「他人と接することに不安がある自分を変えたい」
「今からでも自分の中に安全基地を作っていきたい」
「自分には安全基地がないから生きづらいのかもしれない」と気付くことができても、どうすればいいのか分からないと辛いですよね。
本記事では、安全基地を大人になってから作っていく方法について解説していきます。
「安全基地」を大人になってから作る方法
安全基地を作っていく方法として、本記事で紹介するのは下記の2つです。
- 自分が持っている「他者イメージ」を把握する
- 基本的には「他人は安全な存在だ」ということを知る
安全基地の本質とは
安全基地とは何かというと、その本質は「自分の中の安心できる他者イメージ」と言うことができます。
この他者イメージとは、自分が無意識に想定している「他人とは〇〇な存在だ」というイメージのことです。
たとえば人によって「他人」に対する無意識下のイメージは様々です。
- 助けを求めたら、助けてくれる存在だ
- 自分のミスばかり指摘してくる存在だ
- 自分が嬉しいとき、一緒に喜んでくれる存在だ
こうした漠然とした他人に対するイメージは、意識の上では気付けていなくても、様々な場面で自分の振舞いや言動に表れているものです。
親が自分にとって安心できる存在ではなかった可能性
この他者イメージは、主に幼少期の親に対して抱いたイメージをそのまま親以外の他人に対しても適用していることが多いんです。
つまり他者イメージ、すなわち親に対するイメージが
- 安心できないものになっている
- 自分を支えてくれるものになっていない
など、自分にとって安心できない印象になっている場合、大人になっても心の中に安全基地がきちんと作られていない可能性が高くなります。
また、この安全基地がきちんと機能していないと「人を信じられない」などの生きづらさにつながりやすくなります。
自分が持っている「他者イメージ」を把握する
自分がどんな他者イメージを持っているのかを知るためには、まず過去に不安を感じた出来事を振り返ってみる必要があります。
たとえば、
例1:仕事で分からないことを上司に聞くのが怖い
↓ なぜか
上司に「そんなことでイチイチ聞いてくるな」と言われそうだから
→「他者とはSOSを出しても、助けてくれない存在だ」という他者イメージがある可能性
例2:仕事でミスや失敗をしないか不安
↓ なぜか
ミスや失敗をしたら、周囲の人に影で笑われそうだから
→「他者とは、完璧な自分でなければバカにしてくる存在だ」という他者イメージがある可能性
このように自分が無意識下で持っている他者イメージを改めて思い返してみると、普段は気付きもしなかった他人に対する思いが見えてくるはずです。
大人になってから安全基地を作るためには、自分が自分の親になること
もし他者イメージが
「自分が困った時に助けを求めても、基本的に何もしてくれない存在」
といったものなら、そんな他者に自分が困っていることを打ち明けても無駄だと思い、他者を頼れなくなってしまうのは当然ですよね。
そのため、しっかりした安全基地を作り上げていくためには、大人になった今からでも、
「困った時に助けを求めたら、助けてくれる他者」
をきちんとイメージしていく必要があります。
そのためには「もし自分が他人の立場で、困ったときに助けを求められたら、助けず無視するだろうか」ということを具体的にイメージしてみることです。
またイメージしたものが非現実的に感じるのなら、状況を一歩引いて客観的に捉えてみるのも一つの手です。
たとえば仕事で困った時、同僚のAさんを頼るのは怖いけど、
- 同僚のBさんなら、助けてくれそう
- もし、学生時代の友人のCくんが同僚だったら、助けてくれそう
このように色々な場合を考えられるようになれば、自分の中の他者イメージを
「確かに一部の人は面倒くさそうにしたり、助けてくれないかもしれないが、多くの他者はSOSを出せば、助けてくれそうだ」
というようなポジティブなイメージに少しずつ変えていけるはずです。
また、ここで注意すべきことは他者に過度な期待をしないことです。
そもそも自分の心の支えにならないような他者イメージを持ってしまい、きちんと心の中に安全基地が作れなかった大きな原因には、
幼少期に、親に対して抱いた期待を裏切られたことによる心の傷
がある可能性が高いからです。
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大人になった今、「多くの人は安全だ」と自分に納得させる
安全基地がきちんと構築されていないと、自分の周囲の人間がみんな安全ではない人だと感じやすくなります。
本当は多くの人は安全だとしてもです。
では、なぜ安全ではないと思うのでしょうか。
それは安全かどうかを確かめずに、すでにある他者イメージを元に頭の中だけでシミュレーションしてしまうからです。
なぜ安全かどうか実際に試せないのかというと、
それはそれほど他者に対して不信感を抱いている可能性が高いからです。
そのため、自分の持っている他者イメージを具体的にリストアップしたのち、実際にそのイメージがどこまで正しいのかを確認してみる必要があるんです。
実際に確認してみることで、
「自分の抱いていた他者の悪いイメージは、現実に即したものではなかった」
と少しずつ気付いていくことができるはずです。
安全基地を作れなかった一因は、親に条件付きでしか愛されなかったから
子供にとって、親の発言や態度に一貫性がなかったり、感情的だったりすると、親を安全だと思えなくなります。
しかし、それは見る角度を変えれば、生まれて初めて出会った他者である「親」を安全だと思えなかっただけとも言えます。
そして、子供時代に安全基地をきちんと作ることができなかったとしても、大人になってからでも安全基地は作っていくことは十分に可能だということです。
それは、親のことを人間の代表だと思ってしまい、親以外の多くの他者も安全ではないと思い込んでしまっただけだからです。
心の中の安全基地は、今日、明日ですぐに作り上げられるようなものではありません。
大人の場合、もしかすると一生をかけていくようなものになるかもしれません。
そのため、焦らず少しずつ確実に安全基地を構築し、少しでも生きやすくしていこうという意識で取り組んでいきましょう。