今日は家にいたい…仕事に行きたくない…。
誰にでも、そんな日ってありますよね。
しかし責任感の強い立派な人ほど、自分の限界を超えて頑張ってしまいがちです。
それで体調を崩したり心を病んだりしては、元も子もありませんよね。
頭では「会社に行かなくては」と思っているのに、身体も気分も重くて動かない…
本記事では、著「ストレスが消える「しない」健康法」から、そんな辛さを解消する医学的な方法論について解説していきます。
「もう家にいたい」という無気力状態になる仕組み
本書の中で一貫して主張されていることは、
ストレス解消はメンタルに注目するのではなく、
徹底して身体の反応に着目し、身体にアプローチするべきだ
ということです。
人はストレスを受けると、下記のような流れで無気力状態になってしまうと言います。
ストレスを受ける
↓
自律神経のバランスが崩れる
↓
心身のトータルパワーが低下する
↓
感情の抑制がうまくいかなくなる
↓
無気力状態になる
だからこそ、ストレスへの対処法は、
-
自律神経を乱す行為を避けること
-
自律神経を整える行為を行うこと
つまり、心より先に身体を整えた方がストレスを軽くできるということなんです。
怒られるストレスへの正しい対処法
「仕事に行きたくない。今日は家にいたい。」
そんなときこそ、頭の中で色々と考えを思い巡らせるのではなく、身体にアプローチすることが効果的です。
上司に怒られた場合を例にあげます。
怒られたときはまず反省をする前に、先に自律神経を整える行為を行うことが重要です。
たとえば、
まず席を立って、階段を使って休憩所まで行き、そこで水を飲んで一息つく。
この一連の流れが完了するまでは、頭の中で色々と反省をしない。
先に反省をしまうと、自律神経が乱れてしまう恐れがあるためです。
重要なことは、怒られたら休憩所へ行くなど、前もって「ルールを決めておく」ということです。
ここで大事なのは「決まっている」ということです。
自律神経のバランスが悪いとき ~略~ 「調子が悪くなったら、ビルの2階分、階段を上り下りする」と決めておくといいでしょう。
決まっているから、無条件にルールに従う。これが大事なのです。
忙しい時期、あるいはストレスのかかる業務に従事しているときなどには「15時になったら階段上り下り」とスケジュールに無理矢理組み込んで、その時間になったら強制的に軽い運動をする。
そうやって予定が決まっていれば、否応なしに自律神経を整えられますし、「負の連鎖」を断ち切ることができます。
「決まっていること」が大事なんです。
どれだけ知識として身体を動かした方がいいと分かっていても、ストレスがかかっているときに、それをすんなりと実行するのは難しいからです。
仕事に行きたくないほどのストレスを解消するには
身体からのSOSサインを「見える化」する
今日は仕事に行きたくないというときは、
まず自分がどんな状況でストレスを受けやすいかを把握しておくことが重要です。
それに合わせて、そのストレスが強いときにどんな身体の反応があるかを一緒に把握しておくことで、ストレスに気付きやすくなるんです。
たとえば、
- 朝の寝起きが悪い
- 目が疲れやすい
- 理由もなくイライラしやすい
- 仕事を休んで家にいたくなる
こうした日常の何気ないことが、実は身体からのSOSサインである場合が多いんです。
はっきりした原因がわからない状態であっても、体というのはいろんなサインを発してくれているものです。
仕事をしなければいけないのに、いつもネットニュースを見続けてしまうなんていうのも、交感神経が下がって「無気力への流れ」が始まっているサインです。
まずは「自分の体は今、こんなサインを発してるな」と気づけるようになり、次に「自律神経を整える対処法をとらなきゃ!」と思って欲しいのです。
ストレスは放っておくと、不調がなかなか改善しない原因にもなります。
「今日は家にいたい。仕事に行きたくない」
そんな小さな身体からのサインに気付けるようになるだけでも、自律神経を整える一歩につながるはずです。
丁寧な日常を心掛けるーイライラした瞬間に身体はダメージを受ける
自律神経は、少しのイライラでも簡単に乱れてしまうものです。
だからこそ他人と接するときはもちろん、日常の中での小さなストレスにも過剰に反応しないよう意識することが大切です。
ちょっとしたことでイライラする、つい怒りを爆発させてしまうというのは、ストレス要因に対して最悪の反応をしてしまっています。
しかも、怒りによって1度乱れた自律神経は3~4時間は元の状態に戻りません。
つまり、職場で1度怒ってしまったら、不健康かつ非生産的な状態が半日近く続いてしまうのです。
怒りをマネジメントすることがいかに大事かわかりますね。
普段生活する上で、面倒くさいことや嫌なことって必ずあるものですよね。
そんな面倒くさいことや嫌なことほど、ゆっくりと丁寧に行って、余計なストレスを溜めないようにするべきです。
心身の調子が悪い時ほど、動いて「流れを変える」べき
多くの人は気分が憂うつで身体の調子が思わしくない、家にいたいと思うようなときは、できるだけ動かずに安静にした方がいいと思いますよね。
