は、
自分の特性や思い込みをしっかり把握した上で、少しずつ何かを諦めていくことです。
これはたとえて言うなら、今の仕事や将来就きたい仕事をする上で、
「どうしても苦手な人や作業があったのなら、きっぱり辞めてもよい」
ということを自分に許してあげるということです。
自分に厳しくても報われない現実は多い
HSPの人は自分に厳しい傾向がありますよね。
自分の特性や思い込みを、頭では理解していても
- 「新しい仕事を短期間で辞めるなんてダメだ」
- 「苦手な人がいても、他の多くの人はみんな我慢して頑張っているはずだ」
そうして自分で自分を追い込んでしまいがちです。
けれど、結果的に体調を崩して仕事を辞めざるを得なくなってしまっては、
- 「短期間で辞めてしまった自分にもう自信がもてない」
- 「転職しても、また急に辞めることになって迷惑をかけてしまうのではないか」
こうした不安が強くなり、より働くことから遠のいてしまいがちになってしまいます。
それは本当に本当にもったいないことです。
完璧な働く人生を送る必要なんてないんです。
- 「フルタイムでなくとも、短時間勤務から始めよう」
- 「立派な収入を得られなくても、まずは良しとしよう」
- 「1週間働いてみて、あと1ヵ月も働くのは辛すぎると感じたなら、辞めたいと相談してみよう」
何か小さなことを1つずつでも自分に許してあげることから、生きやすい人生は始まっていくはずです。
どんなに小さな一歩でもいいんです!
HSPだからこそ、自分のことも大切な人と同じように少しずつ接していきたいですね!