「やらなければならないことがあるのに、何もやる気が起きない」
無気力な状態から何とか脱出したくても、なかなか抜け出せず、「なぜなのか」と悩んでいませんか。
本記事では、無気力に陥ってしまう原因とその脱出方法について解説していきます。
無気力になる原因は、心の底から人生を楽しめていないから
無気力になるのはなぜでしょうか。
その答えの一つは、日々楽しいと感じることができていないからです。
人間のエネルギー源は「感情」なんです。
例えば、「旅行に行こう!」と考え、具体的に準備をし始めた時から、ワクワクの感情が生じ、それが人生における生きるためのエネルギーとなります。
つまり、楽しいことをやらない人生では、必然的にエネルギー切れ=無気力になってしまいます。
まず「自分が辛いこと」を認めてあげること
- 仕事が辛いけど、この程度のことで辛いなんて、自分は甘ったれているのかも
- やらなければならないと分かっていても、どうしてもやる気が出ない
このように思考と心が対立していることは、とてもストレスが大きい状態です。
そして、誰が何と言おうが、まずは
「自分はいまの無気力な状況が辛い」
そう感じていることだけでも受け入れてみましょう。
意志の力だけではどうにもならない辛さを認められないと、自分をどんどん追い込むことになってしまいます。
そもそも無気力になるのはやるべきと思っていることに対して、自分の気持ちが全く追いついていないからです。
「無気力を克服したい!」というその思い自体が無気力を招いてしまう
無気力を克服するために絶対にしてはいけないこと、それは「頑張って努力すること」です。
その理由は、必死の努力をしないと出来ないことというのは、
「自分が得意ではない、興味がないこと」
だからです。
もし自分が本当に得意なことなら、努力せずとも人並みに出来ているはずです。
また、本当に興味のあることなら、努力しようと思わずとも自然と取り組んでいるはずです。
無気力状態というのは、心がストライキを起こしている状態とも言えるんです。
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無気力を克服するには、頑張って勇気を出して「努力をやめる」べき
逆説的ですが、無気力なときには一番やりたくないことを努力してやらなければなりません。
それは「努力をやめる」努力です。
これまで現実の人生を生きていくための努力として、
- 仕事や家事を頑張る
- 人間関係を良好に保とうと頑張る
このような努力をしてきた人も多いと思います。
しかし、それとは別の心理的に自分を守っていくための努力もしてきたはずなんです。
たとえば、
- 「自分には価値がないのではないか」という自己無価値感から逃れたい
- 常に向上し続けていないと「仲間外れにされるかも」という見捨てられ不安
- 人並みの人間だと認められたいという承認欲求
つまり、努力の裏にはこのような欲しい感情、逃れたい感情があるということです。
努力の裏に隠れているもの
さらに「努力」というのは、裏に「本当はやりたくない!」という気持ちが隠れているんです。
本当はやりたくないけれど、
- 人から嫌われたくないから頑張る
- 人から見下されたくないからから頑張る
- より多くのお金を得たいから頑張る
重要なのは、その努力が「本当はやりたくないこと」だときちんと自覚できているかどうかです。
それが分からなかったからこそ、自分がこれまでの人生、何のために頑張っていたのか分からなくなり無気力状態に陥ってしまった可能性があるんです。
自分に合った生き方だと、必死の努力は必要なくなる
ここで、これまでの自分の人生の経験を思い出してみてください。
周囲の人と比べて、それほど努力せずとも出来てしまっていたこと、逆に人一倍の努力が必要だったことってありませんでしたか。
- (学生時代は)数学は特に勉強しなくても良い点が取れた
- (学生時代は)社会は苦手で、いくら勉強しても分からなかった
- (仕事では)手順が決まった業務は得意
- (仕事では)臨機応変さが必要な業務は苦手
人一倍の努力が必要だったことって、自分に合っていないということなんです。
人生を諦めることも時には必要
無気力、すなわち無力感という感情を変えるには、まず思考を変える必要があります。
