
人からよく嫌われてしまうのは、人の気持ちがわからないから!?
「自分は人の気持ちが分からない」という悩みの根底には、実は大きな問題があるんです。
本記事では、人の気持ちが分からないということの本質的な原因について解説していきます。
人の気持ちが分からないのには、想像以上に根深い理由がある
人の気持ちが分からないと感じる理由、それはそもそも
自分の気持ちが分からない
という可能性が高いからなんです。
そして、自分の気持ちが分からない理由、それは
自分の気持ちを、他人の気持ちで上書き消去してしまっているから
と考えられるんです。
これはつまり、自分よりも他人の気持ちを最優先にしてしまっているということです。
そのため、人の気持ちが分からなくなっているんです。
自分の感じた「気持ち」を信頼できなくなった理由
自分の気持ちが分からなくなった大きな要因には、「過干渉な親」が関係しています。
自分の行動に対して、親から口出しばかりされる「過干渉な関係」とは
- 誰と遊ぶか、付き合うかという友達選びに親が口を出す
- 自分が着たい服、持ちたい物を一方的に否定する
- 子供の持ち物を勝手にチェックしたり、勝手に部屋に入ってくる
そして、この「過干渉な親」は一般的に言われるような毒親の可能性があります。
その理由は、干渉の対象が「行動」だけではなく、感覚や思考・価値観にまで及ぶからです。
例えば、
- 自分が好きなものでも、親の価値観と違うと「あなたの感じ方はおかしい!」と非難される
- 親が嫌いな人のことを、自分も悪く言わないと非難される
- 自分が「こうした方がいい」と思うことに「いいや違う!」と親が一方的にダメだと決め付ける
過干渉の本当の問題は、行動だけでなく、自分の感覚や思考にも干渉されることです。
このように、自分の感覚・思考が、親の意に沿わないと否定されることが日常的に頻繁に生じると、
自分の思考や感覚を感じることを抑圧した方が楽になる
という現象が起こります。
つまり。無意識下で自分の感覚・思考を親に合わせて修正するようになるということです。
これが自分の気持ちが分からなくなり、結果的に人の気持ちが分からない状態になる大きな原因の一つです。
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人の気持ちが分からないことで起こっている問題
1.他人に自分のことを「分かって欲しい」という要求が強くなり過ぎる
親の感覚・思考に自分を合わせることを長期間続けていると、ある幻想を抱くようになります。
それは
- 自分は、他人の感覚・思考を分かっている
- 他人も、自分の感覚・思考のことを分かっている
という幻想です。
これは一見、自分や人の気持ちが分からないことと真逆のようですが、この幻想がもたらす問題は、とても根が深いものになります。
それはこの幻想を持つことによって、自分の感覚・思考を他者に分かってもらえない場合、
例えば、
- 一生懸命に努力していたのに、サボっていたと注意される
- 体調がすごく悪いのに、「そのくらいなら大したことない」と言われる
このような時に
「本当は自分の感覚・思考を知っているはずの相手は、なぜ分かってくれないんだ」
という怒りやフラストレーションが起きやすくなってしまうからです。
その結果、
- 自分が否定されたと感じてしまう
(自分の感覚・思考を否定された) - 相手に悪意を感じてしまう
(本当は自分の感覚・思考を分かっているはずなのに)
という苦しさに陥ってしまいやすくなります。
関連記事「「自分の辛さをわかって欲しい」人が、実は本当に望んでいるもの」
2.自分の感覚を信用して生きることが難しくなる
人の気持ちが分からない以前に、自分の気持ちがよく分からないと、それは
自分の感覚を頼りに物事を判断できない
ことにつながっていきます。
さらに、過干渉な親に育てられた人は、親以外の他者もみんな干渉してくるという思い込みをしやすくなります。
その結果、自分が予測する、
「自分の感覚」
と
「他者が感じているであろう感覚」
の葛藤が常に生じることになります。
- 仕事で、上司に聞くまでもない、細かいことを「どうすればいいだろう」と悩み込んでしまう
- 日常の些細なことでも、「どう思われてしまうだろう」と不安になりがちになる
このような状態になってしまうと、たった一度「それはおかしい」と言われたり注意されたりした出来事にショックを受け、
「やっぱり自分の感覚を信じてもロクなことがない」
という誤った確信を得てしまう。
こうしたことがずっと長い間、積み重なることで、自分の感覚を信用できなくなり、人の気持ちが分からない状態にもなってしまうわけです。
自分の気持ちに気付く方法
これまで長い間、自分の本当の気持ちを押さえ込んできた人にとって、いきなり本当の気持ちを解放することは、とても大変なことです。
そのため、まずは過去の
「本当の自分の気持ちを押さえ込んでいたと思う状況」
を思い出す作業を行いましょう。
例えば、
恋人から毎日連絡が来る。
自分は毎日必ず返信をして楽しい。
けれど、何だか満たされない。
これらの出来事をさらに気持ちと思考に分けてみます。
思考
- 必ず返信をしなければならない
- 毎日はシンドイと言ったら嫌われるかもしれない
気持ち
- (必ず返信をしなければならないという)義務感
- (毎日はシンドイと言ったら嫌われるかもという)不安
これは「気持ちと思考が戦っていること」に気付くことが第一歩になるということです。
「自分の嫌だという気持ちが分かっていて承諾する」のと、「分からずに承諾する」のは全く違うことです。
何か行動を起こそうと考えた時、無意識のうちに
「他者の気持ちを最優先に頭に思い浮かべていないか」
ということを意識できるだけでも、少しずつ自分の本当の気持ちに気付いていけるはずです。
人の気持ちが分からないという悩みは苦しいものですが、本当は人一番、他人の気持ちを考えているはずなんです。
ただ、そんな人がまずするべきことは、自分の気持ちや心の声に耳を傾けることなんです。