けれど心身の調子が悪いときほど軽く動いたり、近くのコンビニまで行ってみたりした方が、自律神経は整うものなんです。
交感神経、副交感神経がともに落ちてしまっている状態を改善するのに、もっとも大事なのは「動く」ということです。
立ち上がってストレッチをする、階段を上り下りする、意識して呼吸をするなど、とりあえず何でもいいのでまずは「動く」こと。
それがとても大事なのです。
~略~
ストレスとの向き合い方として、最も良くないのは「止まってしまう」ことです。
本書でも述べられているように、むしろ動かずに休んでしまう方が、自律神経が整うまでに時間がかかってしまうこともあるんです。
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多くの人が「どうでもいい相手」からストレスを受けている
人間関係の悩みは、誰もが避けては通れないストレス源の一つですよね。
この人間関係というものを、大きく2つに分けてみると下記のようになります。
- 自分にとって本当に大切な人間関係
(一般的には家族や友人、信頼している仕事関係の相手など) - 1.以外の人間関係
ここで考えてみてほしいことがあります。
それは自分がいつもストレスを抱えている相手は、自分にとって本当に大切な人間関係に含まれる人なのかということです。
もしそうでない場合、すなわち誤解を恐れずに言えば、その相手が自分にとって「どうでもいい相手」なら、一度冷静に考えてみてほしいんです。
どうでもいい相手からでも嫌われたくない
誰からも好かれたいと思えば、残念ながらストレスからは決して逃れることはできません。
それは全ての人から好かれることは不可能なことだからです。
自分がどれだけ我慢しても気を遣っても、好かれる人には好かれますし、嫌われる人からは嫌われてしまいます。
たとえば、Aさんがあなたの悪口を言う。
当然あなたは不快に思い、ストレスを感じるでしょうが、この状況に際して、あなたは何を求めているのか。そこを冷静に考えてみます。
- Aさんに好かれること。
- 逆にAさんの悪口を言って、Aさんの評判をおとしめること。
- Aさんに「私はそんな人間じゃない」と伝え、考えを改めてもらうこと。
もしこの中に「あなたが求めること」があるなら、相応の対応策はあるでしょう。
しかし、たいていの場合、あなたはそんなことを求めてはいないでしょう。
Aさんに対して「好かれたい」とも「自分の印象を訂正して欲しい」とも思っているわけではないのです。
悪口を言われたことに対し、ただ腹を立て傷ついているだけなのです。
ただただ他人の言葉に反応して、ストレスを溜めていてはキリがありませんよね。
だからこそ、自分は、
- 誰に好かれたいのか
- 誰には絶対に嫌われたくないのか
- 誰のためになら頑張りたいと思えるのか
この答えをしっかりと出しておくことが、ストレスを溜めない上では非常に重要になります。
とにかく他人とは黙って過ごしてみる
日常生活の中で、目の前の相手が自分にとって「本当に大切な人」ではなかったら、
その相手とは最低限の会話以外、話をしたり気を遣ったりしないように意識してみましょう。
「口は禍(わざわい)の元」ということわざ通り、
人間関係のトラブルのほとんどは、余計な一言を発してしまうことから生じるものです。
誰かと会って別れたあとで、
- 「あんなことは言わない方がよかっただろうか」
- 「相手は不快に思っていないだろうか」
こうして後から答えの出ない余計な詮索をしてしまうことで、自らストレスを生み出しては本末転倒です。
あまりに大きなストレスは「やめること」でしか対処できない
毎日会社に通勤している人は、下記のような思いを抱えながら日々を過ごしているかもしれません。
- 「もう今の仕事を辞めてしまいたい」
- 「けど、転職できる当てがないから今の仕事を続けるしかないのか」
- 「人生一度きりだし、好きな仕事に挑戦してみたい」
- 「けど、家族を養うためにも今の仕事で我慢しなくてはいけない」
- 「けど、もう仕事に行きたくない」
…
こうした様々な思いに対して、普段は何とか心のバランスを取っているはずです。
しかし、日々のストレスが積み重なっていけば、ある時そのバランスが大きく崩れてしまう恐れも十分にあります。
そうなってしまえば、もう今の仕事を辞める、もしくは休職をするしかストレスから抜け出す方法がなくなってしまいます。
だからこそ毎日のストレス解消、すなわち自律神経を整えることが重要になってくるわけです。
ストレスの管理は、生き方の管理と言っても過言ではないんです。
仕事に行きたくない、家にいたい…その思いは大切なもの
もう仕事に行きたくない、家にいたい…そう思ってしまうことは誰にでもあることです。
しかし、その思いの強さは人によって、またその時々の状況によって違うものです。
心や身体からのSOSサインをきちんと自分が受け止めることができれば、正しい方法でストレスと向き合い、解消していくことができるはずです。
本書にはそのためのヒントが、6つの章に分けて解説されています。