今の仕事をもう辞めたいけれど、辞めるのも怖くて、どうすればいいのか分からず苦しい
特にHSPの人にとって退職は、多くの不安要素を一度に対処しなければならず、心の負担が大きいものです。
本記事では、HSPの人が「仕事を辞めたいけど辞められない」という葛藤を軽くしていく方法について解説していきます。
仕事を辞めたいけど、辞めるのが怖いというHSPの人へ伝えたいこと
怖くて退職を言い出せない。けれどメンタルも身体ももう限界。どうすればいいのか…。
HSPのような繊細な人でなくても、会社に退職を伝えることは心理的にハードルの高いことです。
ましてHSPの人にとっては、あまりに精神的な負担が大きいのは当然です。
だからこそ、その恐怖心の正体を一つずつ明らかにしていくことで、自分は本当は恐れなくてもいいんだと気付いていく必要があるんです。
実は「仕事を辞めたいけれど、何だか怖い」という気持ちの裏には、複数の隠れた不安や恐怖心があるんです。
本記事では、その隠れた感情を3つ深掘りしてお伝えしていきます。
- 辞めることによる職場の人への罪悪感
- 会社という居場所を失うことへの不安感
- 辞めたいけれど退職後の未来が見えないという心の葛藤
「いまの仕事が辛くて辞めたいけれど、怖くて退職を言い出せない」
そう決断できずにいれば、ある日、
ベッドから起き上がれなくなり、病院の診断を受けて、そのまま退職することになってしまう…。
そんな最も迷惑と罪悪感が残る辞め方をしなければならなくなる可能性だってあるわけです。
そうならないためにも、自分の不安や恐怖心と向き合うことで、しっかりと退職の準備を整えていきましょう。
1.HSPの人ほど辞めることによる職場の人への罪悪感が強い
辞めたいと思っても、なかなか上司に退職の意志を伝えられない大きな理由の一つには、
辞めることに対する罪悪感があります。
- これまでお世話になった職場の人の期待を裏切ることになる
- 自分が辞めたら、迷惑がかかる
このように考えてしまっている人もいると思いますが、本当にそうでしょうか。
もし今の職場で、誰か同僚が辞めることになった場合を考えてみてください。
そうなったとき自分はその同僚に対して、
「本当に迷惑だ!みんなの期待を裏切って!」
果たして、そう思うでしょうか。
恐らくそう思う人はまずいないはずです。
このように他者に「悪意」があると思い込みやすい場合、「仕事を辞めたい」という自己主張を妨げている大きな原因として、
- 「誰かの役に立たない自分には、価値がない」という自己無価値感
- 「他人の負の感情に、意識が向きやすい」というHSP特性
こうした自分の中にある気持ちや特性が、可能性として考えられるんです。
仕事を辞めたいと思うまでに、自分を追い詰めているものの正体
どんな人でも職種や会社が自分に合わなければ、嫌になってしまうものですよね。
ただ「もう限界…仕事を辞めたい…」とまで自分を思い詰めてしまう理由は、人によって様々です。
そしてHSPの人に共通しているのは、たとえば下記のような特徴です。
- 仕事でミスをして以来、仕事が怖くなった
- 職場の人とうまくやれていないように感じる
- 役に立たない自分に嫌悪感を抱いて苦しくなる
そしてその中でも、HSPの人が仕事を辞めたいと感じる大きな理由には、
特定の人間関係への恐怖心があります。
たとえば職場において、
- 物の言い方や接し方がキツい人がいる
- 職場の人との距離感がわからず、心の居場所がない
つまり、今の仕事をする中で関わる人に「安心感を抱くことができていない」ということです。
これはある意味で、
一度でも苦手意識を持った相手の感情に、敏感になりすぎてしまう
というHSPの負の特性とも言えるものです。
ただここではその安心感を抱けないという気持ちを、もう少しだけ深堀りしていきます。
安心感を抱けないという気持ちの奥には「無力感」がある
「もう退職してしまいたい」という思いになりやすい根底には、自分に対する「無力感」があります。
この無力感とは、自分は何をやっても上手くできないという感覚のことです。
- どんなに頑張ってもミスをしてしまう
- 職場に溶け込もうと努力したけど、うまくいかない
- 上司との雑談も頑張っても、何だか嫌われてしまう
このようなことが続いたり、また一度大きなショックを受ける出来事があったりした場合、
自分自身に対する無力感から、仕事を辞めたい
という思いを抱いてしまう可能性があります。
この無力感を持ち続けてしまうと、「いまの職場で働く」ということに対して、
- 怒られたり迷惑をかけたりしてしまう恐怖心
- 誰の役にも立てないのに給料を得ているという罪悪感
- 必要とされない自分が嫌になる嫌悪感
このような感覚に、自分が気付かないうちに飲まれてしまっていると考えられるんです。
これではその職場で働くことが怖くなってしまうのは当然です。
こうした仕事を辞めたいと感じる本当の理由をきちんと押さえておくことは、非常に重要なことです。
そうしなければ、たとえ別の会社で働き始めたとしても、再び挫折する可能性が高くなってしまうからです。
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2.会社という居場所を失うことへの恐怖心
誰しもが社会の中で生きていく上で、何かに依存して生きているものです。
それは勤め先の会社などの組織であったり、仕事のスキルであったり、また夫(妻)や子を持つ親といった役割であったり様々です。
たとえば、
- 会社勤めをしている人は、「会社員としての自分」
- プログラマーの仕事をしている人は、「エンジニアとしての自分」
このように人は何かしら「〇〇としての自分」というアイデンティティーを持っていることで、精神的な安定を得られていることが多いんです。
>>>自分のアイデンティティとは?|その意味と種類をわかりやすく解説!
