「明らかに他人のミスでも、なぜか自分が悪いと感じてしまう」
「他人の不機嫌をも全部自分が悪いと思ってしまう」
いつも自分のせいだと感じやすいと、そんな自分に嫌気がさしてしまいますよね。
そうなると、人と接すること自体が強いストレスになり、もう何もかもが嫌になってしまうのも当然です。
本記事では、何でも全部自分が悪いと考えてしまう本当の原因とその苦しさを軽くする方法についてお伝えしていきます。
全部自分が悪いと感じてしまうのは心の防衛反応
何でも全部自分が悪いと感じてしまう大きな原因は、自分の中にある、
「全部自分に責任がある」と思うことで、自分を守ることができる
という思い込みが大きく影響しています。
これは別の言い方をすると、意識では気付いていないだけで本心では全部自分が悪いとは思っていないということです。
「他人の責任を引き受ける」ことで自分が得ているものとは
さらに何事にも全部自分が悪いと感じてしまう原因の背景には、
「他人の責任をも背負う自分でなければ、人から受け入れてもらえない」
という恐怖心を気付かずに持っていることが可能性の一つとしてあります。
これはそもそも、自分の心の底には
「ありのままの自分では、他人から受け入れてもらえず孤立してしまう」
という強い孤独感、不安感が隠れているはずだからです。
だからこそ「全部自分が悪いんだ」と、他人の責任を背負ってまで安心感を得ようとしてしまうんです。
ではなぜ他人の責任を背負うことが、安心感につながるのでしょうか。
そこには幼い頃の親との関係性が大きく関わってきます。
親の不都合の責任を引き受けざるを得なかった過去がある
精神的に大人になりきれていない親は、自分にとって不都合なことが起きたとき、その責任を子供のせいにしがちな傾向があります。
それはそうした親は、自分で自分の責任をとることができないからです。
そのため、親にとって都合の悪いことは何でも子供のせいにされてしまうことが多くなります。
- 子供が自分の思い通りにならないとすぐに不機嫌になる
- (親が自分のミスで何かを失敗しても)「子供が〇〇をしなかったせいで失敗した!」と子供を責めがちになる
このような親にいつも責められていれば、子供は自分以外の他人(親)の不都合に対して、いつも罪悪感を抱くことになります。
子供は純粋に親は正しいものだと解釈するため、
- 「自分がいつも親に迷惑をかけているんだ」
- 「全部自分が悪いに違いない」
- 「自分がその責任をとらなければ、親から見捨てられてしまう」
こうした思いが強くなり、無意識に
「自分が親の機嫌を良くしなければならない」
と思いやすくなるんです。
全部自分が悪いという罪悪感は大人になっても自分を苦しめてしまう
「不機嫌になった親を一生懸命になだめて、親の機嫌がよくなるとホッとする」
このような、
自分が親の不都合の責任を負うと、結果的に親の機嫌が治まる
という経験を何度も繰り返していると、「全部自分が悪いんだ」という自分の中の罪悪感はより強くなります。
その結果、
- 親の不機嫌に耐えられなくなる
- 周りの人が不機嫌になるだけで不安になる
こういった他人の機嫌が自分の気持ちに大きく左右されるようになることで、
「自分の周囲で起こる不都合な出来事は、自分が責任を背負えば解決するんだ」
と無意識に学習をしてしまいます。
そうして自分の周りで良くない出来事が起こると、反射的に自分が責任を負いがちになってしまうんです。
>>>相手の不機嫌を自分のせいだと思い怖くなる人が知るべきこと
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現実を確かめてみることが「全部自分が悪い」という思いを克服する大きな一歩
もし明らかに自分とは無関係なことに対して「自分が悪いのでは?」と感じてしまったら、一瞬でもその思いを口に出すことを待ってみるのも1つの手です。
それは「実は誰も自分のことを不当に責めてはこない」という事実を経験することが大切だからです。
そうした経験を重ねることで、
- 不当に怒ってくるのは「親のような人だけだった」
- 「自分に責任がある」と思うことで自分は自分を守っていたんだ
そのようにも気付けてくるはずです。
「自分が悪い」とどうしても考えてしまう仕組みとは
「そうは言っても、どうしても自分のせいかもと思ってしまう…」
そうした場合、その原因は実は何か問題が起こった瞬時に
「もし全部自分が悪いとしたら、こういう理由が挙げられそう」
と自分でも気付かないうちに考え始めてしまっている可能性があります。
これは自動思考といい、物事に対して自分の意志とは無関係に頭に浮かんでくる考えのことを言います。
たとえば、職場の同僚の態度がいつもより素っ気なかったとき、
- 自分は嫌われているのかもしれない
- 何か相手の嫌なことをしてしまったのかもしれない
これらは考えているというより、無意識のうちに考えが浮かび上がってきたものと言えます。
しかし、本当はただ相手が
- 考え事をしていただけ
- たまたま上司に叱られて機嫌が悪かっただけ
かもしれませんよね。
このように自動思考はきちんと意識していないと、いつも「全部自分が悪いのかも」と自分を苦しめる考え方をし続けてしまうことにつながりかねません。
このように心や思考の仕組みを少しずつ知っていくことが、苦しみを軽くしていける大きな一歩になるはずです。