やるべきことを後回しにしてしまう性格を、何とかしたい
「やらなければいけない」と思いながらも、いつも手を付けられない…。
それが続けば、もうそんな自分のことが嫌になってしまいますよね。
けれど行動を起こすには、実はやる気も根性も努力も、必要ないんです。
そんな方法論を教えてくれるのが、著『「めんどくさい」がなくなる本』です。
本記事では、何でも後回しにしてしまう癖を克服する方法について解説していきます。
何でも後回しにしてしまう癖は、自分に甘くなれば克服できる!
人は黙っていても勝手に頭の中に様々な考えが浮かんできてしまうものです。
そして、そんな浮かんでくる思考に伴い、感情もまた自分の意志とは無関係に生じるものです。
つまり思考も感情も自分ではコントロールできないわけです。
それにも関わらず「めんどくさい」という思考や感情を、無理やりコントロールしようとするから苦しくなってしまうんです。
だからこそ綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、ただ自分の気持ちに正直であればいいんです。
それは自分がやるべきことを後回しにしてしまうのには、潜在意識下にきちんとした「やらない」理由があるからです。
むやみに根性や努力、やる気に頼ることへの弊害
自分に厳しい人は、高いハードルを自分に課しやすいものです。
そのため上手くいかなかった分だけ、自己嫌悪に苦しむ機会も多くなります。
そうしたストレスを感じるほど、今度はそのストレス解消のための「自分へのご褒美」が必要になってしまいます。
- 「今日は休んで、明日から頑張ろう」
- 「先に楽しみにしていたことを、やってしまおう」
一度こうしたリズムに入ってしまうと、なかなか行動を起こせなくなります。
それは自分に優しく甘い考えを持つことの重要性に、気付いていないからです。
多くの人が勘違いしているのが、
「自分に甘い考えを持ったら、自分に甘い行動を取りやすくなるのではないか」と言うことです。しかし、その考えは幻想です。
~略~
うつ病が早期に回復する人と、長引く人の違いは何でしょうか。
早期に回復する人は、自分に甘い考えを持つことの大切さに気づき、自分に甘い考えを持つようになった人です。
甘い行動をとりながらも厳しい考えをしていたら、全然休息になりません。
では「自分に甘くなる」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
それは「自分を許していく」ということと、つながっています。
やるべきことの最初の一歩を踏み出すために必要なこと
自分に甘くなりながらも行動を起こすのに、最も効果的な方法は、
わざと失敗する行動をとることです。
そもそも、やるべきことを後回しにしてしまう大きな原因は、
- 労力に見合うだけの成果が出るか、分からない
- 今やる意味が見い出せない
といった不確実なものに対する不安な気持ちがあることです。
そのため行動を起こす上での最初の一歩をいかに踏み出せるかが、カギとなるんです。
めんどくさいを克服した事例
本書の中では、著者の知人の事例として、
「インターネットオークションで、商品を売って稼ぎたい」
という悩みについて取り上げられています。
その知人は「絶対に売りたい!」と意気込んでいて、そのためには、
- 文章力を鍛えなければいけない
- 写真もきれいに撮れなければいけない
- そのために照明器具も必要だ
などと色々と理想を高めて考えているうちに、めんどくさくなって諦めてしまったそうです。
そこで著者は、その知人に対して下記のアドバイスをしたと述べられています。
- 出品する際の紹介文章は「これはバッグです」のみにすること
- 写真も載せないこと
- 絶対に売れないように出品すること
こうした結果、その知人は気持ちが軽くなって、あっという間に出品することができたそうです。
もちろんその商品は売れなかったようですが、その後も改善を重ねて今ではバリバリとネットで稼いでいるというお話でした。
この事例から分かることは、基本的に物事を後回しにしないためには、
- 最低の質で、行動を起こしてしまう
- 自分に対して「高いハードルを課さない自分」を許す
こうしたことが大切だということです。
ネットオークションに限らず、皆さんもこのような経験はありませんか?