会社を辞めるということは、そのアイデンティティーを一時的にしても複数失う可能性があるというわけです。
そのため会社を辞める決断がなかなかできないというのは、当然のことなんです。
だからこそ自分は退職したら、新たにどんなアイデンティティー(〇〇としての自分)を得ていきたいのかをイメージしておくことが重要なんです。
それがイメージできれば、退職への決断のハードルは下がっていくはずです。
3.辞めたいけれど退職後の未来が見えないという心の葛藤
退職したいけれど、辞めるのが怖いという悩みを抱えたHSPの人の中には、精神的なストレスが体調不良として現れやすい場合も多くあります。
そんな体調を崩している状態でも、HSPの人は、
「仕事を辞めたいと伝える」という不安や恐怖心から逃れたい
という気持ちが強い傾向があるんです。
そのためたとえ体調が悪くても我慢し続けてしまうことも多くあります。
その結果、下記のような2つの気持ちの間で心が葛藤してしまい、それがさらなるストレスとなりがちなんです。
- もう限界だから、辞めることを伝えなければならない
- 辞めると伝えるのが不安だから、もう少しだけ先延ばしにしたい
しかし、退職するのが怖いという状況は、見方を変えると思考と心がケンカをしている状況とも言えるんです。
思考:もう限界だから、辞めることを伝えなければならない
心: 辞めると伝えるのが不安だから、もう少しだけ先延ばしにしたい
このような葛藤の状態はとても苦しいものです。
働くこと自体に挫折しないためには「心の葛藤」を小さくする必要がある
いつ退職の意志を伝えるべきかと思い悩んでいる間に、体調を崩して出勤できなくなってしまった
こうして辞めざるを得なくなってしまったら、それこそ働くこと自体に挫折してしまいかねません。
そうならないために重要なことは「思考と心の葛藤」をできるだけ小さくすることです。
そのためには、初めの一歩を小さくするのが効果的です。
たとえば、いきなり「仕事を辞めたい」と上司に伝えるのではなく、まずは色々と調べたり整理して、小さな行動に分けていくということです。
- どんな伝え方をすれば、穏便に辞めることができそうかを考えておく
- 具体的に退職するとなったときの手続きや必要書類などを調べておく
- 自分はどんなスキルや経験を持っているのかを整理する
そうすれば、会社を辞めることが具体的にイメージでき、不安感が和らぐはずだからです。
実は仕事を辞めたいけれど怖くて行動できない方は、「絶対に失敗できない」と無意識に自分を追い詰めてしまっているから辛い可能性があります。
だからこそ、目に見えない不安や恐怖心がとにかく大きくなってしまっているんです。
大切なことは「会社を辞めるのが怖い」という状態で、無理に動き始めないということです。
相談できる人がいないときは
もし自分の周りに、HSPに理解のある人や転職経験のある人がいるならば、その経験談を聞いてみるのはアリだと思います。
しかし転職すべきかどうかの相談はあまりしない方がよいでしょう。
それは相手の回答によっては、自分の意志が揺らいでしまう可能性があるからです。
そして、そもそも自分の心の中ではすでに、
「もういまの仕事を辞めたい、もしくは体調も悪くて辞めざるを得ない」
そう答えは出ているはずだからです。
それでも誰かに相談すると仮定して、相談内容を紙に書き出してみることは、必ずやってほしいことです。
自分の頭の外に考えを出すだけで、自分の本当の気持ちや悩みが明確に見えてくるからです。
HSPの人ほど「仕事を辞めたい」という自分の思いに耳を傾けるべき
働く上で一番大切なことは、長く働き続けられることです。
しかしHSPの人ほど周りの人のことを考えすぎて、自分は無理ばかりしがちです。
誰でも心に余裕がなくなると冷静な判断ができなくなり、結果的にストレスからうつ症状や適応障害などになる可能性が高くなってしまいます。
そうして一度働くことに挫折してしまうと、再び働き始めるのに大変な思いをすることになりかねません。
そうならないためにも辞めるのが怖いときほど、焦らず恐怖心と一つずつ向き合う。
そして今この瞬間から、小さな一歩を始めてほしいと思います!