あのとき、もっと〇〇していたなら、別の人生があったのかもしれない…。
過去の後悔をいつまでも何度も繰り返し考え、そのたびに自己嫌悪に苦しむのは、あまりに辛いことです。
しかし世の中には、辛い過去を抱えながらも、前を向いて今を生きられている人も少なからずいるものですよね。
では、いつまでも過去に囚われてしまう人とそうではない人との違いとは一体、何なのでしょうか。
実は過去に囚われやすい人は、過去以外の別のものに強く囚われている傾向があるんです。
本記事では、今日から人生を前向きに生きていくために押さえておくべきことを解説していきます。
過去に囚われる人生から脱するには
「もう昔のことは忘れたいのに、どうしても過去ばかりを振り返ってしまう」
そんな過去に囚われる苦しさから脱出して、少しでも前を向いて生きていくために欠かせないことがあります。
それは、
「いま自分にあるもの・持っているものに、きちんと満足感を味わうこと」
です。
たとえ自分にとってかけがえのない大切なものを過去に失ってしまったとしても、何もかも全てを失ったわけではないはずです。
〇〇はないけれど、最低限の△△(お金、時間、健康、仕事、衣食住、家族など)はある
今の自分が意識的に気付けていないだけで実際、色々なものをいまの自分は持っているはずなんです。
過去に囚われる人生から脱するには、この当たり前だと見過ごしてしまっている小さな幸せに気付いていくことが欠かせません。
しかし”いま現在”を生きられず、どうしても過去を生きてしまう人は、
- いま自分にあるものに、なかなか満足(=感謝)することができない
- いまの現状を良しとすることに、なぜか心理的に抵抗感がある
こうした傾向があります。では、それはなぜなのでしょうか。
現状の自分を良しとできない理由
過去ばかりを振り返ってしまい、いまの自分にあるものに満足できないという人は、実は過去に囚われているのではありません。
多くの場合、こうした人が囚われているのは過去ではなく、「理想の自分」なんです。
「なぜあのとき、自分は〇〇しなかったんだろう」
といった後悔や自己嫌悪に苦しむということは、裏を返せば、
「本当なら自分は〇〇することができたはずなのに」
という”あるべき理想の自分”と現実の自分とのギャップに苦しんでいるということになります。
つまり自分に対して「なぜ完璧にできなかったんだ!」と怒って失望し、責めているわけです。
ではなぜ、そこまで理想の自分に囚われてしまうのかといえば、それは、
- 理想の立派な自分になれなければ、存在価値がない
- 理想の人生を歩める自分でなければ、生きる意味がない
そう心の底では感じていて、それだけ「ありのままの自分は無価値だ」と強く思っている可能性があるからです。
だからこそ理想の自分になれないと分かると無気力になったり、当たり前の小さな幸せでは満たされずに現実から目をそむけた結果、過去に囚われてしまったりするわけです。
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もし過去に戻ってやり直せたら、人生は変わるのか
理想の自分に固執してしまう人ほど、その心の奥底には自己否定感が隠れているものです。
だからこそ、理想の自分でいられたはずの過去をやり直したいと思ってしまうのも無理はありません。
ではもしもその過去をやり直せるとしたら、本当に悔いのない人生になるのでしょうか。
たしかにその過去の出来事だけは良い方向に変えられるかもしれません。
しかし残念なことに、たとえその過去をやり直せたとしても、恐らく将来同じような場面に遭遇すれば、また同じ選択をしてしまう可能性が高いはずです。
それは、
「理想の完璧な自分でなくとも、自分には価値がある」
ということに気付けていない場合、再び理想の人生を歩めなくなったとき、また同じように過去に囚われる生き方に戻ってしまう恐れがあるからです。
過去に囚われずに今を生きるには、いま自分にあるものに満足感を得ていくと同時に、受け入れがたい過去の自分の選択や行いを良しとしていくことが重要になります。
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ではどうすれば、そんな過去の自分を許していけるのでしょうか。
過去の自分は最善を尽くしていたと知る
過去に囚われやすい人は、人生のあらゆる出来事の成功・失敗の結果によって、自分の存在価値が大きく揺らいでしまう傾向があります。
そうなれば誰だって過去を引きずりやすくなり、失敗を極端に恐れてしまいます。
しかしよく思い出していただきたいのですが、たとえどんな結果になったとしても、あなたはその当時は当時なりの最善を尽くしていたはずだということです。
もしくはその出来事は、そもそも自分の努力でどうにかなるようなことではなかった可能性もあります。
たとえ「いや、あの時もっと頑張れていたはずだ」と悔やんでいたとしても、それは結果論にすぎません。
たとえば、
「学生時代にもっと勉強していれば、本当はよりいい学校や会社に入れたはずなのに」
そう大人になってから思ったとしても、当時は学生なりに勉強以外への興味関心事があったり、将来への迷いや悩みがあったりしたはずです。
そんな中でも当時の自分は、当時の自分なりに最善を尽くして努力をしていたはずなんです。
つまり過去の自分に理想を押し付けて、結果だけをもって責めるのではなく、
もっとその過程で頑張っていた過去の自分を、少しずつ認めてあげて許していく
こうした自分と向き合う機会の積み重ねが、理想の自分へのこだわりを小さくしていき、過去への囚われの気持ちをも軽くしていくことにつながっていきます。
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過去に囚われる苦悩は、一歩ずつ乗り越えられるもの
辛かった過去の記憶は、そう簡単に忘れることなんてできないですよね。
そして、もちろん過去に囚われることは決して悪いことではありません。
ただいつも過去を振り返って苦しくなってしまうのであれば、少しずつその過去の出来事に対する別の解釈を考えてみてほしいと思います。
もしかしたら、あの過去があったからこそ、いま得られているものや経験値があるかもしれません。
「過去」とは解釈によって、いつでも変えていくことができるものです。
過去の自分の決断や行い、その全てに意味があり、その経験が今の自分を形作っているとも言えるわけです。
一歩ずつ過去の辛かった出来事を肯定的に捉えてみることで、意識は自然と目の前のいまの幸せに向くようになります。
もしそれがなかなか出来ないとすれば、それは理想の自分にこだわるあまり、現在の不幸の原因を過去のせいにすることで現実逃避してしまっているからかもしれません。
しかしだからといって、そんな自分を嫌悪したり、変わろうと焦ったりする必要はありません。
人それぞれに心の傷の深さもその治癒力も、全く違ってくるものです。
自分に無理のないスモールステップで、過去や自分自身と少しずつ向き合っていきましょう。