- 「投影同一視って具体的にどうゆうこと?」
- 「どうすれば、自分も投影同一視をしているか気付けるのか」
投影同一視って具体的にどうゆうことなのか、イメージすることが難しいですよね。
本記事では、投影同一視について分かりやすく解説していきます。
投影同一視とは、分かりやすく言うと
投影同一視とは、分かりやすく言うと、
「完璧な良い自分」になるために、自分の嫌な面を他人に押し付ける心理
のことです。
つまり、自分の心の中だけで「自分の嫌いな部分」を処理できずに、他人を巻き込んで解消しようとしてしまう心理のことを言います。
こう聞くと
「投影同一視をしている人って、すごく自分勝手でイヤな人っぽい」
という印象を抱く人もいると思います。
しかし、投影同一視とは「自分の心を守るための心理」とも言えるものです。
なぜ投影同一視が生じるのか
そもそも、なぜ投影同一視というものが生じるのでしょうか。
投影同一視という自分の心を守るための仕組みが働くのは、
- 非常に強いストレスが掛かったとき
- 自分の一部分を「悪い自分」として強く嫌悪したとき
このような状況下で起きやすいものです。
これは例えば、
- 新入社員の時
空気を読めずに飲み会をドタキャンしてしまい、あとから上司や先輩から白い目で見られた。 - 幼少期
自己主張すると親から怒鳴られた(悪い自分)けど、「何でもいいよ」というと親に褒められた(良い自分)。
分かりやすく言うと、
- 他人に否定されるのは、悪い自分
- 他人に肯定されるのは、良い自分
と無意識に思い込んでしまっているということです。
では、このような状況に陥った時に、人の心はどのように働くのでしょうか。
「悪い自分」を受け入れず切り離した
他者から強い怒りや嫌悪感を感じてしまうと、自分自身を強烈に否定してしまい、その自己否定、自己嫌悪に耐えられなくなります。
すると、心は自分を守るために、失敗した自分を「悪い自分」として無意識に切り離してしまいます。
その結果、自分自身を
「失敗をする悪い自分」
と
「失敗しない完璧な自分」
という別々のものとして捉えるようになります。
この自分のことを悪い面と良い面の2つに分けてしまう仕組みは、心理学で「スプリッティング」として知られています。
>>>スプリッティング(分裂)とは?葛藤から自分を守る心理について
つまり、「良い自分」だけが自分だと思い込むことで、自分を守っていたということなんです。
他人に映った「悪い自分」にイライラするようになる
スプリッティングにより、「悪い自分の部分」を無意識下に抑圧している状態というのは、とてもエネルギーを消費します。
そのため、段々と「悪い自分」を自分の中だけで抱え込んでいられなくなります。
そして、徐々に「悪い自分」が周囲の他人に投影されていきます。
それは、まるで他人が「元々自分が持っていた悪い部分」を持っているように感じてしまうということです。
その結果、自分が認めたくない自分の悪い部分を他人に押し付けることによって、自分だけは「良い自分」でいられるようになります。
つまり、自分一人では「自分が認めたくない部分」を持っておくことも拒否することも出来ない。
そのために、「悪い自分」を他人に引き取ってもらって解消するというのが、投影同一視というものなんです。
スポンサーリンク
自分がどんな投影同一視をしているかを分かりやすく確認する方法
ここまで読んだ方は
- 「自分も他者に対して投影同一視をしているはず…」
- 「自分はどんな自分を「悪い自分」と思っているのか知る方法はないのか」
と思っているかもしれません。
具体的にどんなことを他人に投影同一視しているのか、一番分かりやすく気付くポイントは
- 「イライラする他人の特徴」
- 「毛嫌いしていること」
です。
例えば、こんな人になぜか腹が立ったりしませんか。
- テキパキ動かない
- 他人の悪口を言う
- 人によって態度を変える
- 努力をせずに遊んでばかり
これらは裏を返すと
- 本当は、自分がテキパキ動くことが出来ない人
- 本当は、自分が他人の悪口を言いたい人
- 本当は、自分が相手によって態度を変えてしまう人
- 本当は、自分が努力が嫌いな人
この「本当は、自分が〇〇な人」というのが、過去に自分が「悪い自分」として無意識下に抑圧した自分の一部分と言えるものです。
「悪い自分」と向き合えないと、どんどん周りに腹が立つ人が増えてしまう
どんな人でも、大なり小なり投影同一視を無意識に行っているものです。
しかし、そもそも自分の一部分を「悪い自分」として切り離してしまったのは、
「悪い自分では、他者から受け入れてもらえない、愛されない」
という強烈な恐怖心を抱いてしまったからです。
少しずつでも、この「悪い自分」を自分自身が受け入れていくことで、投影同一視は軽減されていきます。
そして、それは
「例え○○な自分でも、周囲の全員が自分を嫌って離れていくわけではない」
という気付きや、生きづらさの軽減にもつながっていくものです。