自分のことを一方的に決めつける人が、嫌でしかたない!
誰でも勝手に自分のことを決めつけられると、嫌な気持ちになるものです。
しかし相手が上司だったりした場合、関わらないようにすることもまた、難しいものですよね。
本記事では、人のことを勝手に決めつける人が陥っている心理とその対処方法についてお伝えしていきます。
勝手に決めつける人に共通する「認知バイアス」の心理とは
認知バイアスとは、自分の心の状態によって生じる、ある種の思い込みのことです。
これは冷静にきちんと考えれば分かることでも、自分に都合よく物事を解釈してしまう心の仕組みになります。
そして認知バイアスには、様々な種類があります。
その中でも勝手に決めつける人に共通するものを、2つご紹介していきます。
確証バイアス ~自分のコンプレックスから目をそらしたい
確証バイアスとは、自分にとって都合のよい情報だけを集めてしまう心理現象のことです。
これは職場で数人だけしか有休を取っていないにも関わらず、
「職場のみんなが有休を取っている!」
と考えてしまう場合なんかが、これに当てはまります。
これが一方的に勝手に決めつける人の場合、この確証バイアスが自分のコンプレックスから目をそらすために使われていることがあります。
たとえば、
- (外勤をしている自分の大変さを分かってもらいたいため)
「内勤の人って楽そうだね」と決めつける - (自分の自慢話に対するリアクションが薄いため)
「あなたっていつも愛想がないね」と決めつける
このように自分が気に入らなかったり、自分のコンプレックスを刺激してくる「数人だけの特徴」から、その人を決めつけている傾向があります。
つまり勝手に決めつける人は初めから「批判したい」という意図があって、その正当化のために、
「自分の主張に都合のよさそうな特徴だけを集めて、断定している」
と考えられるわけです。
論理的錯誤 ~血液型や学歴などで決めつけてくる
論理的錯誤とは、「ある特徴」を持っている人は、それに関係する他の特徴も持っているはずだと判断してしまう心理現象です。
たとえば、
- (あなたは血液型がB型で、前に一度遅刻してきたから)
「B型のあなたは、いつも時間にルーズな性格に違いない」と決めつける - (学歴がないことと仕事の能力は、論理的に直接関係はないのに)
「学歴がないからミスが多いんだ」と決めつける
このように本来は関係性が分からない特徴同士を関連付けて、勝手に決めつける人の場合がこれに当てはまります。
こうした決めつけは、ラベリング効果という、
「誰かに一方的に決めつけられたことでも、人はそれを自分の中に取り込んでしまう現象」
があるために注意が必要です。
>>>ラベリング効果とは?生きづらい人生を楽にするための賢い使い方
勝手な決めつけは、モラハラにつながっている場合もある
自分のことを一方的に決めつけられることが、一度や二度ではなく何度も繰り返されている場合、それはモラハラの可能性があります。
モラハラ(モラルハラスメント)とは言葉による暴力を含む、精神的ないやがらせのことです。
もしもモラハラだった場合、こちら側が仮に「決めつけないでほしい」と伝えたとしても、何かと理由をつけてきて、相手は止めないでしょう。
それは「ダブルバインド」という会話パターンに陥っていることが考えられるからです。
>>>ダブルバインドとモラハラは密接な関係!その事例と対処方法
こうした場合は当事者同士では解決するのが難しく、上司に相談するなどの対処が必要になってくることもあります。
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勝手に決めつける人を受け流す方法
いつまでも相手に一方的に断定されたことにイライラしてしまっては、それだけで疲れてしまいますよね。
ではどのように決めつける人を受け流せばよいのでしょうか。
そのためには次の2つの方法があります。
1.「相手の決めつけ」と自分自身をきちんと分離して捉えること
相手に決めつけられて怒りを感じる理由の一つは、「相手に(悪い意味で)決めつけられたこと」で自分の存在価値が揺らいでしまったことが考えられます。
これは、
「自分の存在価値」と「他人の言葉」
という関係性のないもの同士の境界があいまいなために生じるものです。
本来、自分のことを他人がどう思っていたとしても、それは他人の心の問題です。
そして同じく自分の存在価値というものは、自分だけが決められるものであり、自分の心の問題なわけです。
しかし自分と他人の心の境界線(自他境界)があいまいな人の場合、決めつける人の言葉で自分の存在価値を決めてしまっていることが多くあります。
こうした自他境界があいまいな人は、他人からの勝手な悪い決めつけを真に受けてしまい、心に傷を負うことがあるんです。
>>>自他境界(バウンダリー)を引ける人と引けない人の決定的な違いとは
だからこそ、
- 「自分の存在価値」と「他人の言葉」には、全く関係性がないこと
- 自分は、自他境界があいまいな可能性があること
これらのことを意識しておくことが大切になるんです。
2.決めつけてくる相手に分かってもらうことをあきらめること
自分のことを勝手に悪く言われて、いつまでも怒りがおさまらない場合、自分はその相手に対して、
「勝手に決めつけているけど、本当の自分は違う!本当の自分を理解してほしい!」
という気持ちが隠れている場合があるんです。
これは自分のことを一方的に決めつける人に対してさえ、「認められたい、理解されたい」という気持ちがあるということになります。
しかしたとえ自分と長い付き合いの友人や恋人であったとしても、自分のことを100%理解してもらうことは不可能なことです。
70%理解してもらうことですら、怪しいところです。
ましてそうではない人なら、自分のことを50%分かってもらうことでも難しいでしょう。
実際はほとんど理解されないのが現実です。
だからこそ自分のことを知りもせずに勝手に決めつける人に、
「自分のことをきちんと分かってもらいたい」
と期待することは、あきらめた方が楽なんです。
>>>「自分の辛さをわかって欲しい」人が、実は本当に望んでいるもの
その相手とどうなりたいかで対応は変わる
誰でも一方的に、自分のことを断定されるのは嫌なものです。
ただその相手と、
- 穏便な関係を保ちたいのか
- 自分のことを少しでも分かってもらいたいのか
このどちらかによって、自分がすべき対応は大きく変わってくるはずです。
こうした「その相手とどうなりたいか」という気持ちがはっきりしていないと、結局は八方美人に振舞ってしまい、自分が一番苦しむことにもなりかねません。
そして決めつける人もまた、自分に自信がなくて心理的に溺れかけていたり、断定する言い方しかできない人でもあるわけです。
相手の言葉をどう受け止めるか、スルーするかは自分次第です。
自分こそが状況を変えられる力を持っていることを忘れないでください!