働き始めたい気持ちはあるけど、不安で働けない
一度仕事から離れてしまうと、再び働き始めることにとても不安や抵抗を感じますよね。
特にHSPで仕事や職場の人間関係で辛い思いをした人ほど、恐怖心ってなかなか消えず苦しいものです。
本記事では怖くて働けないHSPの人が、再び自分らしく働けるようになるための方法についてお伝えしていきます。
HSPの人ほど、焦らず慎重になるべき理由
働けなくなってしまった原因は、人によって様々あるはずです。
- 職場の人間関係が怖い
- 前の仕事で心に傷を負った経験がある
- うつ症状や体調不良などの不安要素がある
- 自分に自信が持てず、転職活動をやり遂げる自信がない
- 空白期間(ブランク)がある
そうして前の仕事を辞めてから、しばらく経っている人も多いと思います。
そうなると働くこと自体への漠然とした不安感が大きくなりすぎ、再び働き始めるきっかけがなかなか掴みづらくなってしまいます。
そしてそんな怖くて働けないときこそ、焦ってとにかく就職活動をしようとするのは、リスクのあることなんです。
- HSPの自分に合っていない求人にばかり応募して、何社も不採用となってしまう
- 体調に不安があるのに、いきなりフルタイムで働き、さらに体調を悪くしてしまう
このようになってしまえば、さらに精神的に挫折してしまい、働くことへの恐怖心が深まりかねません。
怖くて働けないという人は、自分で自分を追い込んでいる!?
HSP人の中には、現実の自分の状況を無視して「こうあるべき」という思い込みから、身動きがとれなくなっている場合があります。
そうした人は働けない自分に対して、厳しいことが多いんです。
- 転職活動は絶対に失敗できない
- 働くなら、フルタイムでなければならない
- 職場の人全員に好かれなければいけない
こうした現状の自分の能力値以上のものを自分に期待してしまっては、働くことが怖く感じても当然です。
だからこそ、特にHSPの人は無理のない範囲で自分に合ったペースで働くことで、仕事への恐怖心を克服していく必要があるんです。
怖くて働けないHSPがトラウマを乗り越えて社会復帰するためには
働くことができないトラウマを乗り越えるために必要なことは、下記の3つのステップです。
- 働くことに挫折しないための準備をする
- これまでの「理想の働き方」を諦める
- 無理のない範囲で動いてみる
怖くて働けないというHSPの人にとって何よりも大切なことは、心と身体、両方の下準備です。
これが全てと言っても過言ではありません。
しばらくの間、仕事も職業訓練も何もしていない場合、働くこと自体がとてもハードルの高いことに感じてしまいます。
しかし目の前の出来ることから始めていければいいんです。
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1.働くことに挫折しないための準備をする
働き始める上で最も避けたいことは、「働くこと自体に挫折してしまうこと」です。
せっかくコツコツ頑張って、働けそうなところまで行けたとしても、準備が不足していれば途中で心が折れてしまいやすくなります。
働けないと悩むHSPの人にとって一番大切なことは、
- 働き続けられること
- 働き続けられるという自信を持つこと
この2つが社会復帰する上では欠かせません。
それは一度挫折してしまうと、再び行動を起こすことがとても難しくなるからです。
そのため働き始めるための心と身体の準備は、とても重要になります。
では準備とは何かというと、まず行うべきは「挫折しない体力をつける」ことです。
自分が思っている以上に、体力やストレス耐性は弱っている
たとえば、これまで何年もフルタイムで働いていた人でも、1か月でも仕事をしない生活を続けただけで、体力は想像以上に落ちてしまいます。
1か月以上仕事から離れてしまっている人なら、なおさらです。
そのため身体的な体力をまずは整えることが、働けない状態からの脱出の第一歩になります。
この体力をつけるためには何も、特別な運動から始める必要はありません。
たとえば、
- 昼夜逆転している場合は、少しずつ午前中に起床するようにする
- 食欲がなくても、最低限の食事を取る
- 近くの図書館へ通ってみる
- 眠くても、日中は仮眠をとらないようにする
こうしたことに少しずつ取り組んでいければ、自然と自信もついてくるはずです。
2.これまでの「理想の働き方」を諦める
体力が戻ってきたと感じたら、次は心の準備をしていきます。
HSPで働けないという心の傷を癒すためには、もちろん時間は必要になってきます。
ただ自分の中の「働く」ということのイメージを、現実の自分に合わせていくことも同時に必要になるんです。
いざ社会復帰したいと思うことができても、同時に、
「立派な仕事をしないと、周りから笑われてしまうのではないか」
このような考えが浮かび、不安になってしまうこともあるかもしれません。
しかし社会復帰するためには、自分がこれまで持ってきた価値観を変える必要が出てくるんです。
それは今まで自分が持っていた「みんなと同じでいたい」という価値観が、一歩を踏み出す妨げになってしまうからです。
「普通」になりたいという無意識の思いが、社会復帰を遅らせる
- 「自分の周りはみんな、立派な仕事をしている」
- 「昔の友人の多くは、正社員として働いている」
社会復帰する上で大きな障壁となってしまうのが、こうした他人と自分を比較してしまうことです。
自分のペースで徐々に心も身体も整ってきたとしても、ある時ヘンに自分を客観視してしまうことがあります。
- 「働けないHSPの自分は、なんて情けないんだ」
- 「少しずつ働き始めようと思ったけど、モタモタしてられない!」
そのような焦りの気持ちが沸いてしまうと、自分のペースで社会復帰ができにくくなってしまいます。
そういった気持ちを少しでも減らすためには、自分が無意識に思い描いている「普通の人生」を見直す必要があるんです。
>>>人と比べてしまう生き方をやめたい…今の自分を受け入れるには
3.無理のない範囲で動いてみる
心と身体の準備がある程度できたところから、少しずつ動き出してみてほしいです。
ここでも大切なことは、大きく挫折しないことです。特にHSPの場合、無理はしないということです。
体力的にも精神的にも無理をせず、働けない状態から脱出するためには
- 単発のアルバイト
- 在宅ワーク
などで少しずつでも働き始める方法もあります。
また自分のペースで取り組める方法として、職業訓練を受けるという手段もあります。
何を選ぶにせよ一番大切なのは、自分のペースを大切にするということです。
いまは誰でも「働けない状態」になるリスクのある時代
働くことができない状態から社会復帰の一歩を踏み出すためには、
- 挫折しないための準備をする
- これまでの「理想の働き方」を諦める
- 無理のない範囲で動いてみる
この3つのステップが大切です。
このストレス社会では、ある日突然誰でもひきこもりやニート状態になってしまう可能性があります。
そのため、HSPで怖くて働けない自分を必要以上に責める必要なんてないんです。
ニートのもともとの意味は、「仕事も勉強も職業訓練もしていない状態」ということですが、
その前提には「仕事と勉強と訓練にしか価値がない」という考えがあります。この考えこそ問題ではないでしょうか。
世界の全員がたった3つのことにしか価値を認めないなんて、ちょっと怖いです。
ちきりん著「ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法」
まずはこれまで、繊細なHSPの特性をもちながらも頑張ってきた自分を、少しずつ認めてあげましょう。
そうすれば自然と働けない今の自分でも、できることから始めてみようと思えてくるはずです。