私にも経験があります。
結局、何事も、初めてやる時と言うのは、1番大きなエネルギーが必要なんです。
よく自己啓発の本に「自転車はこぎ始めるときに、1番大きなエネルギーが必要」と書いてありますよね。
最初から良い結果を出そうと思っていたら、それは非現実的なのです。
そう思っただけで行動できなくなってしまいます。
誰でも最初の一歩が最も大変なものです。
そこさえ乗り越えられれば、あとは自然と行動できるようになるはずです。
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「めんどくさい」という気持ちをなくすには
「めんどくさい」という気持ちをなくすためには、
めんどくさい発生のメカニズムを押さえておく必要がある
と本書では述べられています。
実は「行動するのがめんどくさい」と感じるときには、常に共通点があります。
これを私は「めんどくさい発生のメカニズム」と呼んでいます。
やらなきゃと思う
↓
色々と考えてしまう
↓
めんどくさいと感じる何かをやらなきゃいけないと思うと、めんどくさいと感じやすくなります。
そして、頭で色々と考えれば考えるほど、さらに「めんどくさい」と感じるようになるという流れです。
では「めんどくさい」と感じて動けなくなる前には、具体的にどんなことに注意しておくべきなのでしょうか。
「やらなきゃ」と思っていることは、すべて頭の中の幻想にすぎないと知るべき
やらなければいけないことに手を付けられない人に、いま一度考えてみてほしいことがあります。それは、
「やらなければいけない」と感じている自分なりの合理的な理由は何なのか
ということです。
もし後回しにしてしまうことが、自分や誰かの命に関わったり、自分の大切なものを失う恐れがあったりするならば、おそらく悩むことなく行動しているはずですよね。
つまりそれは「別に今やらなくても困らないこと」だということにもなってしまいます。
もしくは自分の頭では「やらなければ」と思っていても、潜在意識では「やらない」と決めている可能性もあるということなんです。
一体、私たちはいつから「~しなきゃ」と思うようになったのでしょうか。
日本は独裁国家ではありません。
仕事も住む場所も、一緒に住む相手を選ぶ自由も保障されています。
会社員の人は自分が選んで今の会社に入社したわけです。
そういう意味では、あなたが今「~しなきゃ」と思っている事は、全てあなたの頭の中の幻想です。
実際、この世の中には「しなきゃいけないこと」など存在しません。
あなたがそう思い込んでいるだけです。
本心では「やらなくてもいい」と思っているのに、頭の中では「やらなくてはいけない」と思っている状態は、ただ心と時間をすり減らすだけです。
まずはそのことに意識的になる必要があります。
効率的にやりたいと考えすぎる人ほど、後回しにしてしまう
何事も効率的にやりたいという人は、行動を起こす前に先に多くの情報を集めようとしてしまいます。
すると情報を集めただけである種の達成感を得てしまい、結果的に行動を起こせなくなってしまうわけです。
また人間は平均して一日に約6万回、思考をしていると言われています。
そのため、
「どうすれば効率的に失敗せずにできるだろうか」
その答えを探すだけで、多くの人の脳は疲れて果ててしまうわけです。
「なんとなくの思考」と「意識的な思考」は区別する必要があります。
実際、私たちの生活の大部分で経験するのは「なんとなくの思考」です。
こうした考えは私たちが意識的に考えようと思って考えているわけではありません。
むしろ、雲のように私たちの頭の中に考えの方がやってくるのです。
ですから私たちのエネルギーは毎日を生きることで精一杯となり、何か新しいことをやろうとしても「めんどくさい」という気持ちが強くなって行動できなくなってしまいます。
つまり行動力がない人ほど、何事も事前に考えすぎてしまっているということです。
後回しにしてしまうクセを治すための2つのスキル
めんどくさい発生のメカニズムを押さえたところで、あとは具体的なスキルを理解して実行するだけです。
ここではそのための2つのスキルについて紹介していきます。
小さく始めること
これは前述した「何事も初めの一歩を踏み出すことが、最も大変だ」ということを前提とした方法です。
たとえば、仕事で使う資格取得のための勉強を、ついつい後回しにしてしまう場合なら、
- 毎日必ず5分だけは、時間を確保して取り組む
- テキストなら、寝る前までに1ページだけ目を通してからベッドに入る
このようにとにかく小さく始めることが重要です。
そうして挫折することを避けられれば、「自分は継続できている」という習慣と自信をつけていくことができるはずです。
望む結果をきちんと明確にイメージしておく
どうしてもやるべきことに手を付けられない…。
そんな何でも後回しにしてしまう原因には、その行動を起こすことで最終的に、
- 「どんな未来が訪れるのか」
- 「どんな感情や気持ちを得られるのか」
こうした行動の先に得られる結果を、具体的にイメージできていないことが挙げられます。
だからこそ目の前の「めんどくさい」という気持ちが勝って、後回しにしてしまうわけです。
行動を起こす前に、自分が望んでいる感情や気持ち、体験を具体化できれば、自然と身体は動いていくはずです。
やるべきことを後回しにしてしまう癖を変えるには
人間は誰しも、疲れていれば極力何もしたくない生き物です。
だからこそ、
「疲れたらしっかり休んで、気力が戻ったらまた頑張ればよい」
そう思える人は、すぐに立ち直って行動を起こせるようになるんです。
何事も後回しにしてしまう自分に嫌悪して悩み苦しんできた人は、これまでずっと自分を律して努力を重ね続けてきたのだと思います。
しかし今ここで面倒くさいという気持ちに負けてしまいそうならば、いますべきことはまず、自分が楽をすることを許してあげることです。
「北風と太陽」の童話は知っているのに、太陽になれない人へ
自分に厳しく生きることで、得られる成果はたくさんあります。
しかし、いつでもその方法が通用するわけではありません。
むしろ自分に甘く優しく生きることで経験できることも、たくさんあります。
それは目の前の「やるべきこと」だけでなく、対人関係や生き方そのものに関しても言えることです。
書籍の中ではさらに、「人間関係のめんどくさい」をなくす方法なども紹介されています。