- 自分が努力しても出来ない事のこと
- 「どうして気力が沸かないのだろう」
こういったことを考える時間を意識して減らしていきましょう。
その上で、
- 「自分はこれまで必死の努力をもう十分してきた」
- 「自分は○○することが人よりも得意だったかも」
このようなことをより多く考えていく必要があるんです。
思考を変えることが出来れば、行動習慣も自然と変わっていきます。
そして、思考を変えていくためには、これまで人生で頑張って諦められなかったことを諦めることも必要になってきます。
>>>人並みの人生を諦めざるを得ない時…必要なのは諦め方を知ること
人はなぜ無気力になるまで諦められず、逃げることが出来ないのか
その理由は大きく3つあります。
1.「逃げる=悪」という価値観が原因
多くの人はそもそも「逃げる」という言葉に対して、ネガティブな印象を抱いているのではないでしょうか。
逃げるということは、他者からの冷たい視線に晒されるという恐怖もあります。
2. サンクコスト(埋没費用)という考えが原因
たとえば、これまでの人生で多くの時間と労力を割いて努力し、やっと今の年収を手に入れたとします。
そんなに頑張ったとしたら、たとえ辛くともそう簡単には諦められませんよね。
それは誰しもが、それまでに費やした時間や費用などを、意思決定の判断材料にしてしまう傾向があるからです。
3. 学習性無力感に陥っていることが原因
学習性無力感とは、簡単に言えば、
- 何をしても逃れられなかった経験
- 逃げたとしても、悪い結末しか想像できない
という過去の強い思いによって、行動を起こせなくなる現象のことです。
学習性無力感については、過去にこんなツイートをしました。
過去にメンタル不調で退職した時は
「どんなに頑張っても、自分には現状を変える力なんてない」
という無力感で一杯だった
けど、あとからそれは「学習性無力感」というものだと知った。そういう知識を知るだけでも、「自分の意志は弱いんだ」と自己嫌悪しなくなり、少し前向きな気持ちになれた☀️
— もちのん@生きづらさ研究家 (@mochinonc) December 26, 2019
これまでの人生で、
「逃げたところで自分には現状を打開できる力はない」
と感じた経験があると、逃げるという行動を起こしにくくなります。
人生がつまらなく無気力な状態を克服するには
無気力な状態から脱出するために最も効果的な方法は、
楽しいと感じることを日常に取り入れる
ことです。
自分が楽しいと感じることが分からない場合、その理由の一つに、
「絶対に失敗できない。失敗したら、人生終わってしまう」
という思い込みが無意識にあることが挙げられます。
この思い込みに気付けないと、人生が義務感でいっぱいの毎日になってしまいがちになります。
>>>「義務感で生きる人生・生活」を変えるには、新しい解釈が必要
そして、楽しいという感情を大切にすると同時に、どうしても辛くイヤなことからは上手く逃げるスキルを身に付ける(=小さな挫折の経験を積む)ことも重要です。
小さな挫折経験を思い出し、再検証する
では実際に、今から挫折をあえて経験しなければならないかというと、そんな必要はありません。
誰でも小さな挫折は経験しているはずですから、それを検証することでも上手く逃げるスキルを鍛えることができます。
たとえば、
「友人からの遊びの誘いを連続して断ったため、その人から一切連絡がなくなり、ショックを受けた」
という経験があったとします。
その経験から、これまでは
「誘いには時間を作らないと、友人関係は保てないんだ」
と思い込んでいたとしても、下記のように考えることもできるはずです。
- それによって、何か実質的な損害は生じたのか?
→特にはない。お金も失っていないし、ケガも負っていない - それによって、今現在も被っている損失はあるのか?
→特にはない。ということは別に無理して付き合う必要はないとも考えられる
このように、”冷静に”過去の小さな挫折経験を振り返ると、断る(逃げる)ことで得られたものもあったと気付くことができます。
恐怖感情が勝ってしまうと、「ここは逃げるべき」という合理的な判断ができなくなります。
そのため、「逃げても良かったんだ」という経験、イメージができるようになると、無気力になるまで頑張り続けることも少なくなるはずです。